シャトレーゼ創業者が作った社是は「三喜経営」なのに…"理念を踏み外す不祥事"が次々起きてしまう根本的原因

シャトレーゼ創業者が作った社是は「三喜経営」なのに…"理念を踏み外す不祥事"が次々起きてしまう根本的原因

顧客も取引先も社員も泣かせることになった

今年3月には公正取引委員会から勧告

菓子店を国内外で約1000店展開する菓子大手のシャトレーゼ(甲府市)で不祥事が相次いでいる。

中小企業庁は8月5日、下請け企業への代金支払い対応について調べた結果を公表し、シャトレーゼなど15社が最低評価だったとして社名を公表した。15社は現金ではなく、一定の期間が経過した後に現金化できる「手形」などで代金を支払っていた。来年1月に改正下請法が施行されると手形での支払いが禁止される。それに向けて中小企業庁が初の大規模調査を行った結果、「下請け企業に優しくない会社」が炙り出され、そこにシャトレーゼも含まれた格好だ。


実はシャトレーゼは、今年3月、下請法違反だとして公正取引委員会から勧告を受けていた。製造委託した包装資材などを正当な理由なく受け取らなかったのが下請法違反(受領拒否)に当たるとして、製品の受け取りと委託先への保管・運送代金の支払いを勧告されていた。

日本経済新聞の報道によると、シャトレーゼは洋菓子などに使う包装資材や香料を11社に発注したが、必要になった都度に一部を受け取っていた。受け取っていなかった分のうち、発注書上の仕上がり日から1年を超えていたのは1300万円相当にのぼり、代金は受領した分だけ支払っていたという。受け取っていなかった委託製品は、2024年12月時点で約2383万円分にのぼっていたとされる。

従業員に対しても問題ある対応が起きていた

不祥事はこれにとどまらない。今年5月には甲府労働基準監督署が、違法な時間外労働をさせた労働基準法違反容疑で同社を書類送検した。報道によると、白州工場(山梨県北杜市)と豊富工場(同県中央市)にそれぞれ所属する従業員に、労使協定(三六協定)を超える時間外労働をさせた疑い。豊富工場の従業員の労働時間は協定で1カ月85時間を上限としていたが、23年12月は113時間を超えていたという。「働き方改革」の労基法改正によって、月の残業時間の上限は100時間未満とされていて、そもそも法律にも違反していた。

同じ5月には、特定技能の在留資格を持つ外国人に休業手当を支払っていなかったとして、出入国在留管理庁から改善命令を受けていた。未払い総額は4100万円にのぼった。新工場の稼働に備えてベトナム人従業員157人と雇用契約を結んだものの、工場の稼働が遅れたため、稼働までの待機中の給与を支払っていなかったという。従業員に対してもマズい対応が起きていたわけだ。

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2025.09.05

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