パスタを具材と一緒に茹でていいんだ…手抜き料理を公式採用した「味の素の新調味料」が大ヒットを生んだ理由

パスタを具材と一緒に茹でていいんだ…手抜き料理を公式採用した「味の素の新調味料」が大ヒットを生んだ理由

コメ高騰時代に支持を得た"2つの発明"

味の素が2024年2月に発売した「パスタキューブ」が大ヒットしている。フライパンひとつでパスタが作れる調味料で、今年の5月末時点で累計販売数が1200万食を突破した。なぜここまで広く支持されているのか。人気の理由を経済ジャーナリストの高井尚之さんがリポートする――。

“コメ高騰”でパスタが増えた

長引くコメ高騰もあり、消費者は米食以外を楽しむようになっている。

その代表例が「パスタ」だ。コロナ禍初年の在宅勤務で2020年に消費が増えたが、このところ再拡大している。

一般社団法人日本パスタ協会の発表データによれば、2025年4月の国内供給量(輸入も含む)は前年比110.6%。2024年度の国内供給量は30万4089万トン(同106.3%)となり、コロナ特需があった2020年度以来4年ぶりに30万トンを超えた。

小売店の店頭にはさまざまなパスタソースがあるが、このところ存在感を示すのが、キューブ型の固形調味料「パスタキューブ」(味の素)だ。

どんな商品なのか。担当者に聞いた。

1200万食突破の大ヒット

「『パスタキューブ』は2024年2月の発売以来好調に推移し、現在1200万食を突破しています(2025年5月末現在)。発売時は、“うま辛ペペロンチーノ”と“香ばし和風醤油”の2種類で、2025年2月に“まろやか豆乳クリーム”を追加投入しました」

味の素・食品事業本部の長谷駿佑さん(コンシューマーフーズ事業部 シーズニンググループ)はこう話す(以下発言は同氏)。量販店向け営業6年を経て事業部に移り、「ほんだし」などを担当。2024年7月から「パスタキューブ」「鍋キューブ」のプロダクトマネージャーを務める。営業時代も量販店のお客さん向けにレシピ提案をしていた、とか。

画像
撮影=プレジデントオンライン編集部 味の素・食品事業本部の長谷駿佑さん。大学時代はうどんを自ら打ったり、好きなインスタント食品の味を再現したり、アルバイト先の飲食店で新メニューを提案したりと、食への探求心を持ち続けてきたという。

まずはパスタソース市場の現状を聞いてみた。

「まだお米も高いので、パスタ全体の需要が伸びており、パスタソースはその追い風も受けています。パスタソース市場は2024年度が前年比101%、食卓出現率は109%でした。直近の2025年4月や5月では前年比130%にまで拡大しています」

パスタは「全部で500種類以上あるといわれている」(日本パスタ協会)が、最も多いのは「スパゲティ」で直径1.4~1.9mm前後、長さ25cm前後が一般的だ。パスタキューブの材料例(1人前)もスパゲティ100gを用意して作る。

詳細を見る

この記事を読んだあなたにおすすめ

画像

https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-250630-12911437

2025.07.07

ニュースカテゴリの記事

「イクメンって言葉が嫌い」は男女の分断を広げる?【てぃ先生×治部れんげ】
子育てや教育のテーマを元に読者から集めた質問にゲストスピーカーと対話する動画記事コンテンツ。