25歳なのに「思春期うつ」だなんて…連休明けに「退職代行」に頼る若者を理解できない中年世代のモヤモヤ

25歳なのに「思春期うつ」だなんて…連休明けに「退職代行」に頼る若者を理解できない中年世代のモヤモヤ

ゴールデンウィークなどの大型連休明けには心身の不調を訴える人が多い。そのような人とはどう接するべきなのか。『ルポ 虐待サバイバー』(集英社新書)の著者で公認心理師の植原亮太さんは「若手社会人の中には『思春期うつ』に苦しみながら働いている人もいる。中年世代からすれば甘えに思えるが、彼らは決して甘えているわけではない」という――。

大型連休明けは精神的につらい時期

職場で悩みを抱える人にとって、ゴールデンウィークなどの大型連休明けは精神的にとてもつらい時期です。事実、話題の「退職代行サービス」には依頼が殺到しているといいます。

多くの人は退職代行を頼って仕事を辞めようとする相手に対して責任感がないと感じ、あまりポジティブな印象を抱かないでしょう。私たちは彼らに対してどのように接するべきなのでしょうか。

一見無責任に見える「若者特有のうつ」とは

仕事がつらい、だるくて起きられない……。そう訴えて私のカウンセリングルームに相談に来た柴崎優平(仮名・23歳)さんは、休職してからひと月ほどが経つと言います。

「仕事は辞めようかどうしようか迷ってて。精神科にも通ってて、うつ病ということで診断書はもらえたんで、病気休職中になっています。その間も給料はもらえるので、使い倒せる制度は使って、もらえるものはもらっておこうかと思っていて」

初回の相談で上記のように話した彼ですが、大人の多くは彼に対して、甘えている、責任感が足りない、などと思うでしょう。

しかし、こころの専門家の立場から言わせると、若者に特有の非定型的なうつが隠れている場合もあることを知ってほしいと思います。

本稿では、この若者特有のうつの正体と、その理解を示していきます。序盤ではそれがなぜなのかを大人(中年以上)の立場から、終盤では若者の立場になってその苦しさを考えていきます。

文中では、若者のうつが定型的なうつ病(不眠・食欲不振に伴う体重減少や、明らかな自責感情を伴う気分の落ち込みが見られるもの)と比べると「未熟」「自責感が薄い」などの表現が出てきますが、決して蔑んでいる意図はないことをご理解いただきたく思います。

※本稿には複数の事例が登場しますが、個人情報の保護に配慮して加工・修正していることをご了承下さい。

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2025.05.13

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