「静かな退職」と言われてもいいじゃないか…上司と部下の板挟み"無理ゲー中間管理職"が「最優先すべきこと」
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中間管理職は苦労が多い。組織開発専門家の勅使川原真衣さんは「中間管理職は、組織の構造的に板挟み状態だ。上と下の双方から言われるままに課題を設定していたら、心労でつぶれてしまう。まずは生き残ることを目標にしてはどうか」という――。 ※本稿は、勅使川原真衣『「働く」を問い直す 誰も取り残さない組織開発』(日経BP)の一部を再編集したものです。
どう考えても心労が絶えないポジション
権限や裁量を限定的にしか持たず、上司と部下、すなわち経営層と現場とに挟まれているのが「中間管理職」――。
経営者からは「数字を達成せよ」と詰め寄られ、部下からは「この人員では無理です」と反発される。どう考えても心労が絶えないポジションです。
若手社員が急に会社を辞めると中間管理職が責められるので、プレッシャーをかけないようにするあまり、若手を厳しく育てることができない。
その結果、本来は部下に頼むはずの仕事もプレーヤーとして自分がやることになり、ますます疲弊するという悪循環……。
そのため、経験を積んで年次を重ねた社員でも、「管理職にはなりたくない」と考える人がとても多いのだとか。
まずは「生き残る」ことを目標にする
最近は、「中間管理職なんて“無理ゲー”」とまでいわれるようになりました。“無理ゲー”とは、難易度が高すぎてクリアするのが不可能であるゲームのこと。
無理もありません。中間管理職は、組織の構造的にも板挟み状態で、上と下から求められていることが矛盾することもしばしばです。
例えば、経営層からは前年よりも「ストレッチ」した数値目標を設定されるのに、人員は増えなかったりします。人手不足で、前年に息も絶え絶え達成した水準を、さらに超える数字が求められるのです。それに対し部下は「この会社のやり方はおかしくないですか? 人員を補充してください」と突き上げてくる。
双方から言われるままに課題を設定していたら、確かに“無理ゲー”でしょう。初めから利害が相反していますよね。
あっちを立たせて、こっちも立たせ……とやる前に、中間管理職自身が「生き残る」ことを一つの目標にしてみてはいかがでしょうか。人に言われたことをそのままやろうとしたら、心労でつぶれてしまいます。まずは「自分が倒れない範囲で仕事をする」と発想を切り替え、そのうえでできることを最大限やればいいのです。
「全方位的に満足させるのが、中間管理職に求められるリーダーシップだ!」などと言う人もいますが、本当でしょうか。組織の構造的な問題を個人に押し付けているだけとしか思えません。
そもそも利害が相反している要求を上下から押しつけられて、それに対応できないからといって、「自分にもっと課題設定力があれば……」とか、「論理的思考力があれば……」なんて落ち込む必要はないのです。個人の能力のせいにしている時点で、解けない問題を解かされているのですから。





























