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[前編]天才の育て方 #03 中島芭旺  〜10歳で自身の本を出版した小さなからだの哲学者〜【連載】

[前編]天才の育て方 #03 中島芭旺 〜10歳で自身の本を出版した小さなからだの哲学者〜【連載】

KIDSNA編集部の連載企画『天才の育て方』。 #03は10歳で自身の本を出版した中島芭旺の母である弥生さんにインタビュー。「小さなからだの哲学者」と呼ばれるその才能はいかにして育ったのだろうか。幼少期から現在に至るまでどのようなスタンスで子育てと向き合ってきたのか、母の想いに迫る。

<連載企画> 天才の育て方

「消費する人生は嫌だ。もう飽きた」
「僕の最大の長所は、一人ではなにもできないこと」

こう語るのは、小学校に行かないことを決断し、10歳で自ら出版社にコンタクトをとり自身の本を出版した中島芭旺(なかしま ばお)さん(以下、敬称略)。12歳となった現在は、イベント等でスピーチを発表したり、海外からの取材対応やビジネスセミナーで講師を務めるなど、幅広い活動を行っている。

ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長である孫正義氏が「高い志と異能を持つ若手人材支援」を目的として設立した公益財団法人孫正義育英財団正財団⽣。

脳科学者である茂木健一郎氏も絶賛する中島芭旺の決断力や実行力には非常に驚かされる。類まれなるこの才能には、どのようなルーツがあるのだろうか。中島芭旺の母である弥生さんに話を聞いた。

小学校のシステムは合わない

小学校3年生の頃、中島芭旺は小学校に行かないことを決めた。それからの2年半、「好きな人から学ぶ」をモットーに自宅学習に切り替え、本を読んでは感銘を受けた著者のセミナーを自ら探し一人で参加してきた。自身の本の出版も、決断力と実行力が伴ったからこそ実現できたことだ。

それらの力を身につけた背景にある出来事を、中島芭旺の母・弥生さんに聞いた。

ーー芭旺くんから「小学校に行かない」と言われたとき、その決断をどのように受け止めましたか?

天才の育て方_中島芭旺の母・弥生_03

「芭旺から『学校に行かない』と宣言を受けたとき、まず口に出たのは『よく言えたね』という言葉でした。

母親に心配や迷惑をかけたくないと思う子どもは多いと思います。その母親に正直に言えるのは、すごいと感じました」

ーー小学校に行かなくてもいいのか、大丈夫かという気持ちはなかったのですか?

「芭旺に対しての不安はなかったですね。私が唯一不安を感じたのは、恥ずかしながら世間から『子育てに失敗したダメな母親だ』と思われることだけでした。でもこれは私の問題で、『ダメな母親だと思われてもいい』と自分に許可を出すことが私の仕事だと考えました。

それに、芭旺は小さい頃から夢中になると没頭するタイプだったので、家で何かに夢中になるのは面白いだろうと考えました。小学校のシステムは合わないだろうと思っていたし、いじめにあっていることにも感づいてはいましたが、芭旺の人生なので、自分でどうすれば良いのか決めるのがいいと思っていました」

ーー友だちについて、芭旺くんには自論があると聞きました。

天才の育て方_中島芭旺の母・弥生_03

「以前、芭旺がブログに『友だちがいないときは、自分と仲良くなるチャンスだ』と書いたことがありました。自分が自分の大親友になるために、やりたいことを自分で知り、自分で全て叶えるために動く。そうして動いたその先には、新しい世界での新しい出会いが待っていました。今では大人の方から同い年、年下の子どもまで、幅広い友だちがいます」

本来であれば落ち込んでしまうようなことでも、チャンスに変えることができる。

子どもの決断を親はジャッジしがちだが、その決断を受け止めることで、子どもは日常のなかで自分に必要なものに気づき、自分の力でそれを見つけていけるのだろう。

没頭して極める

夢中になると没頭する中島芭旺の性格は、時間割で区切られている小学校のシステムとは合わなかったようだが、時に凄まじい集中力や行動力へと繋がったようだ。

小学校6年分の算数を1年で習得

ーー習い事はしていましたか?

「幼児期は"あそびの学校"に行っていました。よちよち歩きの頃、電動のこぎりで木を切って遊んでいましたね。小学校1年生になると算数に夢中になり、塾を4つ掛け持ちして通っていました。朝から夕方まで数字に夢中になり、1年生のうちに6年生の算数を習得していたり、学ぶ方法を自分で考えることもやっていました。その頃、塾にかかる費用分の本を書店で買い、家で夢中になって読む、という方法を芭旺自身が考え行っていました」

ーー夢中になったときの集中力が凄まじいですね。

「そうですね。科学も好きで、塾で魚の解剖を小学校1年生の頃から6年生のお兄ちゃんたちと一緒にやっていた時期もあります。その頃は家の外にテントを張って、みんなのたまり場を作って遊んでいましたね」

2年半ゲーム漬けの日々

「一時期、起きてから寝るまで一日中ゲームをしている生活が2年半続いたことがありました。何も言わずにいたら、『消費するだけの人生は嫌だ。もう飽きた』と言ってきたのです。『僕も何かを生み出したい』と」

