「屁理屈をこねる天邪鬼」はまだかわいいが…親が気を付けるべき思春期の中高生男子が崩れていく"2つの兆候"
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中高生男子の子育てでは、親はどのようなことに気をつけたらいいのか。神奈川県にある聖光学院の工藤誠一校長は、「子どもが自分の行動を変えるのは、自分で納得したときだけ。例えば、テスト前なのに勉強しない我が子には、このように声をかけてみてほしい」という――。 ※本稿は、工藤誠一『VUCA時代を生き抜く力も学力も身に付く 男子が中高6年間でやっておきたいこと』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
理屈っぽい我が子に、なんて声をかける?
我が子が成長するに従って、だんだん理屈っぽくなってきたと感じることはないでしょうか。幼い頃は、行動を咎められればただ泣くか怒るかしていた子も、本人なりの論理を立てて反論することが増えてきます。
昔ならば、「屁理屈を言うな」と力でねじ伏せる親も多かったのでしょうが、最近は、いったんは子どもの言葉を聞こうとする保護者が多いようです。
まずは子どもの言い分を聞こうとする親の姿勢は、子どもの成長にとっても大切なことです。しかし、子どもの話に矛盾を見つけるや否や、子どもを正論で追い詰めてしまうことはありませんか。
まだ視野が狭い子どもの理屈は穴だらけです。矛盾を突こうとすればいくらでもできるのですが、それで土俵際まで追い詰めてしまっては、子どもとしても立つ瀬がありません。親の言うことに筋道が通っていればいるほど、むしろ、「うるさいな!」と心を閉ざしてしまうでしょう。
結論まで言わず「事実」にフォーカスする
子どもが自分の行動を変えるのは、自分で納得したときだけです。それなのに、親の側が先に正解を言ってしまうと、子どもは納得いかないまま親の出した答えに従うか、反抗するかになってしまいます。
子どもには、自らを省みる余白を与えてほしいのです。そのためには、結論まで言わず、事実にフォーカスするのがコツです。
例えば、テスト前なのになかなか勉強しないときに、勉強しないことの弊害をくどくど説いても効果はありません。
「次のテストは何日からなの?」と事実を確認し、気づきを促す程度に留めましょう。なかなか変化の見られない子どもの姿は非常にもどかしいものですが、焦らなくても大丈夫です。本人が必要だと思えば必ず自分から動き出しますから、ゆったり構えてやっていきましょう。