子育てを学ぶ。子育てから学ぶ。ママ・パパのための情報メディア「KIDSNA(キズナ)」

2018年07月11日

【小児科医監修】子どもが水疱瘡になる原因と症状、帯状疱疹になる可能性とは

【小児科医監修】子どもが水疱瘡になる原因と症状、帯状疱疹になる可能性とは

水疱瘡(水ぼうそう)は子どもの間で流行する病気のひとつです。子どもが未経験だったり、予防接種が済んでいない場合は症状や感染経路が気になるところでしょう。また水疱瘡ウイルスから帯状疱疹になるのでは、と心配するママもいるかもしれません。ここでは水疱瘡の症状や原因、予防法や後遺症などについて解説します。

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

水疱瘡(水ぼうそう)とは? 

水疱瘡は水痘ともよばれ、発熱と水ぶくれ、かゆみを伴う赤い発疹が全身にあらわれるウイルス性の病気です。1年を通してかかる可能性のある病気です。

また水疱瘡の発症患者の9割は9歳以下の子どもだといわれています。

水疱瘡の症状

水疱瘡の初期症状とし、倦怠感や37~38度くらいの発熱があらわれることがあります。その後1~2日ほどで、赤くかゆみのある発疹がお腹や顔にでき始めます。水疱瘡の発疹は、一気広まるのではなく、数日間をかけて全身に次々とあらわれます。

また発疹の出始めは、丘疹と呼ばれる小さくて平べったいぶつぶつですが、しばらくすると水疱(水ぶくれ)になり、その後かさぶたへと変わり治癒します。

子どもや赤ちゃんの場合、発熱がなく、発疹が出てから水疱瘡だと判明するというケースも珍しくありません。水疱瘡の発疹にはかゆみがあるので、蕁麻疹や虫刺されと見間違えないよう注意が必要です。

水疱瘡の原因と感染経路、潜伏期間

水疱瘡の原因となるのは、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスです。水痘帯状疱疹ウイルスは感染力が非常に強く、飛沫感染や接触感染、空気感染によって人から人へとうつります。

水疱瘡の潜伏期間

水疱瘡のウイルスにかかると発症まで約2~3週間ほどかかるようです。またウイルスに感染した後、水疱瘡を発症する2日ほど前から、口内などからウイルスを広めてしまうこともあるようです。

水疱瘡のウイルスの感染力

水疱瘡のウイルスは、発熱の症状しかないときの感染力はそれほど強くありません。しかし水疱瘡の発疹がでてから、かさぶた化するまでの感染力は強いといわれています。水疱内の液体がかきこわしなどで発疹の外に出てしまうと症状が広がったり、人に感染する原因になります。

水疱瘡の治療

水疱瘡の薬
iStock.com/belchonock

子どもが水疱瘡かな、と思ったときには、早めに医療機関を受診しましょう。感染力の強いウイルス性の病気ですので、事前に医療機関に連絡しておくのもよいでしょう。

子どもの状態や発疹が出てからの時間にもよりますが、抗ウイルス薬が処方されるでしょう。この抗ウイルス薬は、水疱瘡の原因のウイルスを抑制するものです。発疹ができ始めてから2日以内に服用することで、発疹の広がりを抑えるよう働きかけます。また、すでにできてしまった発疹には、かゆみ止めや塗り薬などの処方があることも多いようです。まれに熱が下がらないという子どもや赤ちゃんには解熱剤が処方されることもあります。いずれにしても、子どもの様子や症状、発症からの時間から薬の処方が検討されるでしょう。

子どもに発熱や発疹といった症状が出始めた時間や現在の様子を、ママやパパの口からも医師にしっかり説明できるようにしておきましょう。

水疱瘡になったときの注意点

子どもが水疱瘡にかかった時はどのようなことに気を付けて過ごせばよいのでしょうか。

着せすぎには要注意

水疱瘡の発疹は体温の上昇に伴ってかゆみが増します。

発熱後だと心配だったり、かきこわしを防ぐために肌の露出を防ぐため厚着をさせてしまいがちですが、厚着はさらなるかゆみを招いたり、汗をかくことで発疹の回復を妨げる場合があります。快適に過ごせる温度と衣服の量か意識して調整しましょう。

爪の長さに注意

ママやパパがいっしょにいる時間は、子どもが発疹をかかないよう注意することもできるかもしれませんが、子どもから目を離すこともあるでしょう。子ども自身もかかないように気を付けていても就寝中など無意識に発疹をかいてしまうこともあるかもしれません。

水疱瘡の発疹が出だしたら、子どもの爪は短くするよう心がけましょう。赤ちゃんにはさらにミトンをさせるのもよいかもしれません。さらにママやパパも、子どもの体に触れたときに水疱をつぶしてしまうことのないよう、爪の長さに気を付けましょう。

幼稚園、保育園は治癒までお休み

水疱瘡は学校保健安全法で出席停止基準のある感染症のひとつです。概要によると「全ての発疹が痂皮(かさぶた)化するまで」幼稚園、保育園、学校はお休みしなくてはなりません。登園許可証のいる施設がほとんどですので、水疱瘡と診断されたら通っている施設や医師に確認をしましょう。

重症化、合併症になりやすい

水疱瘡では発熱がないケースもありますが、高熱が出る場合もあります。その際、髄膜炎や脳炎、肺炎といった合併症を引き起こし、重症化することもあるので注意が必要です。

また子どもが水疱瘡にかかると、後遺症として帯状疱疹になるのか、心配するママやパパもいるでしょう。

水疱瘡にかかると将来、帯状疱疹になるの?

