【調査】仕事復帰と慣らし保育に「不安」が8割。先輩ママから伝えたいこと。

【調査】仕事復帰と慣らし保育に「不安」が8割。先輩ママから伝えたいこと。

子どもの保育園入園が決まると、仕事復帰や慣らし保育に対して不安に思う保護者は多いだろう。また実際に新生活がスタートすると、思うようにいかずにストレスを感じることも多々あるはず。今回は保育園生活がスタートしたばかりの保護者と先輩保護者に独自のアンケートを行い、仕事復帰の不安と乗り切り方などを調査した。

出産後、仕事復帰を考えても待機児童問題に悩まされ、なんとか入園が決まったところで今度は仕事復帰や慣らし保育への不安が現実味をおびてくる。

仕事と子育てを両立できるのか悩んだり、子どもと離れて過ごすことに罪悪感を感じたりすることもあるだろう。また、子育て環境や職場のサポートの有無は人によって異なるため、不安に思う部分も異なるだろう。

今回は、出産を経て仕事復帰を経験した、もしくはこれから経験する予定の保護者に、不安だったことやどのように乗り切ったかを聞いた。また、その間の慣らし保育についても同様に意見を聞いた。

1
※写真はイメージ(iStock.com/Masaru123)

保護者の8割が「仕事復帰と慣らし保育を不安と感じた」

今回KIDSNA STYLEで実施したアンケート調査によると、職場復帰について不安があるか、もしくは不安があったかどうかの質問では84.6%の保護者が「はい」と回答。

また、保育園の慣らし保育について不安があるか、もしくは不安があったかどうかの質問では「はい」と回答した保護者が80.8%という結果となった。

1

具体的にはどのような部分に不安を抱えているか、もしくは抱えていたかを聞いてみると、下記のような声が集まった。


毎日のスケジュール

30代/3児のママ
30代/3児のママ

いつも出かける準備に時間がかかっていたし、子どもといると時間が読めないことが多いので、子どもを保育園に送り会社に出社するのが間に合うかどうか、とても不安でした

子どもと自分の体調

30代/2児のママ
30代/2児のママ

先輩ママからは、最初のうちはすぐに熱を出したり色々な病気をもらってくると聞くので、まずは子どもの体調が心配です。また、復帰してもすぐに仕事を休まないといけないのかな……と想像すると気まずいです

20代/2児のママ
20代/2児のママ

単純に仕事と家事・育児を両立できるのか、自分自身がキャパオーバーになってしまわないか、体力が持つのかが心配だった

時短勤務

30代/1児のママ
30代/1児のママ

時短勤務で復帰する予定なので、フルタイム勤務でやっていた仕事を時間内に終わらせられるのかが心配です

授乳・離乳食

30代/1児のママ
30代/1児のママ

生後10カ月で保育園に入れることになったのですが、まだ卒乳していないため、おっぱいがなくて大丈夫なのか不安です

30代/1児のママ
30代/1児のママ

9ヵ月での入園でしたが離乳食をあまり食べてくれない子どもでした。家では母乳で栄養を摂っていたので、離れることがとても不安でした

2
※写真はイメージ(iStock.com/staticnak1983)

母子分離

20代/1児のママ
20代/1児のママ

子どもが人見知りや場所知りをするため、保育園に預けることが不安。朝別れるのを想像すると辛い

仕事復帰と慣らし保育をうまく進めるコツ

これらの不安に対して先輩保護者が具体的に行った対策を聞くと、以下のような回答が得られた。


実家・義実家を頼る

50代/3児のママ
50代/3児のママ

息子は入園後すぐに色々な病気にかかり、時には感染症で約1カ月間も登園できないことがありました。そんなに頻繁に仕事を休むわけにもいかなかったので、自分の両親と夫の両親に度々息子の世話を頼みました

家事代行やファミリーサポートの利用

30代/2児のママ
30代/2児のママ

二人目の育休から復帰したときは、家事代行サービスで部屋の片付けなどをお願いしていました。お金はかかりましたが、私の心の平穏のために必要だったと思います

50代/3児のママ
50代/3児のママ

わたしは両親の助けがありましたが、実家が遠いママ友はファミリーサポートなど区のサービスを利用して乗り切っていました

時短家電や宅配サービスの利用

3
※写真はイメージ(iStock.com/dragana991)
20代/2児のママ
20代/2児のママ

家事の負担を減らすために、掃除ロボットや電気調理鍋などの時短家電を導入した

40代/1児のママ
40代/1児のママ

子どもの離乳食は休みの日に作りおきして冷凍。大人の食事は宅配サービスを利用して、買い物や調理に費やす時間を節約していました

園見学や園庭開放への参加

30代/2児のママ
30代/2児のママ

希望している保育園が定期的に園庭開放をしているので、たまに遊びに行き、場所に慣れてもらうようにしています

リモートワークなど業務の調整

30代/2児のママ
30代/2児のママ

通勤時間がもったいないのと、体力的にも温存したいので、在宅勤務ができるように希望を出しました

復職日の調整

30代/2児のママ
30代/2児のママ

私の仕事復帰と子どもの入園が重なると、自分のキャパがオーバーするかもしれないと感じました。そのため、2週間の慣らし保育期間は仕事には復帰せずに、子どものケアに集中して過ごしました

