「片足で立つ」だけで猫背の原因がわかる…マッサージと筋トレでは解消しない「筋肉の秘境」をゆるめる方法
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整体やマッサージを受けてもすぐ猫背に戻ってしまう。改善するにはどうしたらいいのか。理学療法士のキリツさんは「本来姿勢を保つことは、呼吸や歩行と同じように無意識にできるもの。猫背になりやすい人は、反応が鈍くなっている“体の機能”がある」という――。 ※本稿は、理学療法士キリツ『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』(KADOKAWA)の一部を再編集、一部を書きおろししたものです。
姿勢を自動調整してくれる体の仕組み
あなたは、歩く時に、右足を何センチ前に出して、左足を何度の角度で……なんて、いちいち意識しながら歩いていますか。呼吸をする時に、肺にどれだけの量の空気を入れて、何秒間かけて吐き出す……なんて、考えながら呼吸していますか。
きっと、そんなことはしていないはずです。なぜなら、歩くことも呼吸をすることも私たちが無意識のうちに行っていることだからです。
そして、実は「姿勢を保つ」ということも、歩くことや呼吸をすることと同じように、本来は私たちが無意識のうちに行っていることなのです。
私たちの脳には、意識的に体を動かすための経路と、無意識に体を動かすための経路があります。そして、姿勢をコントロールしているのは、意識的なコントロールとは別の無意識の領域を司る経路です。
この無意識の領域は、まるで自動操縦された飛行機のように、常に変化する重力や重心に瞬時に反応し、体全体のバランスを保ってくれています。
ですから、意識的に「姿勢を良くしよう!」と頑張っても、この無意識の領域がうまく機能していない限り、その効果は一時的なものに過ぎず、すぐに元の悪い姿勢に戻ってしまうのも当然なのです。
姿勢を良くするには「反射」が重要
では、どうすれば姿勢は良くなるのでしょうか?
そのカギとなるのが、「反射」です。
例えば、つまずきそうになった時に、とっさに足を踏み出したり、バランスを崩しそうになった時に、無意識に体勢を立て直したりすることができますよね。これは、脳が重力や体の傾きを感知し、瞬時に筋肉に指令を出すことで、反射的に体が反応しているからです。
姿勢が良い状態というのは、まさにこの「反射」が正常に働き、無意識のうちに重力と重心をコントロールし、正しい姿勢を保てている状態と言えます。
しかし、長年の悪い姿勢や習慣、運動不足などが原因で、この反射的な反応は鈍くなり、本来持っている体の機能が十分に発揮されなくなってしまうのです。
では、どのようにすれば、反射的に重力と重心をコントロールできる体を作ることができるのでしょうか。単に筋トレをして筋肉をつければいいというわけではありませ
ん。何も考えずにストレッチをすることでもありません。
大事なことは、体の深層部にアプローチし、眠ってしまった「反射」を呼び覚ますことです。