[前編]天才の育て方 #01 水上颯〜勉強をしない天才児〜【連載】

[前編]天才の育て方 #01 水上颯〜勉強をしない天才児〜【連載】

KIDSNA編集部の連載企画『天才の育て方』。 #01は、高校2年まで勉強せずに全国トップクラスの成績をとり、現在は東京大学医学部に通う水上颯にインタビュー。クイズ番組で披露される彼の天才的頭脳はどのようにして育まれてきたのか、幼少期まで遡り、そのルーツを探る。

<連載企画>天才の育て方

「受験勉強はゲーム感覚」
「勉強は高2までしていない」

こう語るのは、現在東京大学医学部に通い、クイズテレビ番組『頭脳王』や『東大王』に出演している水上颯さん。(以下、敬称略)

開業医の両親をもち、現在は東京大学医学部に在籍。小学生の頃にテレビで放送されていた『全国高等学校クイズ選手権』に興味を持ち、開成高等学校に進学後、自身も出場し優勝を果たす。ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長である孫正義氏が「高い志と異能を持つ若手人材支援」を目的として設立した公益財団法人孫正義育英財団にも所属。

テレビではクールに淡々とクイズを解いていく印象だが、話してみるとごく普通の大学生。ただ、彼の話には我々も驚かされる天才発言が飛び交った。そんな彼ができあがるまでを前編、後編に分けて紐解いていく。

勉強をしない天才児

『頭脳王』や『東大王』と言われているが、「自分は小市民的に生きており、至って普通」だと言う。超難関と言われる東京大学医学部に合格するほどの学力をもつ一方で、「勉強はしなかった」と語る彼は、どのような習慣をもち、勉強とどのように向き合ってきたのだろうか。

勉強しなくてもトップの成績

天才の育て方_水上颯01

「小学校や中学校のときは、家では全く勉強していませんでした。やらなくてもほぼトップに近い成績を取れていたので。塾にも通っていましたが、友だちと会うために通っていた感じです」

ーー高校や大学を受験するときも、勉強はしなかったのですか?

「開成高校を受験することになり、その時に初めて難関校の問題集をやりました。高校入学後も高2まで帰宅後に勉強することはなかったですね。東大を受験することを決めた高3からは本腰を入れて勉強をし始めましたが、基本的にはサスティナビリティ(持続可能性)を大事にして勉強することにしています」

縛られて勉強はしない

ーーサスティナビリティを考えた勉強法とは?

「自分が「こりゃキツイわ」と思ったら休むことですかね。追い詰められると精神的な負担が重くなってしまうし、そういう状態で勉強すると一過性で覚えられても後で忘れてしまいます。根詰めて勉強することにメリットは感じませんし、余裕があるときに勉強しよう考えています。何かに縛られて勉強したくないから、勉強方法で自分にルールを課したことはありません」

1日2冊の読書習慣

自分のルーツを辿ってみたとき、今に至るきっかけや習慣はあるのだろうか。

「小学校の頃から、1日2冊本を読んで、次の日その2冊を返してまた2冊借りて読むということを習慣的にやっていました。なので、本を読むという習慣が今の自分の大きなウェイトを占めていると思っています。大学受験の時にも国語と英語が得意でした。文章を読むことへの抵抗感もなければ読むのも早いですし、読解力も高いと思います」

ーー幼少期も絵本などをよく読んでいましたか?

「絵本は親が読んでくれるとき以外は、読んだ記憶はないですね。一番好きだったのは図鑑で、なかでも生き物図鑑をよく眺めていました。この昆虫キレイだなぁとか、こんなに大きな魚がいるんだなぁとか、そういうことを楽しんでいたと記憶しています」

やってきたのは性に合うものだけ

ーー現在も読書習慣や、高校生の頃にハマったクイズも続けられていますよね。継続できるコツはなんでしょうか?

「性に合うことをやることですね。飽きっぽいところもあって、昔やっていたピアノとかは今となっては全く弾かなくなりました。

クイズを続けられているのも、僕自身の性格として雑学がすごく好きというのがあるかもしれませんね。クイズが得意か苦手か、と聞かれれば実は得意とは思っていなくて、苦手だからこそ自分で努力しなければ人に勝てない、だから継続的に努力できているのかなと思います」

読み切るまでがひとつのシークエンス

ーー性に合っていたとしても、1日2冊本を読むことは結構大変だと思います。億劫に感じてしまうこともあるのでは?

