社員の反応が微妙なら即アウト…家具会社が有能な転職希望者を「一日体験入社」で落とした意外な理由
絶対にイエスと言い切れないなら、それはすなわちノーである
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選ぶかどうか微妙な選択肢はどう扱うべきか。起業コンサルタントのグレッグ・マキューンさんは「本当に重要なことだけを選んで引き受けるべきだ。そのために、明確で厳しく、そして正しい基準を採用するといい」という――。 ※本稿は、グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
「もっとわがままにノーと言おう」
TEDの人気スピーカー、デレク・シヴァーズ。彼は自身のブログで、「もっとわがままにノーを言おう」と主張している。中途半端なイエスをやめて、「絶対やりたい!」か「やらない」かの二択にしようと言うのだ。
そのためのコツは、基準をとことん厳しくすること。「やろうかな」程度のことなら却下する。「イエス」と言うのは、絶対やるしかないと確信したときだけだ。
ある経営者は、ツイッターでこう言った。
「絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである」
まさにエッセンシャル思考らしい発言だ。選択肢を検討するときには、つねにこの基準で考えたほうがいい。
ゆるい基準は必要ない
デレク・シヴァーズは、この基準を全力で体現している。たとえば人材採用にしても、本気で圧倒された相手しか雇わない。できそうだな、という程度の人はすべて不採用にする。そうやって断りつづけるうちに、やがて「これだ!」という人材がやってくる。
世界各地でのイベントの予定が入っていても、本気でわくわくしなければすべてキャンセルし、家でやりたいことをやっている。気乗りしないカンファレンスに出るより、そのほうが生産的だからだ。
引越し先を考えていたときには、「住めたらいいな」と思う程度の街(シドニー、バンクーバーなど)をすべて除外した。やがてニューヨークを訪れたデレクは、「この街しかない」と即座に確信したそうだ。
クローゼットをきれいに保つには、日頃から整理整頓できるしくみが必要だ。「いつか着るかもしれない」というゆるい基準を使っていたら、クローゼットはめったに着ない服でいっぱいになってしまう。これを「この服が本当に大好きか?」という基準に変えると、中途半端な服が消えるので、もっといい服を入れるスペースが生まれる。
同じことは、あらゆる決断に当てはまる。どうでもいいことを捨てられずにいると、本当に重要なことをする余裕がなくなってしまうのだ。