寒くなってくるとRSウイルスが地域や保育園、身近な友だちの間で流行り、我が子も感染するのではと心配なママもいるでしょう。赤ちゃんがかかりやすい病気、RSウイルスに感染しないためには予防対策が必要です。RSウイルスを予防するワクチンはあるのか、日常のなかで感染予防の対策をご紹介します。
RSウイルス感染症とは、「RSウイルス」というウイルスが原因で感染する、乳幼児の代表的な呼吸器の病気です。
・38~39℃程度の発熱
・鼻水
・咳
・喘息のような症状(ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴や、ひどいせき込み)
RSウイルスは、例年秋から冬にかけて流行ります。特に11月~1月にかけての冬が感染のピークです。
RSウイルス感染症には、年齢問わず感染する可能性がありますが、特に乳幼児がかかると症状が強く出るりやすい病気で、2歳までにほとんどの子どもがかかるようです。
一般的に幼児に感染しても、風邪のような症状で治まることが多いのですが、6カ月未満の赤ちゃんが感染すると、重症化しやすく細気管支炎や肺炎などを引き起こし入院となる可能性もあり、注意が必要です。
予防接種のワクチンはありませんが、RSウイルスに効果がある抗体成分の注射薬があります。注射を打っても、RSウイルスの感染を確実には予防できませんが、万一、RSウイルスに感染した場合にも、重症化を防げることが多いようです。
ただし接種対象者は規定があり、専門家も以下のように話しています。
対象は次の通りです。
・早産児
・先天性疾患を持つ乳幼児
・慢性肺疾患を持つ乳幼児
・免疫不全を伴う乳幼児
・ダウン症の乳幼児
以上のような、RSウイルスに感染すると重症化しやすい乳幼児は、感染症から命を守るために注射薬を保険適応で接種することができますが、それ以外の乳幼児は適応外になります。
RSウイルスの感染経路は、「飛沫感染」と「接触感染」です。RSウイルスには特効薬や健常児が受けられる予防接種ワクチンがないため、専門家も感染予防のために次のような助言をしています。
感染しないために、どのような予防対策ができるでしょうか。
RSウイルスを体内に入れないように手洗い、うがいを徹底することが大切です。ドアノブや手すり、電車のつり革などにRSウイルスがついているかもしれません。ウイルスを触った手で鼻をかんだり、目をこする、咳やくしゃみをするときに手で覆うと体内に入り、RSウイルスに感染する原因になります。
石鹸を使って手洗い、うがいをし、手洗いのあとはアルコール消毒をすると、よりよいでしょう。
RSウイルスは、咳やくしゃみなどで飛沫感染するので、マスクの着用を心がけましょう。
0~1歳の赤ちゃんがRSウイルスにかかったときには、大人も感染の可能性がありますので、ママやパパがマスクを着用して感染を予防してください。
RSウイルスは手や物を介して感染します。
RSウイルス感染者の触ったおもちゃや、ドアノブはアルコールや塩素系の消毒剤でこまめに消毒することで感染を未然に防げるかもしれません。
特にRSウイルスが流行する、秋口から冬にかけては人ごみへの外出はなるべく避けるようにしましょう。
流行時期でなくても、人の多い場所へ行くときにはママやパパは必ずマスクを着用し、可能であれば赤ちゃんも子ども用のマスクを着用するなどの対策が必要です。
たばこの煙はRSウイルスの気道の感染症を悪化させるリスク引き起こす可能性となる場合があります。赤ちゃんや子どもの前でたばこを吸うのは控え、外出先では禁煙席を選ぶなどの対策が大事です。
RSウイルスは、接触感染でもうつるため、子どもがRSウイルスに感染したときにはキスなどくっついたり密な接触は避けましょう。家庭内であってもタオルや食器の共有をさけ、別々のものを用意するなどの配慮が必要です。感染者の食べ残しを口にするのもNGです。
手洗い、うがいの習慣をつけ、RSウイルス流行時には人ごみを避ける、マスクの着用などを意識をすることのほかにも、栄養バランスのとれた食事や、十分な睡眠など規則正しい生活で免疫維持を心がけましょう。
保育園や幼稚園で、RSウイルスなどの感染症が流行すると、園だよりや掲示、ホームページなどで感染症に注意のお知らせが発信されます。RSウイルスは感染力が強いので、園からのお知らせに注意を向けて、感染者が出たときには特に意識をして予防しましょう。
RSウイルスは、2歳までにほとんどの赤ちゃんがかかるといわれている病気ですが、予防ワクチンや一般的な特効薬などはありません。
そのため日頃の予防対策が大切です。日常生活での手洗い、うがいやマスクの着用、家の中の消毒や除菌など対策をすることで感染が防げるかもしれません。
発症の年齢が低いほど重症化しやすくなるため、RSウイルスの流行時期にはママやパパが意識して、積極的に予防対策を行うことが赤ちゃんをRSウイルスから守ることにつながります。
千葉智子(上高田ちば整形外科・小児科)
上高田ちば整形外科・小児科 副院長。
小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。
