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4歳、5歳、6歳が保育園に行くのを嫌がるようになった理由。保護者がとれる対応や心がけていたこと
年齢別の対応と意思を引き出すアプローチ
保育園通いに慣れてきたと思っても、子どもが保育園に行くのを嫌がるようになったということがあるようです。理由や対処法が気になるママもいるのではないでしょう。今回の記事では、生活環境や年齢による違いからくる理由と、保護者ができるアプローチについて見ていきながら、4歳、5歳、6歳の年齢別での対応について、年少から年中、年長の子どもがいるママの体験談を紹介しながら考えます。
保育園に行きたくないと言われたとき
子どもが保育園に行きたくないと嫌がるときに、登園時間や仕事に行く時間が近づいてくると、保護者の気持ちも焦ってしまうかもしれません。
保育園通いが習慣化していると安心していても、ちょっとしたきっかけで登園を嫌がることもあります。保育園に行きたくないと泣く理由がわからず、心配になるという声もあるようです。子どもが保育園に行くのを嫌がるようになったときに、保護者はどうしていたのでしょうか。
保育園に行くのを嫌がるようになった理由
子どもが保育園に行くのを嫌がる理由は、年齢や保育園での状況や生活環境によってさまざまですが、ここでは保護者が体験した理由を紹介します。子どもが保育園通いを嫌がる理由について、保護者はどのように考えていたのでしょうか。
ママと離れたくない
「ママとお家で遊びたい、ママがいないと嫌だといって、保育園に行きたくないと泣くことがありました」(5歳女の子のママ)
「赤ちゃんが生まれたときに、上の子が保育園に行くのを嫌がることがありました。甘えたい時期なのかと心配もしましたが、何日か経つとケロッとして保育園に行くようになりました」(4歳男の子のママ)
「トイレトレーニングをしている最中に、保育園に行くのを嫌がったことがありました。少しプレッシャーをかけてしまったことで、家を出て私と離れるのがストレスになってしまったとうで反省しました」(4歳男の子のママ)
ママと離れるのが寂しくて、保育園に行くのを嫌がるといった理由もあるようです。赤ちゃんが生まれてママが家にいることがわかると、保育園に行かずいっしょに遊びたいと考える場合もあるかもしれませんね。
また、トイレトレーニングなど精神的に負担になることで、親から離れる不安を感じることもあるようです。
休み明けの登園
「連休明けに、子どもに保育園に行きたくないといわれました。お出かけ気分が抜けず、まだまだ遊んでいたいと思ったようです」(6歳女の子のママ)
「風邪で何日か休んだ後、回復したにもかかわらず保育園に行くのを嫌がることがありました」(5歳男の子のママ)
連休などで保育園に行っていない期間が続くと、休み明けも登園を嫌がると感じるママもいるようです。休み明けの最初の1日は嫌がっていても、数日経つと元通りに保育園に行くようになったという声もありました。
お友だちとのトラブル
「遊びの輪にうまく入れずに、保育園に行くのを嫌がることがありました」(4歳女の子のママ)
「前の日に同じクラスのお友だちとケンカしてしまったことが理由で保育園に行きたくないと泣くことがありました。お友だちと仲直りできたら、次の日からは嫌がることなく行けるようになりました」(5歳女の子のママ)
気持ちがうまく伝えられずケンカになってしまうなど、お友だち同士のコミュニケーションが理由の場合もあるかもしれません。トラブル以外にも、年中でクラス替えになったために、仲のよいお友だちや先生と離れてしまい保育園に行くのを嫌がるということもあるようです。
生活環境の変化による影響
「引っ越しをして保育園が変わったときは、子どもが新しい環境に慣れるまで時間がかかりました。特に引っ込み思案な性格だったので、行きたくないと言うことが増えました」(5歳男の子のママ)
生活環境の変化は子どもにとって大きなストレスになることがあります。新しい保育園通いに慣れるまでは、子どもの様子をよく観察し、寄り添うことが大切かもしれません。
【年齢別】保育園に行くのを嫌がるときの対応
子どもが保育園に行きたくないときの保護者の対処法について、4歳、5歳、6歳の年齢別で聞いてみました。
4歳
「保育園にある遊具や遊びなど、楽しい話題をするようにしました。子どもができるようになったことを『先生が褒めてたよ、すごいね!』というと気持ちが前向きになったようでした」(4歳女の子のママ)
「泥んこ遊びが大好きな子だったので、保育園では全身泥まみれで遊べることを話すと、行く気になりました」(4歳女の子のママ)
「教室に入るのを嫌がるときは、入口で10秒間抱っこするというルールを決めていました。抱きしめてゆっくり10秒間数えると、子ども落ち着いて教室に入ることがありました」(4歳男の子のママ)
4歳児は年少から年中にかけての時期で、保育園にも慣れてきたタイミングという子もいるかもしれません。ママと離れるのを寂しがるときは、時間を決めてスキンシップを取るのもよさそうですね。
5歳
