子どもの前で泣いてもいい!自分を大切にする「セルフラブ」【藤本美貴×精神科医  藤野智哉】

子どもの前で泣いてもいい!自分を大切にする「セルフラブ」【藤本美貴×精神科医 藤野智哉】

同調圧力、会社からのプレッシャーなど私たちは常に「他者との比較」や「優劣の問題」に振り回されています。「KIDSNA TALK」第7弾では、タレントで3人のお子さんのママでもある藤本美貴さんと精神科医の藤野智哉先生にメンタルヘルスや自身との向き合い方についてお話いただきました。第3回は、ありのままの自分を認めて自分を愛する「セルフラブ」の重要性についてです。

KIDSNA TALK
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自分を大切にする「セルフラブ」の重要性

加藤
藤野先生は、著書『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本』で自分を大切にする“セルフラブの重要性”を説いています。

藤本さんは芸能界と家庭、また出産などで大きなターニングポイントを迎えてらっしゃると思いますが、そんななかで自分自身を見失ったり、本当の自分とは異なる自分を演じてみたりして、疲れるようなことはありましたか?

藤本 美貴さん
芸能人の自分とプライベートの自分。私は分けられる人が「プロだな」って思ってとてもうらやましかったです。

私は「セルフラブ」がとても大事だと思っていて、「自分がハッピーであるために」というセルフラブの塊だと思います。(笑)

だから、人がどうこうではなく、自分が笑顔でいられるか否かを基準にさまざまな選択をしています。逆に、セルフラブ過ぎてこれでいいのかな、と思うときもあります。
加藤
藤本さんはご自分に正直な方だと思います。
藤野先生
周りの人とトラブルができてしまうほどであると本質から少しずれますが、藤本さんはまったく問題ないと思います。
藤本 美貴さん
よかった。でも「自分を大切にする」ことは本当に大事ですよね。
藤野先生
特に家庭を持ってしまうとお子さんが一番になってしまいがちです。お子さんの次はパートナー、義理の両親や自身の両親に気を使って結果、自分が後回しになってしまうことがあります。

そして自分の疲労に気付かず、「自分にご褒美をあげたのはいつだったろう」という方がすごく多いんです。だからこそ、自分に対する優しさがもう少し必要だと思います。
藤本 美貴さん
でも、それができない人はどうすればいいですか?
藤野先生
そもそも、誰もが自分を苦しめようと思っているわけではないと思います。つまり、他のことを優先しているために自分のことを忘れてしまうんです。

1週間を振り返ってみても「リラックスタイムがまったくない」という方は、心にセルフラブを留めておいてほしいのです。

自分自身に目を向けて「そろそろ疲れているな」と思ったら、ご褒美やリラックスできるようにしてあげる。そんな「考え方のクセ付け」が重要だと思います。

でも、実践できている人はとても少ないと思います。

ママも我慢はしない!親も子もパーソナルな存在

加藤
日本人は我慢するのが美徳ではないですが、割と人のために…という人が多い気がします。
藤本 美貴さん
人のために…という精神ですよね。
藤野先生
「自己犠牲」の精神で、昔から「人のために」という世代に育てられていることもあり、やはりそうしている間にすり減っているのです。人に対しては「そろそろ疲れているのでは?」と気を使ってあげるのに、自分に対しては、ぜんぜん気を使わないのです。
藤本 美貴さん
でも、ほんの小さなことでいいですよね。スーパーに行ったときに自分の好きなプリンを買ってこっそり子どもがいないときに食べるとか。(笑)そんなことでもいいんですよね、きっと。
加藤
「今日はリセットします」ということを受け入れてくれる旦那さんの協力も必要ですね。そうでないとなかなか時間が作れないこともあります。
藤野先生
「身体を緩めるために、お風呂に半身浴で20分入りたい」と思ったときにご主人がその間、お子さんを見ていてくれるとか、そういう些細な協力が必要なのですが、それもまた相談になりますね。
藤本 美貴さん
私は子どもが寝る際に、「ママも早くきてね」と言われることに対し、「ママのことはほっておいて!ママはあなたたちが寝た後に自分の楽しみの時間があるの、だから気にしないで寝て」と言っています。

そんなちょっとの時間が私にはとても大切です。
藤野先生
お子さんが成長していく過程の中で必要なことですし、上手に距離をとるという意味でも、悪いことではないです。
加藤
藤本さんのように「ママはママの時間がある」ということをはっきり子どもに伝えることってすごく大事だな、と思いました。
「ママはママで大人のパーソナルであって、運命共同体ではないんだよ」と。どうしても一緒にしがちですものね。
藤野先生
いい意味で「ママも我慢しない」ということだと思います。
加藤
大事ですね。
藤野先生
お子さんが一人の別の人間であるように、お母さんも別の人間だということをそれぞれが自覚することが大切です。

「お母さんはこう思う。だからこうしたいと思う」という理由をきちんと説明していくことでお子さんも納得できます。お母さんもリラックスする時間が必要だということをきちんと伝えてあげることが大事です。そうすることで、お子さんは相手のことを考えられる人になると思います。
藤本 美貴さん
そうですね。

子どもの前でだって泣いていい!

