「半身浴VS.全身浴」どちらのほうが疲れが取れるのか…医師がタスクに追われる現代人に勧める"平日の入浴術"
朝風呂はシャワーだけのほうが合っている人も
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全身浴と半身浴、疲れが取れるのはどちらか。医師の加藤浩晃さんは「半身浴が体にいいというイメージがあるかもしれないが、疲労回復には全身浴のほうが向いている。入り方にもポイントがある」という――。 ※本稿は、加藤浩晃『休養ベスト100 科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル』(日経BP)の一部を再編集したものです。
疲労回復には「15分の全身浴」
お風呂の疲労回復効果は、もっと評価されていいと思っています。忙しいとつい、シャワーで済ませてしまう人もいるでしょう。しかし、入浴をうまく活用して疲れをとれば、パフォーマンスを高くキープすることも可能になります。
お風呂は、前回の記事でも述べたように、少しぬるめの39~40℃の湯船に15分つかるのがおすすめです。これで体がしっかり温まり、自然と眠気がやってきます。
ポイントは、湯船につかるのは「15分」でいいということです。もっと長くつかる「半身浴」が体にいいというイメージがあるかもしれませんが、疲労回復を優先させるならば15分の全身浴のほうが向いています。
半身浴は、お湯の温度はぬるめで37~39℃にして、みぞおちあたりの深さまでお湯を張り、30~40分ほどつかることが多いでしょう。ダイエット目的で半身浴をやっている人もいるかもしれません。
ただ、今では半身浴よりも全身浴のほうが体が温まりやすく、結果として疲労回復の目的には向いていると考えられています。
平日に疲れをとって翌日に備えるのなら、全身浴がおすすめです。
半身浴で体重が減るのは水分が失われるから
半身浴でリフレッシュできると感じられるのなら、リフレッシュ目的のために、時間のある休日に行うのもいいかもしれません。
汗をたくさんかくので、ダイエットの効果があると思う人もいるでしょう。確かに、半身浴によって一時的に体重が減るかもしれませんが、それは体内から水分が失われたため。水を飲めばまた体重は戻るので、半身浴だけではダイエットにはならないといえます。
また、長く湯船につかっていると、皮膚の保湿成分が流れ出てしまいます。長湯をする習慣のある人は、実は肌が乾燥しがちかもしれません。お湯に長くつかるのであれば、入浴後に全身をしっかり保湿する必要があります。