残念ながら「ラム肉なら太らない」はウソだった…管理栄養士が指摘する「ダイエットの定番食材」の落とし穴
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ダイエットを成功させるにはどうしたらいいのか。管理栄養士の森由香子さんは「健康によいというイメージが強いナッツや羊肉は、あまりおすすめできない。脂質やエネルギー量が高く、かえって太ってしまうだろう」という――。(第2回) ※本稿は、森由香子『健康診断の数値がよい人は何を食べているのか』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。
ナッツはおすすめできない
体によい食品として根強い人気のナッツ。アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ、クルミ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、松の実、カボチャの種、ひまわりの種など種類が豊富です。
ナッツが体によいとされる理由は、健康効果が期待できるいくつかの栄養素にあるようです。まず、α-リノレン酸(n-3系多価不飽和脂肪酸の1つ)とリノール酸(n-6系多価不飽和脂肪酸の一つ)。この2つの脂肪酸は、体の中で合成できないため、食品からとる必要がある必須脂肪酸です。α-リノレン酸は血圧低下作用、リノール酸は血中コレステロール低下作用が期待できます。どちらも認知機能改善効果も報告されています。
次に、ビタミンEと食物繊維。ビタミンEは、抗酸化作用や血行促進作用、そして、食物繊維は、整腸やコレステロール低下作用、糖尿病予防、高血圧予防が期待できます。
皆さんは、どのような場面でナッツを食べていますか。お酒のおつまみとして、小腹が空いた時、口寂しいとき、テレビやビデオ鑑賞時、仕事中や仕事の合間にと様々な場面があることでしょう。中には、前述の栄養素をとりたいために、毎日、義務感でせっせと食べている方もいるようです。
こちらは、管理栄養士の立場から見ると、あまりおすすめできません。というのも、わざわざナッツにこだわらなくても、望む栄養素は他の食品で補給できるからです。
脂肪が増え、尿路結石の原因にもなる
たとえば、α-リノレン酸なら、納豆やがんもどきなどの大豆製品、なたね油、調合油、えごま油などの植物油、リノール酸なら、がんもどきなどの大豆製品や、サフラワー油や、ひまわり油、綿実油などの植物油。
ビタミンEなら、ブリ、サバ、ハマチ、カボチャ、ホウレンソウ、ブロッコリー、キウイフルーツ、サフラワー油や、ひまわり油、綿実油などの植物油。食物繊維なら、野菜、海藻、キノコ、豆、芋、果物から摂取できます。皆さんも普段から口にしているおなじみの食品ばかりです。
私がおすすめするナッツの食べ方は、主役としてたくさんとるのではなく、料理のサポート役として少量を利用する方法です。たとえば、カボチャのサラダ、キャロットラペ、ヨーグルト、シリアルを食べる時に混ぜ合わせると、アクセントや風味づけになります。また、スライスや砕いたナッツは、白和え、パスタ、おにぎり、スープに混ぜると、味にコクや深みが出て美味しくなります。揚げ物の衣に加えれば、食べた時に食感が楽しめます。
ご存じのとおり、ナッツは、脂質が多く少量でエネルギー量が高い食品です。とり過ぎは体脂肪増加の引き金になります。また、シュウ酸も含まれるため、とり過ぎると尿路結石の原因にもなりかねません。最後に、主なナッツのエネルギー量をお知らせします。
・アーモンド10粒(15g)91kcal ・カシューナッツ10粒(15g)89kcal ・ピーナッツ10粒(10g)61kcal ・クルミ1個(8g)57kcal です。 食べ過ぎにくれぐれもご注意ください。 |
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