「自分の部屋」で勉強するよりずっと効果的…「自制心が働いて頑張れる」リビング学習を成功させる鉄則
親は家事や仕事をしていて構わない
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子供の勉強場所としてリビングは適しているのか。プロ家庭教師集団名門指導会代表の西村則康さんは「子供は少し人の気配や生活音を感じられる場所のほうが心が落ち着く。見られている意識で自制心も働いて頑張りやすい。ただし注意点もある」という――。
人の気配や生活音を感じられる場所のほうが落ち着く
子供の勉強場所にリビングが推奨されるケースが多い。この考えには私も賛成だ。まず、子供部屋は誘惑が多すぎる。多くの場合、子供部屋は子供のモノで溢れている。図鑑や参考書といった勉強に関するモノを揃えておけば、自然と勉強に向かっていくのではないかと親は期待するが、同じ空間にオモチャも漫画も置いてあれば、当然そっちに気が向いてしまう。
では、これらを排除しておけばちゃんと勉強をするかというと、それもノーだ。立派な勉強机に参考書がずらりと並んだ本棚を用意し、「さぁ、これなら集中できるでしょ!」とパタンとドアを閉められてしまうと、逆にソワソワしてしまう。なぜなら、子供は少し人の気配や生活音を感じられる場所のほうが、心が落ち着くからだ。また、「誰かに見られている」と感じるくらいのほうが、自制心が利き頑張れたりする。
ただし「監視」になると失敗する
ただ、その目が「監視」になってしまうとうまくいかない。すでにリビング学習を行っていて、子供が「自分の部屋で勉強をしたい」と言い出したら、親は自分の行動を振り返ってみてほしい。「何でこんな簡単な問題を間違えるのよ」「またダラダラ勉強している」など、子供のできていないところばかりに目が向いていないだろうか。
そんな状況から逃げるために、「自分の部屋で勉強をしたい」と言っている可能性が高い。しかし、よほど成熟度の高い小学生でない限り、子供部屋学習はうまくいかない。多くの場合、自分を律することができず、集中力は散漫になり、成績は下がっていく。
リビング学習のメリットはいろいろある。リビング学習は家族が食事をするダイニングテーブルで行うことが多い。ダイニングテーブルは勉強机よりもサイズが大きいので、スペースの制限なく教科書やプリント類を思いっきり広げながらできる。また、宿題の音読もお母さんに聞いてもらえるし、わからない漢字の読みが出てきたら、「この漢字は何て読むの?」とすぐ聞くこともできる。そこから、「この漢字はほかにも○○って読むことがあるよ」「△△の意味に使われる漢字だよ」など、教えてあげることもできる。