「あなたは間違っている」とは絶対に言わない…「行列」北村晴男弁護士がクレーマーを黙らせる最強の切り返し

「あなたは間違っている」とは絶対に言わない…「行列」北村晴男弁護士がクレーマーを黙らせる最強の切り返し

誰かのひとことにムッとして、思わず強い口調で言い返したくなる経験は誰にだってあるだろう。そんな時、常に冷静沈着な姿勢が求められる弁護士はどのように対応しているのだろうか。日本テレビ系『行列のできる相談所』に「史上最強の弁護士軍団」の一人として出演した北村晴男弁護士が教える、カチンとした時に相手に切り返す、すごいひとこととは――。(聞き手・構成=ジャーナリスト・笹井恵里子 前編/全2回)

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日本テレビ系『行列のできる相談所』に「史上最強の弁護士軍団」の一人として出演した北村晴男弁護士

カチンとした時、北村晴男弁護士なら…

「怒る」「腹が立つ」というのは、いろいろな場面がありますが、弁護士の私の場合はクライアントが「理不尽な要求をしてくる時」があります。例えば、客観的な証拠が逆の結論を示しているのに「この結論が正しい」「自分の記憶はこうだ(だから事実はこうだ)」と主張する人、あるいは「こちらを勝たせるのが当たり前だ」という姿勢の人がいるのです。そういうクライアントを前にすると、正直なところ「何言ってんの。無理でしょ」と思います(笑)。もちろん激怒ではないのですが、内心はムッとしている、怒っている状態なわけですね。

でもそこで「あなたの言うことは間違っている。私はこう思う」と自分が考えていることをそのまま言えば、トラブルになります。相手が激怒して手が付けられなくなったりしたら、マイナスしかありません。

相手を黙らせる「最強の切り返し」

そこで「法律実務」を仕事とする私は、裁判になったと仮定して「この場合、裁判所はどう考えるか」という観点から説明します。「あなたの考え方もわからないわけではないですが、証拠を評価し、裁判所はこう考えます。ですので、あなたの主張は裁判所では通りません」と、裁判所の目線に徹します。本当は自分の意見、自分の価値観でもあるのですが、それは口にしないわけです。実際、裁判所の考え方と弁護士である自分の考え方が一致していることが多いですからね。

あるいはこんな言い方をする場合もあります。「あなたの言う通り主張することは可能ですし、その方向で全力を尽くします。ただし裁判になった場合、99%負けます」と説明し、合理的な範囲で比較的高めの弁護士費用をお示しし、「裁判に負けるとこの費用が全て無駄になってしまいます」と伝え、依頼されない方向に話をもっていきます。これでほぼ納得されます。

それでもなお、今度は裁判所批判を延々と続けたり、どうのこうのと話が続く時は、「当事務所ではとてもお受けできません」と申し上げ、お引き取り願います。

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2025.05.20

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