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「保育園留学」で長野県上田市へ【中編】 移住と旅育とワーケーションのいいとこ取り
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トラベルエディター。 旅行ガイドブック『地球の歩き方』編集部にて国内外のガイドブックを多数手がけ、2017年に独立。現在は、雑誌のホテル特集ページ制作を手がけたり、「ワーケーション」や「ステイケーション」をテーマに連載記事の執筆、また自らのInstagramアカウントで日々おすすめホテル情報を発信している。
未就学児を自然豊かな地方の保育施設に1〜2週間入園させ、家族もいっしょに短期滞在する「保育園留学」の魅力を紹介。2回目となる本記事では、東京都に暮らす4人家族の筆者が、長野県上田市のインターナショナルスクール「ISNプレスクール上田・ISN上田原キャンパス」に保育園留学した様子をレポートします。
私たちは普段東京で暮らす、長男(5歳)・長女(2歳)の4人家族。パパママは共働きで、普段から長男が幼稚園、長女が保育園に通っています。仕事柄、夫婦ともにリモートワークが可能なので、過去に北海道や沖縄で1〜2週間のワーケーションにもトライしたのですが、現実的には子どもたちの託児環境がないと難しいことを痛感し、そんな経験からも保育園留学には強い関心を寄せていました。
今回、実際に保育園留学に参加するにあたって、留学先の選び方から過ごし方まで、ご紹介したいと思います。
数ある留学先の中で我が家が上田市を選んだ理由
私たちが保育園留学を知ったのは、たまたま見たTVのニュースでした。どこのエリアだったかは具体的には覚えていないのですが、そのあとに検索した公式サイトが非常にわかりやすく、魅力的な写真がたっぷりだったので、そこで一気に関心が高まりました。
全国の留学先を眺めているだけでもワクワクし、すぐに嫁といつなら行けそうか、家族会議を開催したほどでした(笑)。実際に家族4人で2週間は行きたいと考えた際、数ある留学先の中から長野県上田市を選んだ理由は主に以下の4点でした。
保育施設がインターナショナルスクールだったこと
東京から自家用車で行ける距離だったこと
滞在先がモデルルームで非常にきれいそうだったこと
以前、「もし移住するなら長野県がいい」と考えていたこと
長野県上田市は2023年12月現在、保育施設が全留学先で唯一となるインターナショナルスクール。我が家にとっては、そこが一番魅力的に感じました。うちの子どもたちの英語力といえば、長男は幼稚園で週に1回英語のクラスがあるものの、どちらかと言えば苦手意識があり、積極的に喋って意欲的に学びたがるタイプではありません。娘はまだ2歳なので、日本語も英語も構わず、ただ真似して覚えようとする段階なので、逆に抵抗もない状態。今回、基本的に保育中の会話はすべて英語という環境で過ごすことで、少しでも子どもたちに英語を身近に感じてもらいたいと考えました。
また東京から車で行ける距離で、周辺環境が生活しやすそうだったのもポイントです。施設や滞在先が大自然の中というわけではありませんが、雄大な山々に囲まれており、ちょっと行けば温泉や雪山、広大な公園がある、そんな町と自然の距離感も魅力的に映りました。思いきり振り切って、北海道や九州の離島でこれまで経験したことのない古民家ステイに挑戦するのも面白そうだなとは思ったのですが、実は以前に一度、長野県への移住(正確には二拠点生活)を考えていたこともあったので、今回は移住の視察も兼ねて上田市への留学を決めました。
今回、子どもたちを預かってくれる「ISNプレスクール上田・ISN上田原キャンパス」は、「世界という選択肢をこどもたちへ」という思いのもと、国際バカロレアを導入した世界基準の英語教育を行ってくれる保育施設です。
息子が通うISNプレスクール上田は、3〜5歳児が対象の認可外保育施設。基本的に先生からの会話はすべて英語で、4歳児クラスでは「聞く力」「理解する力」を身につけ、フォニックス(英語の文字と対応する発音)の基礎を習得します。クラスメイトたちはシンプルな英語での会話や単語の読み書きができており、簡単な英語の絵本であれば読むこともできるそうです。
一方、娘が通うISN上田原キャンパスは小規模保育事業B型の施設で0〜2歳が対象。散歩や外遊び、塗り絵、音楽、ジム遊びといったプログラムが曜日ごとに決められており、紙芝居や歌、本の読み聞かせなど、英語が当たり前にある感覚を養ってくれます。
今回は写真撮影の関係で、長男の通うISNプレスクール上田の4歳児クラスを中心にレポートさせていただきます。
まず8:30に登園した息子は、みんなが揃うまで身の回りを整頓して、フリータイムを過ごします。朝の挨拶から登園後の指示まで、先生からの会話は基本的にはすべて英語です。
9:10過ぎになるとモーニングサークル(朝の会)の時間。教室で天気やカレンダーの表現について英語で学び、その後は英語の音楽に合わせてダンスやエクササイズなどで体を動かします。
そして10:00からはIB(インターナショナルバカロレア)タイム。英語の発音を身につけるためのフォニックスのほか、工作や散歩、ジム、そして週に1回のスイミングプールなどのプログラムがすべて英語で行われます。
午後はランチのあと、一度パジャマに着替えてお昼寝タイム。起床後はまだ普段着に着替え、アフターヌーンサークル(降園の会)にて英語で物語の読み聞かせや1日の振り返り、歌の合唱を行い、16:30にお迎えが来て降園、といったスケジュールでした。
語学力ゼロの子どもたちがいきなりインターに入って大丈夫?