「そうですね。億劫になることはありますし、大変なのもよくわかります。ただ、本を読むことが習慣になっているのでそこまで苦には感じないのかもしれません。一度本を開くと、読み切るまでがシークエンス(順序)と考えているので、それほど時間を掛けずに読み終わりますからね。文庫本なら1時間程度で読み切っちゃいますし」

東大受験はレベルを上げるゲームのようなもの

難関大学に強いと言われている開成高校受験時は、両親からの「力試しで受けてみては」というアドバイスを受けて受験を決めたという。東京大学医学部受験はどのような意思で決めたのだろうか。

天才の育て方_水上颯02

「東大受験は、受験期までに学力が東大医学部か理Ⅲに行けるぐらいまで伸びたら行けば良いし、行けなかったらランクを落とした大学にしよう、くらいに考えていました。高校3年のときは、大学受験は自分の学力をどこまで上げられるか、というゲームのようなものだと思っていました。とはいえ、一番行きたかったのは東大医学部でしたね」

ーー第一希望が東京大学医学部だった理由はなぜですか?

「将来の夢として医者を考えていたので、大学進学するときも医学部のある大学に進学しようと漠然と考えていました。ほかの選択肢も考えてはいましたが、自分が医療関係の仕事に就く以外のビジョンは見当たりませんでした。

東大は学ぶ環境が日本の大学で一位二位を争うくらい良いだろうと思っていたし、面白い人がいそうだな、というのもありました」

ーー医療関係に就くことを考えていたのは、ご両親の影響がありますか?

「もちろんそれは一番強かったとは思います。親からは医者になる必要はないと言われていましたが、父も母も医者で、その背中を見て育ったので、なんとなく憧れはあったと思います」

自分の性に合うことを続けてきた水上颯は、どのようなスタンスで勉強と向き合っているのだろうか。後編では勉強をしない天才児の勉強スタイルを探る。

<取材・執筆・撮影>KIDSNA編集部

<連載企画>天才の育て方 バックナンバー

2018年07月26日

専門家のコメント
6
    もえ先生 保育士
    東大生は読書レベルが高いと聞いたことがある!
    KST 専門家
    話を聞くとどこにでもいる学生。
    でも時折出てくるエピソードは超人。礼儀正しく好感持てました。
    ゆう先生 保育士
    子どもの頃から読書を習慣にすることで、自然と身につくんですね。
    学業をゲーム感覚で楽しめることは素晴らしいと思います。
    試験前に追いこまれてする勉強は苦でしかなかった…
    大人になった今、あらゆることに興味が持てて学びたい欲が湧きました。
    ひで先生 保育士
    勉強を楽しみ、遊びと捉えて勉強と思わないことはすごいですね
    いちぽ先生 保育士
    勉強に対する感覚がそもそも違うんですね。
    みんな勉強に対して苦痛に感じるものですが、楽しんでやっていますもんね。天才ですね。
    せおみ先生 保育士
    レベルは全く違うと思いますが、我が子も勉強に興味を持った時、遊び感覚からでした。勉強だけでなく、習い事など何でも、これが楽しそう。やってみたい。学びたい。の気持ちがとても大切なのですね。追い詰められて、やらさせるのと、自ら進んでやるのでは吸収力も全然ちがってくるのですね。
おすすめユーザーのコメント
4
    A
    サスティナビリティ、シークエンス、
    天才は違う!
    YSK
    勉強あまりしなくても全国トップクラス!
    本以外に持続可能性なもの知りたい!
    もりもひもりお
    すこい。。
    aw
    天才って育てるもんじゃなくって、ナチュラルに天才なんじゃないの?

取材レポートの関連記事

  • 子どもをとりまく環境が急激に変化している現代。小学校におけるプログラミング教育と外国語教育の必修化、アクティブ・ラーニングの導入など、時代が求める人材像は大きく変わろうとしている。この連載では、多様化していく未来に向けて、これまで学校教育では深く取り扱われなかったジャンルに焦点を当て多方面から深掘りしていく。今回は、セクシュアルマイノリティの当事者としてさまざまな活動を行う杉山文野さんに話を聞いた。

    <連載企画>学校では教えてくれない

  • 子どもをとりまく環境が急激に変化している現代。小学校におけるプログラミング教育と外国語教育の必修化、アクティブ・ラーニングの導入など、時代が求める人材像は大きく変わろうとしている。この連載では、多様化していく未来に向けて、これまで学校教育では深く取り扱われなかったジャンルに焦点を当て多方面から深掘りしていく。今回は、2019年4月に行われた東京大学の入学式祝辞で大きな注目を集めた社会学者、上野千鶴子さんに話を聞いた。

    <連載企画>学校では教えてくれない

  • 個人差があるママの体において、自分にとってのベストな選択はさまざま。助言や迷信を鵜呑みにしたり、「やらなければ」という強迫観念で自己判断のケアをしていないでしょうか?この連載では、専門家を通してママが自分自身の体と向き合うためのガイドとなる正しい知識を発信していきます。第4回は、産後なかなか戻らないぽっこりお腹にどうアプローチすべきか、川崎協同病院 婦人科産後骨盤トラブル外来の内山美紀さんに聞きました。