天才の育て方_中島芭旺の母・弥生_03
korobskyph/Shutterstock.com

ーー2年半ゲーム漬け、、それを叱らずにいるのも、親としての度量が試されそうですね。

「私は、むしろ『遊びに夢中になって、仕事になるまで遊べばいい』と思っているので、『好きなことでも飽きるんだ!』という新しい発見があり、面白いと感じました。

子どもたちは好きなことを飽きるまでやった結果、ゲームを止めるのか、ゲームを作る人になるのか、自分の道は自分で決められるのだと思います。そういう意味では、大人はすごくジャマしていると感じます。子どもの行動に責任を取りすぎていますよね」

ーーゲームに飽きた結果、芭旺くんはどうしたのでしょう?

「ゲーム脳について考えるようになり、茂木健一郎さんに自らコンタクトを取って、ゲーム脳は本当にあるのか聞きに行きました。行ったら会えたことが嬉しくて、本題を聞かずに帰ってきました(笑)。でも、芭旺の中でゲーム脳というのは、歩いているだけでワクワクする、すごく楽しいものなのではないか、という結論が出ているようです」

10年続ければプロ

天才の育て方_中島芭旺の母・弥生_03

「芭旺は"世界こどもサミット"で『10年やればプロです』とスピーチしたことがあるのですが、自分と仲良くなるために10年間自分と対話し自分を知り体験し、そこに言葉を宿すことを続け、『自分は自分のプロだ』と言えるまでになったのだと思います」

ーー自分を知るのは意外と難しいですよね。心がけていることはあるのでしょうか?

「芭旺と私は、『制限がなかったらどうしたい?』と自分に訊ね、出てきた答えを実行に移す、ということをやっています。

芭旺は小学2年生の頃から、興味を持ったことはすぐにインターネットと自分の脳を繋げ理解を深めていました。その上で私に疑問を投げかけてきた時には、著名な方の名前を伝え、その方のコラムや書籍等を芭旺に手渡すことはしていました。

芭旺はそれを見聞きし、会いたいと思ったら会える方法をインターネットで自分で調べ、イベント等に自分で申し込みをし、直接会いに行き学んでいました。

本を出版してからは、得た収入を自分で管理しながら、欲しいもの、食べたいものを手に入れています。子どもの考えをジャマせず、ジャッジせずにいると、自分が生きていきたいと思う世界で生きていく力をつけていくのだと思います。

水飲み場に連れて行くのではなく、水飲み場のありそうな方向を指す、私がやっていたのはそれだけでした」

子どもたちは想像を超えていく

「私はただただ、芭旺が夢中になっている姿や行動を『面白い!』と思っています。

大人は子どもにアドバイスをしたり褒めたりしますが、私はそれはジャマな意見だと捉えています。尊敬している方に『よくやったね、すごいね!』と褒めたりしないように私は子どもでも尊敬する方でも、基本的には同じ対応をしています」

ーー子どもも大人も関係なく、みんな対等だ、ということですね。

天才の育て方_中島芭旺の母・弥生_03

「子育てでは『導く』という言葉もよく使われますが、導くというのは結果を想像していますよね。子どもの辿り着く先が私たちの想像する範囲のはずがない、子どもたちは既に私たちが想像できるような範囲では生きていない、と考えています。大人の想像をはるかに超えるだろうし、超えていけばいいと思っています」

ーー芭旺くんが想像を超えていける子になるために、弥生さんが気にかけていることとは?

「やりたいことをやるという生き方で私自身が生きていきたいですね。遊びたいときに遊び、休みたいときに休む。自分の欲求に正直に従う。『あなたの好きなように生きていいんだよ』という言葉は、親がそう在ることで伝わると思うのです。

それともうひとつ、子どものジャマをしない、ということですね」

ーー親が楽しく生きている姿を見ていると、自分も楽しく生きる大人になれると想像できそうですね。

天才の育て方_中島芭旺の母・弥生_03

「大人になることを、すごく楽しみにしていると思います。今も楽しいし、周りの大人も楽しそう。ということは、ずっと楽しいってことじゃん!って(笑)

芭旺は現在もいくつかのプロジェクトに関わり活動しているみたいです。どういうシーンで芭旺の名前が出てくるのか、楽しみですね」

自分が求めているものを常に自分に問い、それを実行するために可能な方法を自ら見出していく。大人でもなかなか出来ることではないだろう。

中島芭旺が幼くしてそれを成し遂げてきた背景には、親が子どもを信じ抜き、見本としての生き方を貫く以外にも、「言葉で気持ちを伝えていく」ことへのこだわりがあるようだ。

後編では、自分で決断し行動できる子どもはどのように育てられたのか、弥生さんが言葉で伝えることに重きをおく理由や言語化するコミュニケーションの取り方について、その理由を紐解いていく。

<取材・執筆・撮影>KIDSNA編集部

<連載企画>天才の育て方 バックナンバー

2018年08月16日


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    KST
    『遊びに夢中になって、仕事になるまで遊べばいい』 そゆ時代だけど、それでホントいいの?と思ってしまう自分もいる。
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