前述したスケジュールをご覧いただき、普段から英語に触れていない子どもをいきなりインターナショナルスクールに預けて大丈夫か、と気にされるご両親も少なくないと思います(うちも最初はとても心配でした)。
ただ、保育園留学が始まる前に、担任の先生とオンライン面談をする時間があり、そこで子どもの性格や趣味、そして英語力について共有することで、先生たちはどの程度理解しているかをケアしながら、肝心な説明は日本語と英語を織り混ぜて話してくれます。
とてもありがたかったのは、子どもが突然英語だらけの環境に抵抗感を持ってしまわないように、初日は日本語を多めにするなど、レベルに合わせて個別に対応してくださる点。外国人の先生は基本的に全員に対しても英語で話すので、そこでも日本人の先生がバランスを取って接してくれていました。
いざインターナショナルスクールでの保育が始まり、息子が英語の環境を嫌がってしまったら、それはそれで仕方がないと覚悟していた部分があったのですが、登園初日からそんな心配はどこ吹く風。初日から園で習った英語の歌やダンスを披露してくれて、食事の際には「いただきます!Thank you for the food!」と挨拶するなど、すっかり保育園での英語を楽しんでいるようでした。
もちろんそれはISNプレスクール上田の先生方の配慮のおかげなのですが、ここならば英語が初めての息子でも心配ないと、初日から安心して通わせることができました。
2週間の留学で得た成果と、東京に戻ってきてからの変化
もちろん2週間きりの滞在なので、英語が喋れるようになったわけではありません。ただ、今回の保育園留学で最大の目的だった「英語を身近に感じてもらう」は大成功だったと思っています。
最終日に担任の先生が教えてくれたのですが、1週間を過ぎた頃には息子も日常で繰り返される質問に対して「Yes」「No」で答えられるようになり、例えば昼食の前に「Did you wash your hands?」と聞いたら、自然と英語で答えていたそうです。何か物を渡したときなどにも、「Thank you.」と答えるときもあったようで、まるでスポンジのような子どもの吸収力には本当に驚かされます。
親としてはこの保育園留学をきっかけにして、今後も少しずつ英語に触れていってほしいと思っています。これについて担任の先生に相談したところ、「実際に、外国人と触れ合える機会があれば、一番良い経験になると思いますが、なかなかそれが難しい場合には、子ども向けのアニメやテレビ番組を英語で観たりするのも効果的かと思います。オンラインで英会話レッスンに参加するのもひとつの方法かと思います」とアドバイスしてくださりました。
また英語の学習に限らず、友達もいない初めての環境に飛び込むという体験自体も貴重なものだったと思っています。保育園児とて、留学は留学。慣れない環境でも緊張もしたと思うのですが、怖気付くことなく全力で楽しんでいた息子には、親バカながら「すごいね!頑張ったね!」と拍手と賛辞を送りました。ぜひ今回の保育園留学を成功体験にして、自信に繋げてほしいと思っています。
東京に戻ってからは、ディズニー映画を英語で見たり、音楽を英語版で聴いたり、知育玩具に英語のものを選んだり、意図的に触れる機会を増やしているところです。また親子の会話の中で、たまに「これは英語でなんていうんだっけ?」と訊ねることで、身の回りのものから英単語を習得してくれたらと期待しています。
まだまだ道のりは長いですが、もし将来子どもたちが英語を使った仕事に就きたいと考えるようになったら、その最初のきっかけは間違いなくこの保育園留学でしょう。小さな一歩が、子どもたちの大きな可能性につながっていく。そう考えただけでも、今回の保育園留学に参加できて本当によかったと思いました。
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