高卒ミュージシャン→派遣社員→大企業役員に…「肩書ゼロ」から社会的に成功した人が守っている"普通のこと"
やりたいことに気軽な気持ちで飛び込んでいく
Profile
肩書がなくても仕事が集まるのはどんな人か。作家の有川真由美さんは「中高年の転職では『前の会社では総務部長をしていました』『営業成績で全国1位になったこともあります』などと過去の肩書や実績をアピールしがちだが、それは間違っている」という――。 ※本稿は、有川真由美『肩書がなくても選ばれる人になる 幸せな働き方がつづく45のヒント』(ワン・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
仕事ほど無我夢中になって楽しめる遊びはない
どんな職種においても、なぜか仕事が集まったり、チャンスがやってきたりする人のいちばんの特徴は、「やりたいことを楽しそうにやっている」ということです。彼らは「それ、面白そう」「ワクワクしてきた」「やってみたい」と、気軽な気持ちで飛び込んでいくのです。まるで遊びを楽しむように。
この本の最初に伝えたいのは、「仕事は仕事。遊びは遊び」と切り離す人ではなく、仕事そのものを遊びのように面白がり、楽しめる人こそが、「肩書がなくても選ばれる人」になっていくということです。
遊び感覚でいい加減にやるのではありません。仕事ほど真剣になれ、好奇心がわき、無我夢中になって楽しめる遊びはないのです。
「仕事」の意味合いは、現代社会では大きく変わってきました。
飽食の時代、生きるために必死になる環境ではないし、人と同じレールを歩くプレッシャーも少ない。ご飯を食べるための「ライスワーク(Rice Work)」から、好きなことを追求する「ライクワーク(Like Work)」、そして人生を通して使命感をもって深掘りしていく「ライフワーク(Life Work)」……と、経済的な報酬よりも、やり甲斐や充足感など心の報酬を得ようとする人が増えてきました。
やりたい放題やったら「認めてもらえる自分」になれた
しかしながら、いまだに心の報酬をないがしろにして、「少しでも収入が多いほうがいい」「名前のある会社のほうがいい」と、世間の基準に合わせようとする人もいます。若い世代でも「仕事はお金を稼ぐためのものだから、辛くてもしょうがない」と、あきらめている人も少なくありません。
かくいう私も20代30代のころは、とにかくお金を稼ぎたいと必死でした。
まわりに認めてもらえない自分は、価値がないとさえ思っていました。
しかし、どうやっても「認めてもらえる自分」にはなれなかったので、「ならば、好きなように生きてやる!」と開き直って、やりたい放題やってきました。
まるで冒険の旅をするように「面白そう」「ワクワクする」「やってみたい」と心踊る仕事にあれこれ飛び込み、夢中でやっていたら、いつの間にか本を書くようになり、いつの間にか大学の講師や政府の諮問委員など、ほかの仕事もオファーされるようになっていました。
「認めてもらいたい」ともがいていたときより、そんなことは気にせず、やりたい放題やっているいまのほうが、認めてもらえているのは皮肉なほどです。