「子どもが頭を打った」「外食して2時間後にじんましんが出た」など、子どもの病気や気になる症状について医師に相談できるのが、日本最大級の医師Q&Aサイト「アスクドクターズ」です。
最短5分で複数の医師から回答がもらえるだけでなく、200万件以上の相談事例を症状や病名から検索することもできます。
かかりつけ医とともに、子育て中のママやパパの頼もしい味方になってくれそうですね。
2018年10月16日
新型コロナウイルス対策として、入念な手洗いやアルコール消毒が日常となった昨今。例年に比べ、子どもの手荒れが気になる方も多いのではないでしょうか。加えて、これから本格的な冬を迎えるため、乾燥によってさらに悪化の懸念も。今回は、子どもの手荒れについて、原因や症状、家庭で行うケアについて解説します。
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
命に関わる重大な事故につながることもある子どもの誤飲。大人が目を離したすきに事故が起こることも多いため、目が行き届きにくくなる場面では注意が必要です。今回は、乳幼児期の誤飲について、起きてしまう原因、実際に誤飲してしまったときの症状や応急処置、家庭での対策について解説します。
眞々田容子(クローバーこどもクリニック)
病院を受診するべきか、救急にかかるべきか、正しい選択が迫られる子どもの急な発熱やケガなどの症状。コロナ禍の今、どのような対応が適切か悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。今回は、子どもの発熱やそれ以外の容態の変化などの際の救急を受診する目安と注意点、また保護者がとるべき対応について解説します。
保科しほ(医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック)
子どもの歯並びに影響が出ないか気になるおしゃぶり。定番の育児グッズですが、いつからいつまで使用してよいのか迷うこともあるでしょう。今回は、おしゃぶりが歯並びに与える影響や効果、使う際の注意点、卒業の仕方について詳しく解説します。
坂部潤(医療法人社団スマイルベア 小児歯科専門医 キッズデンタル)
新しい生活様式で当たり前になった体温測定。体温測定は体温を測るところだけに目が行きがちですが、実は他にも意外な効果があるのです。教えてくれたのは、現役保育士のてぃ先生。親子で楽しく体温測定するポイントをお伝えします。
株式会社ケイジェイシー
PR
新しい生活様式が呼びかけられ、マスク着用が習慣化している現在。幼い頃からマスク生活を強いられる現代の子どもにとってどのような影響があるのでしょうか。口呼吸がもたらす子どもの成長への弊害と口呼吸の危険サインについて分かった中編。後編では、口呼吸から鼻呼吸へ改善する実践法についてみらいクリニック院長の今井一彰先生に解説してもらいます。
今井一彰(みらいクリニック)
新しい生活様式が呼びかけられ、マスク着用が習慣化している現在。幼い頃からマスク生活を強いられる現代の子どもにとってどのような影響があるのでしょうか。マスク着用から引き起こされる健康トラブル”マスクシンドローム”の危険性と呼吸の重要性が分かった前編。中編では、口呼吸がもたらす弊害についてみらいクリニック院長の今井一彰先生に解説してもらいます。
今井一彰(みらいクリニック)
新型コロナウイルスの流行に伴い、マスク着用が当たり前となった現在。このような「新しい生活様式」が子どもに重大な弊害を及ぼすというみらいクリニック院長の今井一彰先生。前編では、マスク着用の習慣がもたらす健康被害と口呼吸についての危険性について聞きました。
今井一彰(みらいクリニック)
日常的によくみられる子どもの鼻水・鼻づまり。なるべく早く解消してあげたいですよね。今回KIDSNAでは、現役保育士のママに「子どもの鼻水・鼻づまり」に関するアンケートを実施。保育園でのあるあるシーンや、保育士目線での対応方法をご紹介します。
大正製薬株式会社
PR
抱っこや授乳、オムツ替えなど、子育て中は無理な姿勢が続くことが多く、肩こりや腰痛に悩むママが多いようです。今回KIDSNAでは、「ママの肩こり・腰痛」に関するアンケートを実施。肩や腰に負担を感じるのはどんなとき?子育て中の肩こり・腰痛あるあるや、おすすめのケアアイテムをご紹介します。
花王株式会社
PR
新しい習慣として定着しつつある毎朝の体温測定。体温は、子どもの体調を把握するうえでの大切な手がかりになります。今回は、子どもの体温の特徴や正しい測り方、時間やタイミングについて、小児科医で2児のママでもある工藤先生に聞きました。
株式会社ケイジェイシー
PR
「お風呂場に行きたがらない」「髪や顔・体を洗うのを嫌がる」など、子どもとのお風呂は毎日バタバタ。スムーズなお風呂タイムにするにはどうすればよいのでしょうか。今回は「子どものお風呂あるある(=困りごとやお悩み)」について、現役保育士のてぃ先生に解説してもらいました。
丹平製薬株式会社
PR