年中シャワーだけ"浴槽キャンセル界隈"に迫る危機…平熱36.5度でも安心できない「隠れ冷え性」の健康リスク
「むくみ」「水太り」から「血流悪化」「内臓機能低下」まで
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ダイエットをしているのに「なかなかやせない」のはなぜか。イシハラクリニック副院長の石原新菜さんは「1日の生活の中で基礎代謝は60~70%のエネルギーを消費するが、体温が1度低下すると基礎代謝量が12%減少するともいわれる。やせにくくなる原因のひとつに“冷え”もある」という――。(第2回/全3回) ※本稿は、石原新菜『体温を1度上げると不調はすべて解消する』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
30代になるとやせにくくなるのはなぜか
多くの人が30代を過ぎたころから、それまでと同じような生活をしていても太りやすくなります。一度太ってしまうと「なかなかやせないな」と実感することも。
また、体の外に水分が排出されにくくなって、むくみの症状となって現れることもあります。
その原因は「基礎代謝」の低下にあります。
「代謝」とは、体を動かすエネルギーや体をつくる材料を生み出すさまざまな化学反応を意味していて、生命の維持や活動に欠かせないものです。それが、加齢や自律神経の乱れ、ホルモンの異常などによって低下してしまうのです。
「基礎代謝」が最大のエネルギー消費
私たちの体は、寝ている間でも、心臓が動いて血液を全身に送り出したり、肺が動いて呼吸をしたり、食べたものを消化して栄養分を吸収したりといった活動をしています。こうした、生命を維持するための活動に必要な最低限のエネルギーを「基礎代謝」といいます。
代謝には、「基礎代謝」のほかに、立ったり座ったり、家事や運動など、日々の生活の中で活動したときに消費するエネルギーの「生活活動代謝」と、食べ物を消化吸収するときに消費するエネルギーの「食事誘導性熱代謝」があります。
私たちは、日々の生活の中で大量のエネルギーを代謝して(消費して)生きています。その割合は、基礎代謝が60~70%といちばん高く、次は生活活動代謝で20~30%、食事誘導性熱代謝が約10%となっています。
私たちの体は、基礎代謝のために多くのエネルギーを使っているのです。
基礎代謝量(基礎代謝によるエネルギー消費量)が高い人は、寝ているだけ、息をしているだけでも多くのエネルギーが消費されるため、太りにくいという特徴があります。
「やせの大食い」といわれるようにたくさん食べても太らない人もいれば、一生懸命ダイエットをしているのに、すぐに太ってしまう人もいます。これは、基礎代謝量の違いに要因のひとつがあるのです。