「オルカンとS&P500」一辺倒はヤバすぎる…「今後3年で約10分の1まで大暴落」金融資産を守る"分散率の正解"
庶民が熱狂する間に著名投資家はせっせと売っている
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お金で困らないためにはどうすればいいのか。IWAグローバル経済研究所代表の岩永憲治さんは「暴落時への備えが重要だ。分散投資が有効だが、その分配率を間違ってはいけない」という――。 ※本稿は、岩永憲治『トランプ経済 グレート・クラッシュ後の世界』(集英社)の一部を抜粋、再編集したものです。
持ち株を売りまくる著名投資家たち
リーマン・ショック後のNYダウ安値6500ドルから6倍以上という、どう考えても高すぎる米国株を、大多数の投資家が“安心?”して買っている時に、せっせとそれらを売っている人たちがいる。
それは誰だろうか?
それを調べると“勝ち組”が透けて見えてくる。
例えば、ウォーレン・バフェットは2024年の秋の時点で、自社のアセット100兆円のうち40兆円以上を現金に戻していた。
バフェット同様、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス、メタのマーク・ザッカーバーグ、JPモルガンCEOのジェイミー・ダイモンらの大富豪たちも、判を押したように自社株を売っていた。
他にも著名投資家たちの動向を調べると、その大半が2024年の秋の時点で、持ち株を売っていることが判明した。
売るべきタイミングの“合図”とは
このことは極めて重要である。
なぜなら、彼らはその3年ほど前からそうしたIT・AI関連銘柄を仕込んで買っていたからだ。
個人投資家が目に見えて強気になっている時期を見計らって、マーケットでは決まって個人投資家を“釣る”ような動きが生じる。
今回は、日本ではNISA(少額投資非課税制度)の導入もあって投資家の裾野が広がった結果、米国のS&PをベースにしたETF(上場投資信託)や通称「オルカン」と呼ばれる投資信託(「オールカントリー型投資信託」)が数多く登場し、広く宣伝された。
しかし「これ一本で大丈夫」というような商品が話題になった時には、名だたる投資家が猛烈な売りに出るタイミングであり、いわばその“合図”のようなものなのである。
ある米国の投資信託の会長がいみじくも言っていた。
「個人投資家が飛びついた時には、もはやそのマーケットは終わりなのだ。いつもそうだ」