加藤
藤野先生の著書や藤本さんのSNSを拝見して、おふたりに共通していることが、「ありのままの自分を受け入れる」ってことだと思いました。

でも、なんでも子どもに出しちゃうのはどうでしょう。例えば、子どもの前で泣くことはダメという話もありますが、ありのままをさらけ出すということはどうですか。
藤野先生
多くの人間関係において、さらけ出すこと自体は本来、悪いことではありません。ただし、お子さんが不安になってしまうことがあるので注意が必要だとは思います。

そして、涙が出てしまう、泣いてしまうことに対して、お子さんに説明して理解ができるのであればいいと思います。出し方次第だと思います。
加藤
確かに、「感動して泣いている」とか「ちょっと悔しくて泣いているけど、がんばりたい」とか、そういうことであったらいいですね。
藤本 美貴さん
私は家族が一番安心できる場所だと思うし、安心できる場所であってほしいからこそ、自分をさらけ出します。

それに自分がさらけ出さないと、子どもも私にさらけ出すことができないと思うんです。また、泣いたりする理由も「あなたのせいではない」ということをきちんと伝えられればいいと思います。それに、失敗する姿を見せないでいることで「親は失敗しない」と思われてしまうのも嫌なので、私は失敗も隠しません。

また、緊張している様子なども見せることで「おかあさんも緊張するんだ」とわかってもらえ、その緊張を経て成し遂げたことを見せる。それを見せられるのが家族だと思います。

家族は自分にとって絶対的な安心できる味方だと思うし、逆に子どもに私のことをそう思ってほしいのです。
藤野先生
お母さんも完璧ではなくて一人の人間。だから当然、感情の起伏があって然るべきだと思います。「親には何を言っても大丈夫」と思いがちですが、お母さんだって傷つくし、悲しくなることはあります。

それで「しんどくなることがあるのが人間だ」ということを学ぶためにも、藤本さんがおっしゃるように、失敗や緊張をお子さんに見せるということは素晴らしいことだと思います。
藤本 美貴さん
でも、信頼関係が家族間にないと受け止め方が違ってきますよね。そこが難しいですね。
藤野先生
思ったことを素直に伝えていける関係性をつくっていくということが大事なのかもしれませんね。「しんどい」とか「助けて」って言うことはあまりよくないという風潮があるようで、精神科に行きづらくて「ようやくきました」という方が多くいます。

相談できる頼れる場所を必ずしも家でなくてもいいので作っておくことも大切だと思います。

ありのままの自分を認め、好きで味方になる

加藤
藤野さんの著書に「ほんとの自分を大切にするために、夢中になる時間を作る」ということが書かれていました。藤本さんが夢中になるときってどんなときですか?
藤本 美貴さん
基本すべてにおいて一生懸命で常に私は走っています。そして走っている自分が好きです。(笑)

その反面、動画配信サイトの映像を見てぼーっと見ながら「今日は●話見れた」とリラックスもします。
藤野先生
藤本さんのようにエネルギーがある方がひとつひとつに全力投球できるのは、素晴らしいことです。でもそれがなかなか難しい人は、「仕事をするのはお金を稼ぐため」と割り切って、週末に全力投球するのでもいいんです。

それぞれのやりたいこと、それでありのままの自分でいられることが大事です。
加藤
著書には「姿勢をよくする」ということも書いてありましたね。藤本さんはヨガの資格も取られていますよね。
藤本 美貴さん
確かにヨガの先生も「猫背になるとマインドがマイナスの方に行ったりしんどくなる」ことをお話されていました。
藤野先生
縮こまっていると呼吸も浅くなってきます。身体を開いて呼吸を深くしてリラックスすることが大事ですね。結果、「姿勢がよい」ということになるんだと思います。
藤本 美貴さん
確かに。
その他に、「太陽に当たらないことで気分が落ち込む」ことってありますよね。
藤野先生
「日照時間が短い地域はしんどくなる人が多い」と言われていますし、朝に太陽の光を浴びることがとても大事だと聞きます。
加藤
日々、気を付けていれば気持ちの持ちようとして改善できそうなことはありそうですよね。
藤野先生
そもそも普段から自分に目を向けていない時点で、「自分ちょっと疲れているな」と目を向けるようになっただけでも違うんです。

自分にとって、一番近くにいる味方は自分です。だからこそ、自分を好きでいることで、何か失敗したときでも自分が一番最初に励ましてくれる。そういうことができるのが一番いいです。
加藤
ありのままの自分を認め、自分を好きになる。大人が子どもの前で泣くことだって、理由さえきちんと説明できれば泣いていい。そして自分自身に目を向け、「そろそろ疲れているな」と思ったら、ご褒美やリラックスできるようにしてあげる。そんな「考え方のクセ付け」が重要だということをお二人のお話を聞いて痛感しました。

自分を大切にするちょっとした転換。心がけたいと思います。
次回の更新は、7月21日(木)予定です。お楽しみに!

2022年07月14日

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