次に狙うは「ユニクロでもしまむらでもないポジション」…ワークマン女子"終了"が失敗とは言い切れないワケ
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ワークマンが「#ワークマン女子」の店名を「Workman Colors(ワークマンカラーズ)」に改名した。「女子」の取り組みは失敗だったのか。流通アナリストの中井彰人さんは「『女子』は大型の業態開発実験だったといえる。男性客に間口を広げ、より市場の大きいベーシックカジュアルを軸としたWorkman Colorsに転換することで、持続可能性を担保できる見通しがついたのであろう」という――。
「踊り場に入った」と言われていたワークマン
近年、成長著しいワークマンが、鳴り物入りで展開していた「#ワークマン女子」の店名を「Workman Colors(ワークマンカラーズ)」に変更する、と発表したことで、「ワークマン女子が不振過ぎて撤退?」といった話題が急に多くなった。「Colors」は男女の製品比率1:1の想定で、ベーシックカジュアルを提供するタイプの店であり、①機能性、②ベーシックだが少し光るデザイン、③低価格、が特徴なのだという。
これまでもファッション系の識者からは、そもそも、作業服や機能性カジュアル中心のワークマンが、ファッション性の高い女性向けに乗り出していること自体、危険な賭けだとする指摘もされており、やっぱりうまくいかなかったのか、という印象を持つ方も多いかもしれない。それだけではなく、このところ好調に業容拡大してきたワークマンは、2022年度、2023年度連続で減益となり、踊り場に入ったと言われていた。
ちょうといい機会なので、成長企業ワークマンの成長を振り返りながら、そのビジネスモデルについて、ちょこっと整理してみることにしよう。
2018年頃から急成長、背景にはアスレジャー
まずはワークマンの業績がどうなっているかをみてみよう。図表1は、ワークマンの成長の軌跡がわかる売上、営業利益の推移であるが、2018年頃から急成長が続いて、2023年以降、増収ながら減益に転じたことがみてとれる。かつて、作業服、作業用品のチェーンだった2000年代には売上、利益とも横這いで推移していたが、その後、作業用の機能性が評価されて普段着としても活用されていることに気付き、カジュアルウエアとしての用途開発を進めたことが成長のきっかけとなった。
その時代、スポーツウエアやアウトドアをカジュアルに着こなすアスレジャーと呼ばれる市場が形成されつつあり、ワークマンは機能性をアピールしてアスレジャー商品を軸に売上を伸ばしていった。そして2019年以降はそれまでのワークマン店舗(一般客2:プロ客8)をワークマンプラス店舗(一般客4:プロ客6)に転換させることで、売上を急速に増やしていくことに成功した、というのが成長の経緯である。