扶養の範囲はいくらまで?対象となる条件や金額について

扶養の範囲はいくらまで?対象となる条件や金額について

扶養から外れようと思ったきっかけなど

2018.12.30

扶養の範囲となるのはいくらまでで、実際いくら稼げばよいのかや金額によっていくら得になるのかが気になるママやパパもいるのではないでしょうか。今回は、扶養はいくらから外れるのかやいくら稼げるのか、扶養から外れようと思ったきっかけについて、ママたちの体験談を交えてご紹介します。

夫の扶養はいくらから外れる?

家族の扶養に入りながら働いている方の中には、扶養の範囲内で働くかどうかを検討したいと考える方もいるかもしれません。

主にパパが世帯の収入を担っている場合、ママに収入があっても、一定の金額を越えなければかかる税金や保険料などが安くなることがあるようです。

反対に、ママの収入が一定額を超えると扶養から外れ、所得税を支払ったり自身で保険に加入する必要があるそうです。

扶養の範囲ではいくら稼げて、いくら稼ぐと扶養の範囲を超えるのでしょうか。所得税と社会保険それぞれの扶養の範囲についてまとめてみました。

所得税の扶養の範囲はいくらまで?

所得税の扶養の範囲はいくらまでなのでしょうか。扶養の対象となるための条件についてまとめてみました。


配偶者控除の対象

国税庁のホームページによると、配偶者控除とは配偶者の収入が103万円以下の場合に、納税者が所得控除を受けられる制度だそうです。

納税者の所得金額によって控除額が異なりますが、納税者の収入が給与のみで1120万円以下の場合、配偶者の収入が103万円以下であれば控除額は最大の38万円となるようです。


配偶者特別控除の対象

給料
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配偶者特別控除とは、配偶者の給与所得が103万円以上で配偶者控除を受けられない場合でも、所得の金額に応じて納税者が所得控除を受けられる制度のことだそうです。

2018年1月より、所得控除額38万円の対象となる給与収入額の上限が150万円に、配偶者特別控除の対象金額が201万円に引き上げられたことから、配偶者控除を最大で受けるためには年間の給与所得を150万円以下に、配偶者特別控除を受けるためには201万円以下に抑えるとよいようです。

配偶者がいくら稼げるのかやそれによっていくら得になるのかは配偶者の給与収入額や納税者の収入によって異なるため、気になる場合は国税庁のホームページをもとに実際に計算してみるとよいかもしれません。

2018年分の配偶者特別控除の申請から申告書の様式が変更になったため、2019年に確定申告をするときには注意が必要となりそうです。

出典:家族と税 / 国税庁
出典:No.1195 配偶者特別控除 / 国税庁

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社会保険の扶養の範囲はいくらまで?

社会保険(厚生年金、健康保険)の扶養の範囲はいくらまでなのでしょうか。扶養に入るための条件についてまとめてみました。


扶養に入るための条件

日本年金機構のホームページによると、社会保険の扶養に入るためには、被扶養者の年間収入が130万円未満であることが条件となるようです。

同居の場合は収入が扶養者の収入の半分未満である必要があるそうですが、被扶養者の収入が扶養者の収入を上回らず、扶養者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められる場合は扶養の対象となることもあるようです。

ここでの年間収入とは過去の収入ではなく被扶養者に認定された日以降の年間の見込み収入額を指し、給与所得がある場合は月額108,333円以下、雇用保険の受給者の場合は日額3,611円以下であることが条件となるようなので、注意が必要となりそうです。

また、年間の収入には雇用保険の失業等給付や健康保険の傷病手当金、出産手当金も含まれるそうなので、これらを受け取っている場合はそれらの金額を差し引いた上でいくら稼げるかを考えるとよいかもしれません。

出典:従業員が家族を扶養にするときの手続き / 日本年金機構

社会保険の加入の義務

聴診器
© akira_photo - Fotolia

厚生労働省のホームページによると、2016年10月から社会保険の加入対象が拡大されたため、以下のような条件を全て満たす労働者は社会保険への加入義務があるようです。


  • 1週間あたりの所定労働時間が20時間以上である
  • 1カ月の決まった賃金が88,000円以上である
  • 雇用期間の見込みが1年以上である
  • 学生でない
  • 従業員数が501人以上の会社で働いているまたは500人以下の会社で働き社会保険への加入に労使で合意がなされている(2017年4月より)

月収を88,000円を年収に換算すると約106万円になることから、上記の条件を全て満たして年間106万円以上稼ぐ労働者は、年収が130万円未満であっても自分で社会保険に加入する必要があるようです。

社会保険を夫の扶養内でまかないたい場合は、1カ月にいくら稼げるのかや扶養はいくらから外れるのかを考えながら働くようにするとよいかもしれません。

出典:平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大) / 厚生労働省

夫の扶養から外れようと思ったきっかけ

夫の扶養内で働きたいと考えるママもいれば、いくら得なのかをふまえて扶養から外れようと考えるママもいるかもしれません。夫の扶養から外れようと思ったきっかけをママたちに聞いてみました。


子育てが落ち着いた

「下の子も保育園に入り子育てが落ち着いてきたので、空いた時間を全て仕事に費やそうと思いました。私がフルタイムで働きだした分、夫や子どもたちが家事を手伝ってくれるのでとても助かっています」(40代ママ)

子育てが落ち着いたことから、夫の扶養を外れて仕事をしようと考えるママもいるようです。所得税は扶養の範囲で働くけれど、給付内容を厚くするために社会保険は扶養から外れたというママの声もありました。


収入が必要になった

「パートで扶養の範囲内で働いていましたが、マイホームを購入するにあたり少しでも家計の足しになればと思い、正社員の仕事を探しました。税金の負担は増えるけれど世帯収入は上がるし、仕事も好きなのでこの選択でよかったと思っています」(30代ママ)

マイホームや子どもの進学費用などのために、収入を増やそうと考えるママもいるようです。

収入を増やそうと考えるタイミングは家庭によってさまざまかと思いますが、2018年分から配偶者(特別)控除の対象範囲が広がったようです。

2019年以降の確定申告からはいくら稼げば配偶者控除を受けなくてもプラスになるのかをしっかり考えながら働き方を決められるとよいかもしれません。

扶養内でいくら稼げばよいのかは家庭による

散歩する親子
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夫の扶養の範囲ではいくら稼げるのかやいくらから外れるのかについては、所得税か社会保険かによって金額が違うようです。所得税の扶養でいくら得になるのかは家庭の状況によって変わるため、収入をいくらまでにするとよいのかはママの給与所得や夫の給与をもとに一度計算してみるとよいかもしれません。

いくら稼げばよいのかを確認しつつ、収入や家計の見直しができるとよいですね。


※記事内で使用している参照内容は、2018年12月18日時点で作成した記事になります。

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