夫に似ている息子を愛せない…今は「家事も育児も完璧」な夫に対して妻が抱き続ける"消えない恨み"
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夫婦関係を良好に保つ秘訣は何か。家族問題カウンセラーの山脇由貴子さんは「相手に対して『期待』を持つことが重要だ。夫婦関係がこじれると、子どもとの関わりを放棄する事態にも発展してしまう」という――。(第1回) ※本稿は、山脇由貴子『夫婦はなぜ壊れるのか カウンセリングの現場で見た絶望と変化』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。 ※事例は全て仮名です。
我が子を「可愛い」と思えない妻の事例
相談に来たのは夫の隆弘さん(38歳)。妻が子どもの面倒を見ない事に悩んでいると言います。子どもは6歳の男の子だそうです。
「妻は自分ではっきりと、『子どもが可愛いと思えない』と言います。最低限の関わりはしますが、本当に最低限です。食事は作るけど一緒に食べないし、遊ぶ事はほとんどありません」子どもと一緒にいてもずっとスマホをいじっているそうです。
「子どもが歌ったりしていると『うるさい!』と言う時もありますし、子どもが構って欲しくて妻に寄って行くと『あっち行って!』と怒鳴る事もあります。妻もフルタイムで仕事をしているので、疲れているのも分かるんですが……」
見かねた隆弘さんは、職場に、妻が仕事で忙しいので自分が育児をする必要があると説明し、早く帰れるようにしてもらっていると言います。
「もうずっと、お風呂に入れるのも、ご飯を食べさせるのも、寝かしつけも私です。妻は育児以外の家事をしているという状態です」
子どもは「ママがいい!」と泣く事もあり、可哀そうな思いをさせていると、隆弘さんは少し暗い表情を浮かべます。
なぜ育児への関わりが減ったのか
「休みの日はどうにか説得して3人で公園に行ったりしますが、妻は一人でベンチに座ってずっとスマホをいじっています」隆弘さんはそこでため息をつきました。
「もう少し育児に関わって欲しいし、子どもを可愛がって欲しいと再三言っているのですが、『どうしても可愛いと思えないから』と言われてしまいます」
「お子さんは、お二人が望んでの事ですか?」私が尋ねると隆弘さんは頷きます。
「妻の強い希望でした。2人欲しい、とも言っていましたが、1人目が生まれてからは言わなくなりました」
妻は産休も育休もしっかり取り、その時はちゃんと子どもと接していたそうです。変わったのは育休明けだと思う、と隆弘さんは言います。
「原因は話してくれませんし、私にも分からなくて……。妻の育ちに大きな問題があるようにも思えないんです」
カウンセリングに来る事は話してあり、先々は2人で通いたいと言った所、妻もそのつもりになっているそうです。
「ご夫婦の関係で奥様は悩んでいる様子ですか?」隆弘さんはまたため息をつき、「会話はほとんどないですから」と言いました。
「妻は大抵不機嫌で黙り込んでいます。私に対する不満は色々あるんだと思います。こうなる前、私は毎日帰りも遅くて、家事も育児もまかせっきりでしたから」
次は奥さんにひとりで来てもらう事にしました。





























