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【小児科医監修】プール熱は何日で治る?初期症状や出席停止日数などについて
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上高田ちば整形外科・小児科 副院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 こどもの心相談医
上高田ちば整形外科・小児科 副院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 こどもの心相談医
上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。
子どもがプール熱にかかると、学校保健安全法にしたがって保育園や幼稚園を何日か休むことになります。プール熱の感染力が強いため、きょうだいが感染すると、園によってはいっしょに休むように言われることもあるようです。プール熱の初期症状や何日で治るか、幼稚園や保育園の出席停止期間は何日間か、などを解説します。
プール熱とは
プール熱は、夏に流行する夏風邪の1つで、「子どもの3大夏風邪」とも言われています。
プール熱の原因
プール熱は、「アデノウイルス」による感染が原因です。プールでのみ感染するわけではありませんが、プールの水を介して人から人にうつることが多いため「プール熱」と呼ばれています。
原因となるアデノウイルスの型は複数あるため、1度感染しても何度も発症する場合があります。
潜伏期間
プール熱の潜伏期間は、5~7日程度です。症状があらわれる2日くらい前から感染する可能性があります。いっしょに遊んでいた友だちがプール熱を発症した場合は、感染している場合があるので、子どもの様子をいつも以上に注意してみるようにしましょう。
かかりやすい年齢
プール熱の感染者の6割が5歳以下と、子どもがかかりやすい病気です。しかし、感染した子どもから大人に感染する場合もあるので、子どもがプール熱にかかったらママやパパも感染しないように対策が必要です。
初期症状
プール熱に感染すると、突然39℃前後の発熱がでることが特徴です。
発熱のあとに、頭痛や全身の倦怠感、食欲不振が3~5日程度続きます。頭痛などの症状といっしょに、咽頭痛(のどの痛み)、結膜炎(目の充血)、まぶしがる、涙や目やにが増えるなどの症状がみられます。目の痛みや充血は、片目から現れ、そのあとにもう片方にも症状があらわれることがほとんどです。
発熱や目の充血などの症状があらわれたときから数日間は、特に感染力が強いので注意が必要です。
プール熱の出席停止期間
プール熱にかかったら、保育園や幼稚園を何日休むのか、何日間登園できないのか気になるママもいるでしょう。
学校保健安全法でプール熱は、第二種伝染病に位置づけられていて、学校指定の出席停止期間は、「症状がなくなったあと2日間を経過するまで」とされています。しかし、熱が下がっても、感染源となる目やにが出ていると、周囲の人たちに感染する可能性があるため、目の症状が治るまでは外出や登園は避けた方がよいでしょう。
プール熱の感染力は強いので、保育園や幼稚園、学校に登園するときには感染する恐れがないと医師からの診断と登園許可証が必要になります。
初期症状から出席停止日数を経て、完全に回復するまでは1週間程度は保育園や幼稚園をお休みすることになるでしょう。
症状が長引いたらすぐに病院へ
プール熱に感染しても、1週間程度で治ることがほとんどですが、高熱が5日以上続く場合や食欲の低下がひどい、水分がとれないなどの症状が長引いているときには病院を受診しましょう。
きょうだいがかかってしまったら?
プール熱は感染力が強いので、家族の誰かが感染すると家庭内に感染が拡大する可能性が高くなります。きょうだいに感染した子どもがいると保育園や幼稚園によっては、感染していない子どももいっしょに何日か休むように言われる場合があります。
きょうだいの一人がプール熱にかかってしまったときに、家庭内での2次感染予防法をご紹介します。
出席停止期間中の注意点
タオルや衣類の共有は避ける
感染源の目やにがついている可能性のあるタオルは、家族でも共有は避け、目やにをふき取るときには、タオルやハンカチを使わず、拭いたらすぐに捨てられるティッシュなどを使うようにしましょう。
できれば、洗濯物も分けて洗うほうがよいかもしれません。
煮沸消毒
アデノウイルスは熱に弱いので、感染者が触れたタオルや食器は100℃程度で5秒の煮沸消毒をするのもよいでしょう。
お風呂は最後に
プール熱は、水を介して感染するために、家でのお風呂にも注意が必要です。感染者は浴槽には入らずに、シャワーだけにするようにしましょう。お風呂場を使用する際には、患者の順番は最後にして、使用後はお風呂場を掃除するなど感染しないよう気をつけましょう。
手洗い・うがい
プール熱の原因のアデノウイルスを体内に入れないように手洗い、うがいをしっかりすることが予防になります。
オムツ替えにも注意
プール熱は完治したあとでも、長期間、ウイルスが便のなかに排出されるため、赤ちゃんが感染したときにはオムツの取り扱いにも注意が必要です。ママやパパは、オムツ替えのときに手袋を使用したり、オムツ替えのあとには、必ず石鹸を使って手を洗うようにしましょう。
医師の指示に従っての登園が大事
プール熱は、7~8月をピークに流行りますが、1年を通してうつる可能性がある病気です。感染すると初期症状として突然39℃前後の熱が出ます。また、咽頭炎や倦怠感を感じたり、目の充血、目やになどの症状がでることが特徴です。
感染力が強いため、患者にきょうだいがいる場合は感染を広げないために、家庭でも入念な予防対策が必要となります。
プール熱は学校保健法で出席停止日数が決められていますが、症状によって、何日で治るか、何日休むかにばらつきがあります。子どもの病状が長引く場合には、学校指定の出席停止日数を過ぎても、医師の登園許可をもらうまで保育園や幼稚園に登園できない場合もあります。
プール熱の対処法や登園停止期間を知り、正しいホームケアで早めの回復を目指しましょう。
監修:千葉智子先生(上高田ちば整形外科・小児科
Profile
千葉智子
上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。