「オルカン1本でいい」のは20代まで…お金のプロが60歳から投資を始める人に説く「毎月5万円が手に入る」方法
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60代からの資産運用で気をつけるべきことは何か。シデナム慶子さんは「若い人と比べて、高齢者の資産運用計画を立てるのは、長期運用がしづらいため難儀である。10年後に困らないためには、年齢に合った運用計画を今すぐ立てよう」という――。 ※本稿は、シデナム慶子『投資に必要なことはすべて海外投資家に学んだ』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
「運用計画」を立てよう
運用計画を立ててみましょう。計画というか、これから長い時間をかけて行なっていく資産運用の設計図を作るようなものです。
本書の第3章で触れている、アセット・オーナーの投資設計を活用します。「Who」「Why」「How long」です。
まずは最も大切な「Why」。なぜ、資産運用をするのかです。そしてその資産運用目的を考えるとおのずと「How long」である運用期間も見えてきます。
こちらは、年代によっても変わってくると思いますので、それぞれ説明します。
まず20代、30代という若い世代は、恐らく大きな資産を持っている人のほうが稀だと思います。どちらかというと、今ある資産を大きく増やすというよりは、月々の収入と支出を上手にバランスさせながら余裕資金を生み出して、それを定期的に積み立てていくという運用計画が、最も合理的でしょう。
また運用の時間軸を長く取れるので、リスクの高い資産での運用も可能です。仮に大きな損失が生じたとしても、回復するまでの時間が十分にありますし、仕事から得られる収入もあるので、多少、損失が生じたとしても、生活設計全般を大きく見直さなければならないような事態に陥ることは、ほとんどないと考えられます。
20代〜30代の投資のポイント
ただ、積立投資も効率的に増やすためには、ちょっとした工夫が必要です。たとえば毎月1万円ずつでも、何もしないよりはマシなのですが、ある程度の資産を築こうとするならば、年齢が上がるごとに少しずつ積立金額を増やすことをお勧めします。
たとえば毎月1万円ずつ30年積み立てたとしても、積み立てる元本は360万円です。これを年5%で運用したとしても、合計で832万円程度にしかなりません。恐らく老後資金には不足でしょう。
積立投資をスタートするときは毎月1万円でもよいのですが、たとえば35歳になったら3万円、40歳になったら5万円、というように、できる範囲で積み立てる金額を増やすのが、早めに資産を築くポイントです。
ところで、若いのだからどんなリスクをとってもよい、という論調を目にすることがありますが、「一発逆転」はギャンブルの発想で、資産運用ではありません。多くの方がSNSなどを信じて投資詐欺に巻き込まれている事実も含めて、再度強調しておきます。