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【小児科医監修】離乳食中に口の中に手を入れちゃうのはなぜ?理由や手づかみ食べのタイミング
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
生後6カ月前後からスタートする離乳食。「口の中に手を入れて遊んで、ぜんぜん食べてくれない!」と、お困りのママもいるのでは?今回はそういった行動の理由や対策、そして離乳食後期なら視野に入れたい「手づかみ食べ」についてご紹介します。
食べながら口の中に手を入れる理由とは?
離乳食中に手や指を口の中に入れるのは、口内を刺激し、感覚を少しづつ慣らしていると言われています。
こうすることで、さまざまな形の食べ物、歯ごたえに対する抵抗も徐々になくなり、手づかみで食べられるようになれば、口の中に手を入れることも自然となくなるでしょう。
対処法について
手指を口に入れつつも、ご飯も食べているならば、あまり深刻にならなくていいでしょう。
また、離乳食後期の赤ちゃんなら「手づかみ食べ」にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
「手づかみ食べ」とは?
赤ちゃんが食べ物を手でつかみ、口まで運ぶ動作のことを指します。厚生労働省の資料には、食べ物を目で確かめて、手指でつかんで、口まで運び口に入れるという、目と手と口の協調運動と記されています。
こういった目と手と口の協働ができてくることで、お箸やスプーンといった食器も上手に使えるようになるのです。
「手づかみ食べ」デビューのタイミングは?
小さなお子さんを持つママたちに、どのくらいの時期に手づかみ食べを始めたか聞いてみました。
30代/1歳児のママ
20代/10カ月のママ
生後8カ月の終わりから、歯茎でつぶせるような固さのものを噛んで食べられるようになってきたので、少しずつ手づかみ食べを取り入れるようになりました。最初は触っているばかりでしたが、自分でつまめるようになると食べる量も増えていった気がします
20代/11カ月のママ
家族みんなで食事をすることが増えていくと、赤ちゃんの方から手を伸ばして食べ物に触れようとする姿が出てきました。自分で食べたい気持ちが出てきたのかなと考え、10カ月頃から積極的に手づかみ食べ用のメニューを作るようになりました
一般的には生後9カ月から生後11カ月の離乳食後期が多いでしょう。
ただ、これはあくまでも目安なので、赤ちゃんの様子に合わせてゆっくりと切り替えればいいと思います。
また「自分でやりたい」という意欲が沸いてくる時期でもあるので、「手づかみ食べ」で“自分で食べる意欲”を満たしてあげるのもの大切です!
「手づかみ食べ」を上達させるコツは?
手づかみしやすい大きさ・形状に
赤ちゃんの「自分で食べたい」という意欲を満足させてあげられるように、手づかみしやすい食事を用意しましょう。
量の調整を促す
食べ物を口の中に詰め込むクセがつかないように、前歯で噛みとり一口量で飲みこむように促してあげましょう。
食べやすい環境に整える
子ども用のお皿を用意したり、汁物は少しの量にするなど子供が食べやすい状態を心がけましょう。
いろいろな食べ物を用意
5~7cmの長さのスティック状に切った野菜(やわらかくゆでたもの)やパンケーキ、小さなおにぎりや豆腐ハンバーグなど、色や形、温度、かたさ、味、におい、食感など、さまざまな食体験をさせてあげましょう。
「手づかみ食べ」の注意点
食べ物の硬さ
食べ物の硬さは、スプーンや歯ぐきで簡単につぶせるくらいが目安とされています。
硬すぎたり、柔らかすぎたりすると、食べ物を丸飲みする習慣がついてしまうことも。
赤ちゃんの咀嚼の様子を見ながら、少しずつ硬さや大きさを調節していくのがいいでしょう。
片づけやすい環境作り
手づかみ食べを始めた赤ちゃんの多くが、食べ物で遊んだり、投げたりしてしまうことでしょう。
ママのイライラを少しでも軽減できるように、床に新聞紙を敷いたり、汚れやすいものは撤去するなどして食卓を工夫しましょう。
ママたちに聞いたうちの子の“手づかみ食べ体験談”
20代のママ
下の子は、生後10カ月頃から2歳半頃まで手づかみ食べをしていたと思います。お兄ちゃんの真似が好きだったためか、私が教えなくても自然と手づかみ食べが始まり、終わっていました
40代ママ
1歳の息子は手づかみ食べを嫌がるので、お手本を見せたらよいかもしれないと思い、ママもパパもいっしょに手づかみで食べてみました。おいしそうと思ったようで、大人の真似をして手づかみするようになりましたよ
20代ママ
1歳になってから手づかみ食べ用のご飯で遊ぶようになり、母に相談しました。お腹が空いていないのではと言われ、食事とそうでない時間のメリハリをつけ、おやつを控えて飲み物は水やお茶を出すようにしたところ、遊ぶことなくしっかり食べることが増えました
中には手のべたつきが気になり、手づかみ食べに消極的な赤ちゃんもいるのだそう。その場合は無理強いせず、手がべたつかないようなメニューを用意して見守りましょう。赤ちゃんの「自分でやってみたい」気持ちを上手にサポートして、「自分でできた」という満足感をたくさん経験させてあげたいですね!
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
生後9カ月に入り3回食になったことをきっかけに、家族と朝や昼、夕食を同じ時間に楽しめるようになったので手づかみ食べを始めました。目の前で家族が食べていると、食べたいという気持ちが出てくるようで、自分から喜んで食べ物に触れていました