転職

30代/1児のママ
30代/1児のママ

時間の融通が利きやすい仕事に転職しました

30代/1児のママ
30代/1児のママ

通勤に時間がとられないように、家の近くで転職を検討しています

その他にも、「仕事の代わりはいるけれど、母親の代わりは私しかいないと割り切るようにした」「自分だけ残業をしないのは気が引けるけれど、あえて周りの目を気にしないように時間になったらスパっと帰る」など、自分の感情をコントロールしている保護者の声があった。

こちらの記事も読まれています

仕事復帰前にパートナーと話し合ったこと

次に、仕事復帰と慣らし保育についてパートナーと話すことはあるかどうかの質問では、69.2%が「はい」と回答。

3

具体的には下記のようなことを話し合っていたようだ。

50代/3児のママ
50代/3児のママ

仕事復帰をしたら、自分だけではどうにもならないこと、誰かの手助けが必要であることを夫に訴えました。夫婦だけではどうにもできないことは、夫の両親に手助けをしてもらうことなどを話し合って決めました

30代/4児のママ
30代/4児のママ

育休中とは違い、平日は簡単な食事しか作れなくなるとあらかじめ伝えました。また、夫が早く帰った日はご飯を作ってくれるように頼みました

30代/2児のママ
30代/2児のママ

先輩ママの話やSNSで見た慣らし保育中のハプニングを、夫にも共有しています。我が家では仕事復帰はまだ少し先ですが、今後起こり得るトラブルを事前に伝え、理解を得ておくようにしています

4
※写真はイメージ(iStock.com/kazuma seki)
30代/1児のママ
30代/1児のママ

私の仕事はフルタイムかパート勤務か、どこの保育園だったら送り迎えがラクか、認可保育園に入れなかった場合はどうするかなどを話し合いました

30代/2児のママ
30代/2児のママ

復帰後の家族の1日のスケジュールをまとめ、朝の準備は全て夫が担当、それ以外は私が担当というふうに役割分担をしました

また、パートナーに伝えたいこととして、このような意見も。

30代/3児のママ
30代/3児のママ

妊娠から出産や育休を経て仕事に復帰することは、女性しか経験しないことなので、男性が理解することは難しいと諦めています。もし少しでも理解してくれるのなら、女性として母として尊重していることを、態度や言葉で伝えてくれたら嬉しい

先輩ママから「これだけは伝えたいこと」

最後に、職場復帰と慣らし保育を経験した保護者から、これから迎える保護者へ「これだけは伝えたいこと」をアドバイスしてもらった。

50代/3児のママ
50代/3児のママ

自分ひとりで抱えないことが大事だと思います。今は行政のサービスはもちろん、有料サポートでも安価で気軽にお願いできるシステムがたくさんあります。息抜きも大切ですよ

30代/1児のママ
30代/1児のママ

子どもは最初のうちは泣いたり保育園のご飯を食べなかったりしますが、いずれ慣れます。まずは親自身が先生を信頼して、保育園を好きになりましょう。その気持ちは子どもにも伝わりますよ

30代/3児のママ
30代/3児のママ

登園時、子どもは泣きますが、親が見えなくなったら切り替えています!子どもの順応性の高さを信じ、親は笑顔でサラッと送り出しましょう

30代/2児のママ
30代/2児のママ

しんどい時は無理をしないこと。慣れるまでは冷凍食品やお惣菜をどんどん利用してもいいと思います

5
※写真はイメージ(iStock.com/kohei_hara)
30代/2児のママ
30代/2児のママ

朝は想像以上にバタバタです。前日に準備できることはなるべくしておいて、朝は余裕をもって過ごすこと

30代/2児のママ
30代/2児のママ

保育園生活1年目は驚くほど病気をもらいます。パートナーとどちらがどのように休みを取るか、事前に話し合っておくとよいと思います

40代/1児のママ
40代/1児のママ

仕事は代わりがいても、子どもにとっての母親は代わりはいません。子育てに理解のない職場は残念ながらまだまだ多いです。苦しい思いをしながら働いている人は、思い切って転職も視野に入れてみたらよいのでは

今回、多くの先輩ママから、周囲の人やさまざまなサービスを積極的に頼ること、頑張りすぎないことが大切だというアドバイスがあった。

子育て環境は家庭によってさまざま、仕事に対する考え方も人それぞれだが、悩みを抱える保護者にとって、本調査が解決のヒントとなれば幸いだ。


【調査概要】

・対象:KIDSNA STYLE読者へアンケート調査を実施

・調査期間:2022年4月

・回答数:26人



<執筆>KIDSNA STYLE編集部

2023.03.14

仕事カテゴリの記事

ショート動画

教育を親の自己満足にしてはいけない。教育虐待になりうるハイパーペアレンティングの恐ろしさとは

教育熱心はどこまで?

この連載を見る

不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
【レポート】KIDSNAアンバサダー生誕2周年記念インスタライブ

2024年3月1日に開催したKIDSNA STYLEインスタライブ。お忙しい時間帯にもかかわらず、たくさんのアンバサダーのみなさまにご参加いただき、本当にありがとうございました!参加が難しかった方も多いと思うので、インスタライブの様子を簡単にご紹介いたします。