唐揚げ+糖質ゼロビールもOK…糖尿病になった52歳男性医師が半年で「67kg→57kg」の減量に成功した食事法
61歳女性が2週間で「内臓脂肪27%減」に成功
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健康診断などで糖尿病だと指摘される人は50代からどっと増え、12.8%にも上る(2018年)。医師の江部康二さんは「私も52歳で糖尿病になったが、糖質制限食に切り替えた結果、75歳の今でも治療の必要がないぐらい健康だ」という――。 ※本稿は江部康二『75歳・超人的健康のヒミツ』(光文社新書)の一部を再編集したものです。
中年太りした52歳のとき、医師として自分を糖尿病と診断
40歳を超えた頃から体重が徐々に増え、メタボリックシンドロームになった私は、2002年の病院の健康診断(52歳時)で、ついにHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が6.7%(NGSP)と、糖尿病の域に達したのです。
HbA1cとは、皆さんが健康診断や人間ドックを受けた時に、検査項目に必ず入っている、糖尿病のコントロール状況を評価する指標です。過去1〜2カ月の平均血糖値を反映します。
さすがにしばらく落ち込みましたが、
「まあ、仕方がない。事実は事実。俺は糖尿病や、これからは自分の糖尿病も治療しなければならないな」
と受け入れました。
そしてふと、
「これって、かえってラッキーかもしれない」
と気づいたのです。
京都の高雄病院では、すでに1999年から、私の兄・江部洋一郎院長(当時)が、日本で初めて糖尿病治療に糖質制限食を導入していました。
初めの2年間は、「兄貴がまた変なことをやっているわ」というスタンスで、私も3人の管理栄養士も傍観していました。
しかし、2001年からは私も積極的に、糖尿病患者さんに糖質制限食という、まったく新しい食事療法を開始していたので、確かめたいことや試したいことは山ほどありました。
いつも患者さんに頼んで、いろいろな食材を食べてもらっては、食後血糖値を測定するという実験をしていたのですが、今後は、患者さんにいちいち頼まなくても、自分自身を実験材料に、まずは簡単にいろいろな食材で血糖値測定を試せるわけです。
自分自身で実験しながら、多くの糖尿病患者さんにも協力をお願いできる――この日から、いよいよ本格的に、高雄病院の糖質制限食研究が始まりました。
・従来の糖尿病食=カロリー(エネルギー)制限、高糖質食 ・高雄病院の「スーパー糖質制限食」=3食とも主食なし。1回の食事の糖質量は20g以下。 |
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【参考記事】歯が全部残り、裸眼で広辞苑が読める…糖尿病発症から23年「75歳で薬なし」の現役医師が食べているもの
父は糖尿病で右足を切断、母も糖尿病で、自身も糖尿病に
自分自身が糖尿病になってみて、「できれば薬はなしで、食事療法のみで血糖コンロールしたい」という思いが強くなりました。
また父が、糖尿病合併症のオンパレードがもとで永眠したのを目の当たりにしているので、いやでもモチベーションは高まりました。
父は、糖尿病足病変を繰り返し、ついには足指の壊死を合併し、とうとう77歳で、右大腿部から先を切断という事態になってしまいました。
80歳で心筋梗塞と肺炎となり、永眠しました。
母も同じように糖尿病でしたが、糖質制限食が間に合い、合併症もなく91歳で天寿をまっとうしました。