「この会社は私よりも新人のほうが大切なんだ…」30代中堅女子社員が退社を決意した上司の酷すぎる対応
きっかけは新人社員におくった"なんでもない"チャット
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若者が定着する会社とそうでない会社は何が違うのか。キャリアコンサルタントの上田晶美さんは「若者とミドル層では価値観や思考が違って当然だ。その違いを理解して、向き合っていくことが大事だ」という――。(第1回) ※本稿は、上田晶美『若者が去っていく職場』(草思社)の一部を再編集したものです。
勤続10年の中堅社員の心が壊れた意外なきっかけ
本稿では、日々の仕事の中で知り合ったミドル層以上の方々から聞いた、若手についてのちょっと困った経験、戸惑った体験談をご紹介したいと思います。実際の職場で、先輩であるミドル層が感じている若手との不協和音とその原因を探ってみることにします。
「一本のチャットが発端で、心療内科に通うことになってしまいました」
と話すのは、広告業界に勤めるY子さん。制作として働いて10年。営業の新人(第二新卒、20代半ば)に送った一本のチャットで大騒動になってしまったというのです。
Y子さんが新人Aさんに送ったチャットは、
「勝手に日程変更されては制作と営業の信頼関係が崩れますのでやめてください」
というもの。確かに端的な言い方ですが、社内チャットでは短文でのやり取りが主流であることを考えると、それがそこまで大事になるとは思えないものです。
Y子さんと新人AさんとはいっしょにP社への提案(プレゼン)を行うチームでした。制作担当がプレゼン資料を作り、営業担当がそれを持ってクライアントに説明に行く。そんな関係性です。