「折り紙が好きで家でもよく作っていたので、保育園に行くのを嫌がっていた時期は送り迎えの際に『上手にできた折り紙を先生やお友だちに見せよう』と言葉をかけると、行く気になっていたようでした」(5歳男の子のママ)
「送りの時、嫌がる日は言葉を慎重に選んで、ポジティブな話題をしていました。『今日は先生に昨日つかまえた昆虫を教えてあげたら?』など、子どもの興味があることを話題にして保育園通いのモチベーションになるような言葉をかけました」(5歳男の子のママ)
「新品のワンピースを着させて『かっこいいからお友だちに見せようよ!』と声をかけました。褒められて本人も次第にノリノリになっていました」(5歳女の子のママ)
子どもの好きな洋服や作ったものを見せたいという気持ちは、お友だちに会いに保育園に行こうと思うきっかけになるかもしれませんね。行きたくない理由はあえて聞かず、保育園とは関係のない楽しい話をして気分を紛らわせているというママもいました。
6歳
「6歳になり行きたくないということも減りましたが、少し嫌がるときには『車の中で好きな歌を歌おう』と声をかけ、保育園に行くまでの時間をいっしょに楽しむようにしていました」(6歳男の子のママ)
「6歳になった頃に、自分の仕事について話しました。『大切な仕事をがんばっているから、協力してくれたらうれしいな』と伝えると娘も理解してくれているようでした」(6歳女の子のママ)
「保育園に行く前に、お迎えの時間の約束をして『娘ちゃんが来るのを先生も楽しみにしてるよ』と話しました」(6歳女の子のママ)
「息子の成長を感じていたので、『パパやママもお仕事頑張っているから君の協力が必要だよ』と伝えていると、自分の意思で保育園に行けるようになりました」(6歳男の子のママ)
6歳になると、保育園に行きたくないと泣くことも減ってきたという声がありました。行きたくない理由も言葉で説明できるようになり、対応がしやすくなったと感じた保護者もいるようです。
保護者が心がけていたこと
実際に保護者はどのように登園を嫌がる子どもに対応していたか、心がけていたことについて聞いてみました。
気持ちを受け止める
「体調が悪い場合もあるので、行きたくないと泣くときは理由を聞いて気持ちを受け止めるようにしています。話しているうちに落ち着いて、いざ保育園に着くとケロッとして教室に入って行くこともあります」(5歳男の子のママ)
話を聞いてもらえることで、子どもも安心できるかもしれません。お友だちとケンカしたなど、行きたくない理由が分かると、的確に励ましてあげることもできそうですね。
急かさない
「子どもが保育園に行きたくないと泣くときは、怒って急かさないようにして、できるだけ自分も気持ちに余裕を持つように心がけていました」(4歳女の子のママ)
「親の焦りを子どもが察知すると不安定になるという新聞記事を読んだので、自分もあまり心配しすぎず心に余裕をもって接するようにしていました。登園を嫌がることをあまり気にしないそぶりでいると、次第に言わなくなり今では楽しそうに保育園通いしています」(5歳女の子のママ)
自分自身が焦ることで余裕がなくなってしまい、さらに子どもが泣いてしまったという声もありました。焦っても仕方ないと気持ちを切り替えて、少し様子を見ることも大切かもしれません。
前向きに考える
「年中のクラス替えの後に行きたくないと泣かれましたが、新しいクラスでがんばっている成長の過程なんだと考えていました。次第に保育園のことを楽しく話すようになったので、心配しすぎなくてよかったと思います」(5歳女の子のママ)
「偏食ぎみで好き嫌いが多い息子。保育園の給食の時間がつらいらしく、登園をいやがるようになりました。送りの時に担任の先生に相談すると『好き嫌いがない子はいないよ!先生も子どもの頃ピーマンが大嫌いだったけど今は大好き!』と笑顔で言ってくれたので、息子も気がほぐれた様子でした」(4歳男の子のママ)
いっしょになって不安そうにすると子どもまで不安になってしまうと考えるママもいるようです。成長として前向きにとらえ、保護者や保育士さんなど周囲の大人が笑顔でいられるよう心がけてみるのもよさそうですね。
ママ友とのコミュニケーション
「送りやお迎えの時に、ママ友と情報交換することでクラスでの子どもの様子がよくわかりました。他の子どもたちの状況を知ることで、自分の子どもの行動を客観的に見られるようになりました」(6歳女の子のママ)
「いつもお迎えのときに会うママ友に、行き渋りがあることを相談したら、翌日からお迎えのときにお子さんと一緒に待っててくれて『明日もいっしょに遊ぼうね!』と声かけしてくれるようになりました。引っ込み思案の息子もうれしかったようで、自分の意思で行きたいと言うようになり、本当にありがたかったです」(4歳男の子のママ)
ママ友とのコミュニケーションは、子育ての悩みを共有したり、アドバイスをもらったりするよい機会になるかもしれません。また、登園の送りやお迎えのときなどにお互いの子どもの状況や悩みを相談しあうことで、協力してくれたりアドバイスしあうことにもつながるようです。
保育園通いを習慣化するためのアプローチ
