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胎動や逆子について
Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠9ヶ月である妊娠33週は、胎動を感じる位置や回数に変化を感じたり、落ち着いてくる人と激しい胎動を感じる人で個人差があります。妊娠33週の妊婦さんの体調の変化や、ママの過ごし方、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
妊娠週数33週目とはどんな時期?
妊娠33週は週数でいうと、妊娠9ヶ月の2週目です。
妊娠33週目の妊婦さんの特徴
妊娠33週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
子宮がみぞおちあたりまで達するため、胃が押し上げられてつわりのような症状が起こり、食後に気持ち悪くなったり、食欲不振になる人もいます。
臨月が近づいてくると、出産の不安や心配が出てきて情緒が不安定になる人も増えるようです。不安な気持ちになっても自分だけではない、と考えられるとよいですね。
お腹の大きさ
子宮底は、みぞおちあたりに達します。おへそが飛び出てきたという人もいるでしょう。
お腹のふくらみはバストのすぐ下から下腹部まで大きくなり、立ち上がるときなどにお腹を抱えるような姿勢になることも増えるでしょう。お腹が大きくなると、仰向けで寝るのが苦しくなり寝不足ぎみになる妊婦さんがいます。
妊娠33週目の妊婦さんの身体
子宮が大きくなり、胎動を感じる位置が変わるママもいます。胎動を感じる頻度が落ち着いてくる人もいれば、まだ激しい胎動を感じる人もいて個人差があります。子宮が大きくなって胃が圧迫されると、胸やけや胃のむかつきを感じるようになったり、膀胱が圧迫されると頻尿や尿漏れなどの症状が起こりやすくなります。
お腹が大きくなり前にせり出し、反り返った姿勢になるため、お腹の張りが増え、腰痛や背中の痛みがひどくなります。体重増加に伴って、身体を少し動かしただけで疲れがたまりやすなったり、身体を支えるために足に負担がかかり、足の付け根に痛みか出たり、むくみを感じやすくなります。
妊娠33週は、生理痛のような前駆陣痛が始まる人が増える時期でもあります。
妊娠33週目の赤ちゃん
赤ちゃんの身体
妊娠33週の赤ちゃんの身長は、42~49㎝程度です。赤ちゃんの体重は、1700gから2400gくらいになります。体重の個人差が出やすい時期です。
頭が大きくなり、重さが増加します。皮下脂肪がついて見た目も赤ちゃんらしくなってきます。骨は強くなってきますが、まだ軟らかいです。
胎内での様子
この時期、赤ちゃんは手足を丸めた状態でママのお腹のなかで寝たり起きたりを繰り返しています。
妊娠33週目ころの赤ちゃんは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感が完成します。ほとんどの赤ちゃんは頭が下になり、正常位置に収まってくるでしょう。そのため胎動もおへそより上の位置で手足を動かしているようなものになったり、しゃっくりのような胎動はお腹の下の方の位置から感じることが増えるでしょう
妊娠33週目のうちにやっておきたいこと
保育園選びをする
地域によっては保育園に入ることが難しく、産休明けの保育園がなかなか決まらずに苦労する人もいます。産後も働くつもりのママのなかには、仕事復帰のことを考えてこの時期に保育園選びを開始する人もいます。
仕事をしているママは産休後のことも考えて、この時期に保育園の見学に行ったり、地域の保育課に相談に行くなどすると、保活や保育園に赤ちゃんを通わせる、というイメージがつかみやすいかもしれません。
適度な運動で体力づくり
出産には体力が必要です。お腹が大きくなると動いたり、運動をするのが大変で避けがちになるかもしれません。しかしこの時期は、ウォーキングや体操、マタニティヨガなど無理のない運動で体力づくりをすることが大切です。
妊娠中に激しい運動をすることは全期間を通しておすすめできませんが、この妊娠後期の適度な運動は、腰痛や便秘解消になったり、急激な体重増加も防ぐことができます。体力作りだけでなく、ママの気分をリフレッシュできるかもしれません。
逆子対策
赤ちゃんがどんどん成長する時期です。お腹のなかで赤ちゃんが自由に動けるスペースが狭くなり、正常の位置に戻りづらくなります。逆子と診断されていると、そのまま出産するのは不安になりますよね。
ママのなかには外回転術を勧められている人もいるでしょう。外回転術は、医師が妊婦さんのお腹に手を添えて、お腹の外から赤ちゃんを回転させ、元の位置に戻す方法です。必ず成功するとは限らずリスクを伴うので、実施するかは慎重な判断が重要です。
妊娠33週の時点で逆子と診断されている場合は、積極的に逆子体操を取り入れてみましょう。逆子が正常な位置に戻るかもしれません。また、ママの身体が冷えていると逆子になる確率が上がるといわれているため、飲み物は温かいものを選らんだり、ブランケットなどを利用して身体を冷やさないように工夫しましょう。
妊娠33週目の妊婦さんが注意すること
前駆陣痛の知識を持つ
早い人だと、この時期に前駆陣痛を感じる人がいるようです。びっくりしないように前駆陣痛の知識をつけておくことが大事です。
前駆陣痛とは、出産前に起こる子宮収縮のことです。生理痛のような鈍痛で痛みの間隔が不規則で、強弱があるのが特徴です。腰痛や下腹部痛などが表れたり、症状も人それぞれです。前駆陣痛が起こっても、すぐに出産になるわけではありません。楽な姿勢で横になったり休むと落ち着くことがほとんどです。
ゆっくり休んでも収まらない、痛み方が激しい、感覚が規則的になっていく、などのことがあれば、かかりつけ医を受診しましょう。
消化のよい食べ物
妊娠33週は、あとつわりで食欲がなく、何も食べたくないという人もいるでしょう。しかし何も食べないと赤ちゃんに栄養が十分に行かなくなります。食欲がないときには、おかゆやうどんなど消化のよい食べ物を選んだり、量を減らして、回数を増やすなど食べ方を工夫しましょう。
どうしても食べられないときには、この時はカロリーは気にせず食べたいもの、好きなものを食べてもよいです。
里帰り出産をする場合
里帰り出産を考えている人は、妊娠30週~35週までに帰省する人が多いでしょう。赤ちゃんが出産予定日の前後に生まれてくるとは限らないので、なるべく早めに帰省をしておくことが大切です。
しかし、仕事をしているママは仕事の都合で、まだ帰省できない人もいるでしょう。飛行機や電車、車での長時間移動は、妊婦さんの身体に負担がかかります。その場合は、なるべく広めの席を前もって予約したり、移動するときには、荷物は最低限におさえて動きやすい楽な格好で移動するなどの事前準備と対策が重要です。
妊娠9ヶ月は胎動に個人差がある時期
妊娠33週目は妊娠9ヶ月の2週目になります。この時期は胎動を感じる位置や回数に変化を感じる人もいるでしょう。胎動が落ち着いてくる人もいれば、まだ激しく感じる人もいて、この時期の胎動の感じ方には個人差があります。
子宮が大きくなり、胃が圧迫されて再びつわりのような症状に悩んだり、仰向けに寝られず睡眠不足になりがちでつらいと感じるママもいるかもしれません。
しかし赤ちゃんがそれだけ大きく成長している証拠です。皮下脂肪がついて見た目も赤ちゃんらしくなってきているので超音波(エコー)検査で目にできる赤ちゃんらしい姿にうれしくなるかもしいれませんね。
ママは適度な運動を取り入れてリフレッシュしたり、食べられるものを食べて身体を大切にママのペースで過ごすことが大事です。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
Profile
杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。