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【産婦人科医監修】妊娠8週目(妊娠3ヶ月)の症状とは。つわりや腹痛、ママや赤ちゃんの様子
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田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠8週目は、お腹が少しずつ膨らみ、吐き気やだるさなどつわりの症状が激しくなる時期です。妊娠初期である妊娠8週目の腹痛や腰痛などのママの身体のトラブルや注意点、おなかの赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医でもあるオリーブレディースクリニック院長,杉山太朗先生の監修のもと解説します。
妊娠週数8週目とはどんな時期?
妊娠8週は妊娠3ヶ月の1週目にあたります。妊娠初期です。
今まで「胎芽」と呼ばれていた赤ちゃんも、妊娠8週目からは「胎児」と呼ばれるようになります。このころまでに妊娠が判明すると、産婦人科で心拍が確認できたり、役所の窓口で母子手帳を受け取ることができ、ママになる実感をかみしめている妊婦さんもいることでしょう。
妊娠8週目の妊婦さんの特徴
お腹も少しずつ膨らんできて、お腹のなかの赤ちゃんも徐々に人間らしい形になってくるのが妊娠8週目です。
妊娠8週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
一般的に妊娠8週は、吐き気や体がだるくなるなどのつわりの症状がひどくなる時期と言われています。しかし、つわりの症状や重さは個人差が大きく、なかにはつわりが全然ない人もいます。腹痛や腰痛を感じる人もいます。
お腹の大きさ
まだ妊娠初期ですが、子宮が徐々に大きくなり、お腹が少し硬く感じるという妊婦さんもいるかもしれません。妊娠8週目の子宮は、大人の女性のこぶし程度の大きさが平均的です。
妊娠8週目の妊婦さんの身体
子宮が大きくなることで、下腹部に腹痛を感じる人もいます。子宮が膀胱や腸を圧迫して、頻尿や下痢、便秘になる場合があります。
ほかにも、胸に張りを感じて、今までつけていたブラジャーがきつく感じる人もいるようです。女性ホルモンの影響で乳首が黒ずむことがありますが、赤ちゃんに母乳を飲ませる準備をしている証拠なので、そのまま様子をみましょう。
妊娠8週目の赤ちゃん
大きさや胎内での様子
妊娠8週目の赤ちゃんの身長は、1.5センチ程度です。大きさで言うと、木いちご1粒程度です。
軟骨が徐々に固く成長し、目やまぶた、口、唇、あごなどの細かい部分も作られていきます。赤ちゃんはこのころから羊水を飲みはじめ、尿の排泄ができるようになります。
また、この時期から胎盤とへその緒が発達し、ママが得た栄養が赤ちゃんまで運ばれるようになります。
大きさや胎内での様子
お尻の尻尾はなくなり、3頭身くらいになってきます。ちいさな手足ができはじめ、だんだんと人間らしい形になってきます。超音波(エコー)検査でも頭と胴体が分かれた形がはっきり見えるようになります。
妊娠8週目のうちにやっておきたいこと
健診をリサーチ
超音波(エコー)検査で赤ちゃんの成長が見られるのを楽しみにしているママもいるでしょう。超音波(エコー)検査にも、平面で断面的に見るエコー検査と、現在は3Dや4Dエコー検査があります。3Dエコー検査は、体内の様子がより鮮やかに立体的に見ることができます。4Dエコー検査になると、お腹のなかの赤ちゃんが動いている姿を見ることができます。
実際に、赤ちゃんを3Dや4Dエコー検査で見るのは、妊娠15週ぐらいからが見やすいようですが、この時期に最新のエコー検査を受けたいかを検討して、必要に応じて導入されている病院を探してみるのもよいでしょう。もし健診を受ける病院自体を変わるときにはこれまでの担当医に紹介状を書いてもらいましょう。
病院によって、3D、4Dエコー検査が通常の妊婦健診の内容に含まれているところと行っていないところがあります。健診内容の動画をDVDやUSBメモリーなどに保存してくれるなどのサービスを通常の健診で行ってくれる病院もあります。自宅や勤め先に近く健診に行きやすいというのも医療機関を選ぶ際に重要ですが、自分の考えにあう病院で健診を受けられるとよいですね。
出産予定日の確認
これまでは、生理周期と最終月経の開始日から出産予定日を算出していましたが、3ヶ月目からは超音波(エコー)検査で赤ちゃんの大きさを測定し、正確な出産予定日を割り出します。
この時期に出産予定日を確認すると、初めに告知されていた出産予定日とずれることがあるかもしれないので、正確な出産予定日を改めて確認するとよいでしょう。
妊娠8週目の妊婦さんが注意すること
レントゲン撮影や服薬を控える
妊娠3ヶ月の頃は、赤ちゃんの脳や心臓など大事な器官が作られている途中です。放射線を利用するレントゲン撮影や服薬はお腹の赤ちゃんに影響を与えやすいので注意しましょう。
この時期にまだ妊娠が確定していない場合は、妊娠の可能性があることを伝え、健康診断などでレントゲン撮影を撮る場合は、医師に相談して検査の時期をずらしたり、X線をガードする専用カバーを使用してもらうなどの工夫が必要です。
しっかり水分補給する
吐き気や嘔吐などつわりの症状が重く、吐いてしまったり、思うように食事がとれない妊婦さんもいるでしょう。つわりの症状が出やすい妊娠8週の妊娠初期には、食べられるときに食べられるものを食べることが大切です。
食事がとれないと水分をとるのも忘れがちになりますが、こまめな水分補給を心がけて脱水症状に注意しましょう。
無理せずこまめな休憩
妊娠中は、赤ちゃんに血液が送られるため、妊婦さんは貧血症状が出やすいので注意が必要です。なかには、耳鳴りや立ちくらみを感じる人もいるようです。
長時間立ちっぱなしの仕事はなるべく控え、適度な休憩を意識的にとりましょう。また子宮が大きくなると、身体を支えようと背骨や関節などに負担がかかり、腰痛や足の付け根に痛みを感じる人もいるようです。
吐き気や眠気、腹痛、腰痛などの症状があるときは、無理せずリラックスしてゆっくり過ごす時間をとることが大事です。
出産予定日を再確認して出産に備えよう
妊娠8週になると、お腹の赤ちゃんも少しずつ大きくなり、さまざまな臓器ができあがり「胎児」とよばれるようになる時期です。超音波(エコー)検査では一層人間らしくなった赤ちゃんの姿を見ることができるでしょう。
子宮内は胎盤やへその緒ができ始め、赤ちゃんがママからの栄養を直接受けられるようになる時期です。ただし、妊娠初期である妊娠8週目の妊婦さんはつわりのピークを迎え、食べるのがつらかったり、吐き気や気持ちが悪いのが常に続いたり大変な時期です。食べられるものを食べて水分補給だけはしっかりしましょう。
人によって腹痛や腰痛、貧血などの症状もあるので、無理をせずしっかりと休憩することが大切です。
また、妊娠8週目は正確な出産予定日が分かる時期でもあります。出産予定日を改めて確認し、健診や分娩を行う病院を決めるのにも向いている時期です。赤ちゃんを産む病院をしっかりリサーチ、検討しましょう。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
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杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。