「共感できる部分はない人間、それが私の母」要介護3の88歳をフルで働きながら6年以上ケアする娘の"介護魂"

「共感できる部分はない人間、それが私の母」要介護3の88歳をフルで働きながら6年以上ケアする娘の"介護魂"

40度近い真夏でもエアコンを使わない老母を変えたスーパーヘルパーの言葉

少女時代に母親から「顔が醜い」といったニュアンスのことを言われ侮蔑された女性。時は流れ老いた母は認知症となり要介護の状態に。過去の遺恨を抱えた女性は時に母親に手をあげることもあった。黒歴史により介護を放棄する子供も多い中、娘は実家に戻り母を最期までケアする決心をした。憎しみや負の感情がありながらも、なぜそこまでするのか。ノンフィクションライターの旦木瑞穂さんが取材した――。

“鬼母”に「整形手術をしろ」と罵倒された60代娘の今

3年前の2022年の8月――。

本連載で、関東在住の澤田ゆう子さん(仮名・当時50代)が高齢の両親の介護に奮闘する様子を前後編の2記事でレポートした。

前編 「不美人」「整形手術を受けさせる」親戚から"鬼"と呼ばれる母親に娘が浴びせられ続けた言葉

後編 肩を押さえつけて頭を殴る…認知症の老母に手を上げたフルタイムで働く娘の壮絶介護

フルタイムで働きながら、両親の献身的にケアをする中、少女時代に容姿に関して母親から侮蔑されたことを思い出した澤田さんはさまざまな介護時のストレスも重なり、親に手をあげてしまうことも。そんな赤裸々な介護の現場を伝えた記事は多くの反響を呼び、POLで配信された2022年下半期ベスト記事にも選ばれた。

では、澤田さんは今どうしているのか。追跡取材をした。

【前回配信した記事の要約】澤田ゆう子さん(仮名・当時50代・既婚)は大学卒業後、都内に住み、フルタイムで働いている。実家へは車でも公共交通機関でも2時間ほどかかる。

2012年4月。父親83歳、母親75歳のとき、実家を訪れると、顔面にできた帯状疱疹の痛みで泣き叫ぶ父親と、オロオロして泣きわめく母親がいた。これが介護の始まりだった。入院を断られた父を介護施設に入所させると、1カ月ほどで症状は軽快。その後は在宅でヘルパーを導入した。2015年10月。父親は85歳で死去。

一方「アルツハイマー型認知症」と診断された母親は週1回デイサービスを利用し始めた。2019年、母親は82歳で要介護3になり、週3回の訪問ヘルパーとデイサービス、週1回の訪問歯科医を利用。澤田さんは、1日に4〜5回母親に電話をし、2〜3週間に1回の頻度で実家へ。

2019年夏。母親が不審者を家に入れてしまったことから「見守りカメラ」を導入。

2022年4月。85歳の母親は澤田さんの言うことを聞かないばかりか泣き真似をしたり役所に電話で助けを求めたりする。耐えかねた澤田さんは母親に手をあげることもあった――。

詳細を見る

この記事を読んだあなたにおすすめ

画像

https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-250630-12911437

2025.07.30

ニュースカテゴリの記事

ママ友との付き合いは本当に必要?「孤独」は悪いことじゃない【藤本美貴×精神科医 藤野智哉】
子育てや教育のテーマを元に読者から集めた質問にゲストスピーカーと対話する動画記事コンテンツ。