トランプ再登板を選んだツケ…春なのに"クリスマスプレゼント"を買い漁るアメリカ人の異様な現実
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2期目に突入したトランプ大統領の“就任100日”が波紋を広げている。強引な関税政策により値上げが相次ぎ、年末のクリスマスプレゼントを今のうちに買い込む人が続出している。支持層からは「行動する大統領」と称賛する声も聞かれるが、「無能の100日」と酷評するメディアもある。支持率も急落し、混乱のツケは生活者に重くのしかかる。選挙で再びトランプを選んだアメリカで、今なにが起きているのか――。
米誌は「無能の100日」と酷評
2期目のトランプ政権が発足100日を数え、政権に対する批判はかつてなく激しいものとなっている。米ニューヨーカー誌は最新号で「無能の100日」と題した記事を掲載し、トランプ政権の2期目を厳しく糾弾した。
同誌は「失敗は明らかだった」と断じ、トランプ氏が「明確な目的もなく、欧州、日本、メキシコ、カナダとの関係を悪化させ、NATOをさらに弱体化させ、プーチンへの好意をより鮮明にした」と批判している。無計画な関税の実施で世界を敵に回し、軍事面ではロシアに歩み寄ったとの厳しい指摘だ。
当選直後に好調だった支持率も、わずか数カ月で失速した。米ワシントン・ポスト紙の世論調査では、トランプ氏の支持率はわずか39%にまで落ち込んでいる。同紙コラムニストのフィリップ・バンプ氏は、「トランプが選挙後に味わった短いハネムーン期間は終わり、粉々になって風に吹き飛ばされた」と表現した。
ワシントン・ポスト紙はさらに、トランプ政権の現状を厳しく評価している。同紙によれば、トランプ氏の支持率下落は「歴史的に見ても異例」で、「就任から同じ時期にこれほど否定的に見られていた唯一の大統領は、2017年(1期目)のトランプ本人だけ」だという。バンプ氏はトランプ氏の支持率下落が「異常なほど急速」だとも指摘した。
加えて、「トランプの2024年選挙での勝利は、彼が強い米国経済を実現できるという期待に依存していた」と指摘。現状、経済政策への米国民の評価は、移民政策よりも低い水準に留まるとしている。
支持率急落を「マスコミのウソ」と言い放つ
ワシントン・ポスト紙はさらに踏み込み、トランプ氏に「現実無視」のきらいがあると批判している。
記事は「トランプが現実を無視する姿が最も鮮明になるのは、世論調査結果が発表される時だ」と言及。都合の悪い世論調査の結果ともなれば、「彼は支持者に向け、世論調査も調査実施者も不誠実だと訴え、数字そのものさえ怪しいと言い出す」と指摘する。
実際、トランプ氏は最近、米ニューヨーク・タイムズ紙や米ABCとワシントン・ポストによる世論調査を「フェイクニュース組織によるフェイクの世論調査」と呼び、「選挙詐欺で捜査されるべきだ」とまで発言した。記事はトランプ氏のこうした発言を「明らかに馬鹿げている」と一蹴した。
国内メディアを敵に回すトランプ氏だが、国際政治の舞台でも失態が目立つ。ニューヨーカー誌はトランプ政権を象徴する出来事として、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領との会談を挙げた。
記事は「トランプは道徳的英雄(ゼレンスキー氏)を恩知らずな悪党であるかのように扱」ったと述べ、信頼を失墜した瞬間を振り返る。