子どもの意思を尊重しながら、保育園通いを楽しい習慣として定着させるためにはどんなアプローチが適切でしょうか。体験した保護者の声を聞いてみました。
トイレトレーニングなど、家庭での生活習慣と保育園での生活をうまく連携させることで、子どもの成長を促すことができるかもしれません。また、保育園での出来事や先生からの言葉を家庭で共有し、子どもの成長を一緒に喜ぶことで、保育園に対する前向きな気持ちを育むことができるでしょう。
クラス担任に相談する
「うちの子は引っ込み思案で、保育園に行くことを嫌がることがありました。ある日、先生に相談してみたところ、『クラスでの様子をもっと見守りながら、彼女が安心できる環境を作りましょう』と言っていただきました。少しずつ、先生が話しかける機会を増やしてくれ、彼女も自分から遊びに加わることができるようになりました」(5歳女の子のママ)
「トイレトレーニングがうまく進まずに苦労していた時期、登園に行き渋りがあったのでクラス担任の先生に相談しました。『精神的に負担がかかっているのかも。いったんトイレトレーニングをお休みして保育園を楽しみましょう』と言っていただき、保育園でも様子を見ながら配慮してもらえました。先生との連携はとても大切だと感じました」(4歳男の子のママ)
環境の変化に柔軟に対応できるよう、子どもの様子をよく観察し、必要に応じて保育園の先生とも相談しながら、適切なサポートを行うことが重要です。保育園通いを通じて、子どもの社会性や自立心が育まれていくことを信じて、長期的な視点で子育てに取り組んでいくことが大切かもしれません。
保育園での楽しい体験を作る
「泥んこ遊びが大好きで、全身泥まみれになって帰ってくることもありましたが、子どもは毎日楽しそうでした。家では難しい遊びができる環境があることで、保育園通いが楽しみになったようです」(4歳男の子のママ)
「保育園では毎日いろいろなアプローチで遊びが展開されていました。うちの子は保育園の先生が準備してくれたユニークな工作や自然の中での泥んこ遊びが大好きでした。特に、自分で作った作品を誇らしげに見せてくれるようになり、保育園通いがとても楽しみになっていました」(5歳男の子のママ)
子どもの好き嫌いや得意不得意といった個性に配慮しながら、保育園での楽しい体験を増やすことで、保育園を「無理していくところ」ではなく「自分の意思で行く楽しい場所」という意識に変えられるとよいかもしれません。子どもの様子や気持ちに寄り添いながら言葉かけをして、行きたくない気持ちを軽減できると保育園通いを習慣化させるアプローチにつながりそうです。
友だちとの関係性を構築する
「引っ込み思案な性格のうちの子は、保育園でお友だちと仲良くなるのがなかなか難しかったです。そこで先生に相談し、『クラス内でのグループ活動で積極的に話しかけていきましょう』というアプローチをしてもらいました。徐々にですが、お友だちとも打ち解けるようになり、保育園が楽しい場所になってきました」(4歳男の子のママ)
「お友だちとのケンカが原因で保育園に行きたくないと言った時期がありましたが、先生に相談して、お友だちと一緒に新しい遊びをする機会を作ってもらいました。それがきっかけで、仲直りもでき、クラスでの関係も良くなりました」(5歳女の子のママ)
保育園での友だちとの関係は、子どもの成長において大切な要素です。先生や保護者と協力しながら、子どもの社会性を育て、友だちとの良好な関係を築くサポートをするようにしていけるようにしましょう。保育園通いが自然と習慣化していくことが期待できそうです。
両親やきょうだいの体験談を聞かせる
「うちの子が保育園に行きたがらない時、兄の保育園通いの体験談を話して聞かせました。『兄ちゃんも最初は嫌がってたけど、だんだん楽しくなって毎日行きたくなったんだよ』と言うと、『僕も頑張る』と言ってくれました」(6歳男の子のママ)
「夫が子どもの頃の泥んこ遊びの体験談を話して『保育園でやった泥遊びは楽しかったんだよ』と聞かせたところ、うちの子もその話に興味を持って、次の日から保育園に行きたがるようになりました」(5歳女の子のママ)
保育園での不安を軽減するために、親やきょうだいの体験を共有することは有効です。家庭の中で前向きな言葉かけをしながら保育園通いを支援し、子どもが安心して保育園生活を楽しめるようサポートしましょう。
ゆっくり寄り添うことも大切に
保育園に行きたくないと泣くときの対応について、4歳、5歳、6歳の年齢別で紹介しました。
登園や送りの際に保育園に行くのを嫌がるようなった子どもの気持ちに寄り添うことは大変かもしれませんが大切なことと言えるでしょう。保護者として、子どもの好き嫌いや引っ込み思案な性格にも対応し、子どもの成長を見守ることができればよいでしょう。
園での生活や家庭に対して不安を感じている場合もあるので、生活環境や保育園での様子を見ながら、焦らずに対応することが大切です。
登園時にはママと離れたくなかったり、お友だちとの関係を気にしていたり、年中に上がってからのクラス替えなど、子どもにとって嫌がる理由はさまざまなようです。子どもの気持ちに寄り添う時間を大切にして、親自身も焦らず前向きな気持ちで過ごせるとよいですね。