食卓に無限の可能性…ソムリエが伝授「ワインのマリアージュに最適な日本人が買える手近な弁当」
お惣菜屋やデパート物産展は宝の山
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料理に合わせてワインを楽しむにはどうすればいいか。ソムリエの佐野敏高さんは「和洋折衷の食卓はワインとの楽しみにおいて無限大の可能性をもっている。各お店の個性がでて、色々なおかずが楽しめるお弁当は、季節によって変わる食材や調理方法がワインとの相性を測る道標になってくれる」という――。 ※本稿は、佐野敏高『ワインビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
食事との取り合わせであっと驚く出会いを
ワインと料理の交わりは真っ白な紙に味覚のマップを自由に造ることのできる楽しさを生みます。家庭でワインを飲む時のルールはただひとつ、自由に楽しく、気兼ねなく飲みはじめることです。
まずは食事と飲み物を切り離して考えずに食卓の相棒としてタッグを組ませましょう。
そして馴染みのあるお酒について考えてみます。日本のビール、喉越しは爽快だけれど本当に食事と味わいがピッタリと合うのかな? 日本酒は滲みでる旨みをもち、ささくれのない丸みや均整を持っているので、合わない料理がほとんどないというくらい万能なお酒です。
その反面、僕の経験不足かもしれませんが意外と心から驚き感動するような組み合わせを体験したことがありません。一方で、ワインの味わいを図形で表現しようとすると色々な形になります。
多種多様な味わい構成をもっているのでさまざまな食事との取り合わせであっと驚く出会いが生まれることが多いと思うのです。食事がもつ味わいと絶妙に合わさるものもありますし、合わさらないものもあります。
このバランスを探る作業がとても楽しいと思いませんか? 調味料や調理方法で調整していき、双方をおいしくするための仲人を務められるのが家庭料理の醍醐味ですね。お互いが綺麗にはまるように食事側からサポートをしてあげる、何か素敵ですよね。