帯状疱疹とは水疱瘡と同じく、水痘帯状疱疹ウイルスが原因であらわれる、痛みを伴う発疹性の病気です。大人でも子どもでも、水疱瘡にかかったことのある人なら誰もが発症する可能性があります。帯状疱疹は強いストレスや体調不良などで免疫が落ちているときに発病することの多い病気です。水疱瘡は、一度かかると二度とかからないといわれていますが、帯状疱疹は、複数回繰り返す人もいれば、水疱瘡にかかったことはあるけど帯状疱疹にはかかったことがない、という人もいます。

また帯状疱疹は、水疱瘡と同じく水痘ワクチンを接種して予防することが推奨されていますが、日々の生活の中で免疫力を維持することが最も有効な予防策です。

水疱瘡の予防法

水痘ワクチンの接種

ワクチン接種
iStock.com/luckyraccoon

水痘ワクチンは2014年より定期接種(定められた期間内に公費で接種できる)となりました。1歳~1歳5ヶ月までに1回目の接種、3歳の誕生日を迎えるまでに1回目の接種より3ヶ月以上(標準的には6ヶ月~12ヶ月)間隔をあけて、2回目を接種するよう推奨されています。

厚労省のホームページでも下記のように水痘ワクチンの効果について見解が示されています。

水痘ワクチンの1回の接種により重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水痘も含めてその発症を予防できると考えられています。
出典: 水痘Q&A/政策について/厚生労働省

また専門家のなかには、水痘ワクチンは水痘ウイルス感染後3日以内に接種できれば、発症を抑える効果もあるとの意見もあります。

水痘は、発疹が出現する約24〜48時間前から、出現4〜5日後、あるいは痂皮化するまでの期間、感染力があります。感染力が強いのは、発疹が出てからです。 予防接種は、感染して72時間以内なら、接種すると、発症を8割程度、抑制出来ます。
出典: AskDoctors

子どもの通う幼稚園や保育園で水疱瘡にかかった子どもが出た場合、発症する前に主治医に水痘ワクチンの接種を相談しましょう。

うがい、手洗い

水疱瘡の水痘帯状疱疹ウイルスは、うがいと手洗いの徹底や手洗い後の抗菌ジェルの使用などによって防ぐことができるようです。子どもの通う施設などで水疱瘡の感染があった場合や水疱瘡の流行時期には、帰宅後や食事の前には、うがい、手洗いを徹底しましょう。

また、子どもが水疱瘡にかかった際、ママやパパもうがい、手洗いを念入りにしましょう。
妊娠初期に妊婦が水疱瘡ウイルスにかかった場合、胎児の発育に異常があるなどの事例もあるようです。妊娠を望むママやパパは、特に気を付けたいですね。

水疱瘡かも、と思ったら早期の治療開始を

診察中の赤ちゃん
iStock.com/alice-photo

水疱瘡は全身に発疹の出るウイルス性の病気です。潜伏期間が2週間以上と長く、感染力が強いので予防に努めることが大切です。また、水疱瘡にかかると帯状疱疹などの後遺症がでる可能性もあるため、公費で受けられる予防接種を検討しましょう。

また、子どもが水疱瘡のような症状があるときは、可能な限り早めに受診しましょう。早期に治療を受けることで、ウイルスの増殖を抑え、発疹の数が少なくなります。

水疱瘡の予防や、かかった後の注意点などを把握して水疱瘡に備えられるとよいですね。

監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)

No image

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

眞々田 容子の監修記事一覧(バックナンバー)

台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。

症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。

お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。

クローバーこどもクリニックのブログ
クローバーこどもクリニック

子どもの病気について5100人以上の現役医師にすぐに質問・回答!

日本最大級の医師Q&Aサイト アスクドクターズ(AskDoctors)

「子どもが頭を打った」「外食して2時間後にじんましんが出た」など、子どもの病気や気になる症状について医師に相談できるのが、日本最大級の医師Q&Aサイト「アスクドクターズ」です。

最短5分で複数の医師から回答がもらえるだけでなく、200万件以上の相談事例を症状や病名から検索することもできます。

かかりつけ医とともに、子育て中のママやパパの頼もしい味方になってくれそうですね。

※記事内で使用している参照内容は、2018年6月21日時点で作成した記事になります。

トラブルの関連記事
カテゴリ一覧