    <連載企画>ママの体と向き合う

  • 子どもをとりまく環境が急激に変化している現代。小学校におけるプログラミング教育と外国語教育の必修化、アクティブ・ラーニングの導入など、時代が求める人材像は大きく変わろうとしている。この連載では、多様化していく未来に向けて、これまで学校教育では深く取り扱われなかったジャンルに焦点を当て多方面から深掘りしていく。今回は、小学校教諭として、独自の性教育を実践する星野俊樹さんに話を聞いた。

    <連載企画>学校では教えてくれない

  • 個人差があるママの体において、自分にとってのベストな選択はさまざま。助言や迷信を鵜呑みにしたり、「やらなければ」という強迫観念で自己判断のケアをしていないでしょうか?この連載では、専門家を通してママが自分自身の体と向き合うためのガイドとなる正しい知識を発信していきます。第3回は、妊娠中や産後のママを悩ませる尿漏れについて、川崎協同病院 婦人科 産後骨盤トラブル外来の藤島淑子先生に話を聞きました。

    <連載企画>ママの体と向き合う

  • 子どもをとりまく環境が急激に変化している現代。小学校におけるプログラミング教育と外国語教育の必修化、アクティブ・ラーニングの導入など、時代が求める人材像は大きく変わろうとしている。この連載では、多様化していく未来に向けて、これまで学校教育では深く取り扱われなかったジャンルに焦点を当て多方面から深掘りしていく。今回は、性の健康に関する啓発活動を行うNPO法人ピルコンの染矢明日香さんに話を聞いた。

    <連載企画>学校では教えてくれない

  • KIDSNA編集部の連載企画『#私の子育て』。#07はタレント、エッセイストとして活躍する、小島慶子さんにインタビュー。一家の大黒柱として、自身が生まれ育ったオーストラリアのパースで、夫と2人の息子を育てながら、日本では多忙なスケジュールで仕事をこなす彼女。子育てや家族、仕事の両立についてどのように考えているのだろうか。

    <連載企画>#私の子育て

  • 個人差があるママの体において、自分にとってのベストな選択はさまざま。助言や迷信を鵜呑みにしたり、「やらなければ」という強迫観念で自己判断のケアをしていないでしょうか?この連載では、専門家を通してママが自分自身の体と向き合うためのガイドとなる正しい知識を発信していきます。第2回は、姿勢の観点から見た授乳の盲点について、虎ノ門カイロプラクティック院の碓田紗由里先生に聞きました。

    <連載企画>ママの体と向き合う

  • 個人差があるママの体において、自分にとってのベストな選択はさまざま。助言や迷信を鵜呑みにしたり、「やらなければ」という強迫観念で自己判断のケアをしていないでしょうか?この連載では、専門家を通してママが自分自身の体と向き合うためのガイドとなる正しい知識を発信していきます。第1回は、産後の悩みとして必ず上位にあがる骨盤調整について、虎ノ門カイロプラクティック院の碓田紗由里先生に聞きました。

    <連載企画>ママの体と向き合う

  • 2020年の教育改革を控える新時代には、親である私たちが受けてきた教育があたりまえでなくなるのかもしれない。これからの子どもたちに必要なのは、どのような教育なのか。この連載では、テストや成績、運動神経では計ることのできない独自の分野で子どもの能力を伸ばす、新しい「学びのカタチ」について紹介する。第3回目は、子どもから大人まで年齢を問わない哲学対話を実践する「こども哲学おとな哲学アーダコーダ」代表、角田将太郎氏に話を聞いた。

    <連載企画>学びのカタチ

  • 2020年の教育改革を目前に、進化の真っ只中を生きる現代の子どもたち。親である私たちが受けてきた教育が当たり前でなくなるこれからの時代に、子どもに必要な教育とは何なのか?この連載では、テストや成績、運動神経など従来の評価軸では計ることのできない独自の視点で子どもの能力を伸ばす、新しい「学びのカタチ」について紹介していく。第2回では、大自然に囲まれたフィールドで、親子のための“遊びの学校”を実践する原っぱ大学 ガクチョ―、塚越 暁氏に話を聞いた。

    <連載企画>学びのカタチ

  • 2020年の教育改革を間近に迎え、新時代を生きる私たちの子どもたち。親である私たちが教わってきた教育があたりまえでなくなる新時代に子どもに合った最適な教育とは何なのか?この連載では、子どものテストや成績、運動神経ではなく多方面で子どもの能力を伸ばす学びのカタチについて紹介をしていく。第1回目は新時代の教育改革者として子どもの興味開発教育を行う探究学舎 宝槻泰伸氏に話を聞いた。

    <連載企画>学びのカタチ

カテゴリ一覧