介護費用が半減し、認知症リスク約4割減の効果あり…「イヌとネコ」健康寿命を延ばすならどっちを飼うべきか
手のかからないネコの飼育頭数が増加傾向にある
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ペットは家族の一員と考えている人も多いが、意外な効果も期待できそうだ。住宅ジャーナリストの山下和之さんは「イヌやネコを飼うと家族の会話が増え、特に高齢者のいる世帯での効果が大きい。ただ、専門家によるとイヌとネコを比べると、その効用には大きな差がありそうだ」という――。
イヌを飼う人が減りネコが増えている理由とは
家庭のペットといえば、イヌとネコが双璧だが、最近はイヌが減ってネコが増える傾向にある。図表1にあるように、2010年代の半ばまではイヌとネコの飼育頭数はほぼ同数だったが、その後イヌはジワジワと減って、反対にネコは着実に増えて、その差が大きくなっている。
その要因としては、まず、ネコのほうが手間はかからないという点が挙げられる。特にコロナ禍で外出がままならない時期があり、日々の散歩が欠かせないイヌを飼う人が減ったといわれている。加えて、共働き世帯が増加、散歩に行けない世帯が増えているという事情もあるのかもしれない。
また、飼育にかかる費用にも違いがある。イヌは定期的なワクチンの接種が必要など医療費はけっこうかかるが、ネコはさほどでもない。なかには、一度も病院に行ったことがないまま亡くなるネコもいるほどだ。
しかもイヌには大型犬も多く、食事代もばかにならない。諸物価高騰の折り、この差は大きく、ますますネコ派のほうが多くなりそうだ。しかし、ペットの効用はイヌのほうが大きい。なかでもシニアに対する効用が大きいという調査結果が出ているので注目しておきたい。
出典:一般社団法人ペットフード協会「令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査」