もし赤ちゃんが蚊に刺されてしまったらどう対処したらいいのでしょうか。蚊に刺されたときの注意点や気になる症状についてお伝えします。また、赤ちゃんが蚊に刺されないようにするための予防法やママたちの体験談も合わせてご紹介します。
赤ちゃんが蚊に刺されないように気をつけていても刺されてしまうことがあります。蚊に刺されたときの対処法と注意点をお伝えします。
<清潔にして冷やす>
赤ちゃんの肌が赤くなって腫れていたり、赤ちゃんがかゆがっているのを見て、蚊に刺されたことに気づくママが多いようです。
まず、刺された箇所を清潔にすることが大切です。水で洗ったり、濡らしたタオルで優しく拭いてあげましょう。刺された箇所を冷やしてあげると、腫れやかゆみが落ち着くこともあります。
<かゆみ止めの薬を使う>
赤ちゃんにも使えるかゆみ止めの薬が市販されています。薬の使用開始月齢や年齢をよく確認してから使用しましょう。
塗り薬だけでなく、シールタイプの薬もあります。赤ちゃんが塗り薬を舐める、掻きむしるなどの心配がある場合は、シールタイプの薬を貼るとよいかもしれません。
シールタイプの薬では、シールをとって口に入れてしまうこともあります。最初にかゆみを抑えることは大切ですが、使用するときは注意しましょう。
冷やしたりかゆみ止めの薬を使っても、腫れやかゆみが落ち着かないこともあります。赤ちゃんの爪を切っておくと、搔きむしりにより肌を傷つけることを予防できます。
また、刺された箇所が水ぶくれになってしまうと、それが破れて「とびひ」になってしまうことがあるので注意しましょう。「とびひ」が広がると腫れやかゆみが長引いたり、赤ちゃんの肌にあとが残ってしまうことがあります。
また、発熱や周辺にブツブツができるなどの異変がある場合は、アレルギーの可能性もあります。これらの場合は迷わず病院に受診しましょう。
ブヨや毛虫など蚊以外の虫に刺された場合、より症状が強く出たり、刺されたときから時間が経過してから腫れやかゆみなどの症状が出ることがあります。蚊に刺されたと思っても、その経過や赤ちゃんの患部をしっかり観察してください。
赤ちゃんは自分で蚊を退治することができないので、周囲の大人が予防してあげることが必要です。屋内外のシーン別での予防法をご紹介します。
お部屋の中で過ごすときは、空調で室内の温度を管理しましょう。また、空気清浄機や除湿機を置いて、お部屋を清潔にしておくことも大切です。温度や湿度が低い場所には蚊が寄りつかず、蚊が寄ってきたとしても活発に活動ができなくなるといわれています。
また、窓やドアなど外界と接する箇所は必ず網戸にすること、その開閉も素早く行うとよいでしょう。さらに窓やドアなどに吊るすタイプの虫よけ剤を網戸と併用すると安心です。
赤ちゃんの肌の露出を控えることで、刺される箇所を少なくすることができます。肌が出ている箇所にだけ赤ちゃん用の虫よけスプレーを使用するなどの工夫をしましょう。
長時間屋外にいる場合はさらに注意が必要です。赤ちゃんの近くに低刺激の蚊取り線香を置くママもいるようです。
6カ月未満の赤ちゃんには、ディートフリーのものを使用しましょう。イカリジン配合のものは年齢制限がなく、1日の使用制限もないので、使いやすいと思います。
ディートとイカリジンは吸血害虫の感知能力を撹乱し、吸血行動を抑制する働きがあります。ディートは多くの種類の害虫に効果がありますが、神経毒性や皮膚炎の副作用があることが報告されているので、使用する場合には6カ月以上の赤ちゃん、低濃度のもの、製品に記載されている使用頻度を守ってください。
イカリジンは、蚊やアブにはディートと同等の虫除け効果がありますが、対象となる害虫がディートより少ないですが、赤ちゃんから使用しても副作用が少ないといわれています。
また、天然成分が主体のものもあります。ユーカリなど有効があるものは、3歳以上で使用可能などありますので、使用上の注意を確認して使用してください。
赤ちゃんにも使える刺激が低い虫除け剤が市販されています。スプレー、ミスト、ジェルタイプがあります。
スプレーやミストを使う場合は、赤ちゃんの目や口には薬剤が入らないように気をつけてください。顔などには、大人の手に出してから塗ってあげください。スプレーやミストは帽子、洋服などにも使用できます。
ジェルタイプのものは全身に塗ることができるので便利です。
シールタイプのものや、リングタイプのものなど簡便なものもあります。製品に記載されている使用方法を守って使用してください。
蚊取り線香は室内の場合は換気も忘れずに、使用法をしっかり確認してから使ってください。赤ちゃんが煙を吸い込まないよう置く場所を考えましょう。
また、赤ちゃんの月齢や年齢によっては間違って蚊取り線香に触れてしまい、火傷してしまうこともあるので、使用時は危なくないようにガードして使用するか、常に目が届くように気を配ることが大切です。
コンセントにさすタイプの電気殺虫剤は、室内や夜間などの蚊の予防に便利です。部屋の広さや状況に応じて換気や使用時間を確認して活用しましょう。
紫外線に集まる虫の習性を利用したUV蚊取り器は、薬剤を使わないので赤ちゃんには安心かもしれません。紫外線でおびき寄せた蚊をファンで吸い込む仕組みになっています。
テント型や天井から吊るすタイプの蚊帳は、1人用を選べば赤ちゃんにも使えそうです。大きめの蚊帳でママと一緒に寝るのも安心かもしれません。
赤ちゃんが蚊に刺さないようにママたちはどう予防していたのでしょうか。赤ちゃんが蚊に刺されたときの対処も合わせて体験談を教えてもらいました。
赤ちゃんが蚊に刺されてしまったら、早めに対処してあげましょう。冷やしたり、薬を使用することで腫れやかゆみなどの症状が軽くなることがあります。それでも症状がおさまらなかったり、少しでも異変を感じたら病院を受診することが大切です。
春から秋にかけての蚊に刺されやすい季節には、屋内外などのシーンに合わせて蚊の予防をしてあげましょう。赤ちゃんを蚊から守ってあげられるといいですね。
保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)
日本小児科学会専門医・指導医。麻酔科 標榜医。久留米大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院、国立成育医療研究センター、東京女子医科大学八千代医療センター、国立感染症研究所勤務を経て、医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック院長に就任。専門は小児感染症、小児救急、アレルギー。
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