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新生児のいる家庭でのテレビのつきあい方。テレビの音やつけっ放しにしてしまうときの対処法
新生児の子どもがいる保護者の中には、生活の中でのテレビの音やつけっ放しにしてしまうことが気になっている方がいるかもしれません。今回は、新生児がいる家庭でテレビを見るときに気をつけていたことや、つけっ放しにしないようにする対策、テレビ以外のコミュニケーションなどについて、乳幼児期の子どもを持つ保護者の体験談を調査してみました。
新生児・乳幼児期に家のテレビはつけていた?
赤ちゃんが生まれたら、テレビを始めとするメディアとのつきあい方をどうすればよいのか、気になるママもいるかもしれません。情報を取り入れ、娯楽としても楽しむ手段でもあるテレビですが、赤ちゃんが新生児の頃、ママたちはテレビをつけていたのか調査してみました。
つけなかった派
「新生児の頃はテレビをほとんどつけていませんでした。赤ちゃんが寝ている時間が多かったので、テレビを消して静かになるように心がけていました」(3カ月の赤ちゃんのママ)
「自分が見たい番組があるときはスマホで配信アプリなどを使用して子どもに見せないようにしていました。なるべく乳幼児期はテレビに頼らない育児をと小児科医の先生が言っていたので」(1歳の赤ちゃんのママ)
テレビ自体を見ないようにしている保護者もいるようですが、赤ちゃんの眠りを妨げないようにしている、赤ちゃんに見せないようにスマートフォンで空き時間に見るといった声も多くありました。近年では配信アプリもあるのであえてテレビをつけないという保護者も多いようです。
つけていた派
「もともとテレビが好きで、普段からテレビをつけっ放しにしていることが多かったです。息子がが生まれた後もなかなかそのくせが直らず、つけっ放しになっていたこともあったと思います」(6カ月の赤ちゃんのママ)
「3歳になる上の子がテレビの教育番組が大好きだったので、幼稚園から帰ると赤ちゃんといっしょに見ていました。番組に合わせて赤ちゃんにお歌を歌ってあげていて、微笑ましい光景なので特に気になりませんでした」(8カ月の赤ちゃんのママ)
生活習慣としてつけっ放しにしていたにしていたという家庭から、テレビを兄弟姉妹のコミュニケーションツールとして使っていたという保護者の声もありました。赤ちゃんがいる家庭でも、テレビとのつきあい方はさまざまなのかもしれませんね。
テレビのつけっ放しが気になった理由
赤ちゃんが生まれた後、テレビのつけっ放しに気をつけようと考えた保護者もいるようです。それぞれ発達や育児への影響についてなど理由はさまざまのようですが、気をつけようと思った理由について調査してみました。
赤ちゃんを静かな環境ですごさせたかった
「産後すごしていた病院やいきつけの小児科医がとても静かだったこともあり、退院後も赤ちゃんを静かな環境ですごすようにしたいと思っていました。テレビの音が聞こえないだけで、家の中がとても静かになりました」(2カ月の赤ちゃんのママ)
赤ちゃんは寝ている時間が長いこともあり、できるだけ静かな環境を整えようと考えていたという声がありました。静かな環境を作れば、保護者自身もリラックスできるようになるかもしれませんね。
出産を機に生活スタイルを見直したため
「夫婦でテレビドラマや映画を観ることが好きで、よく夜中までテレビを見ていました。赤ちゃんが生まれたことをきっかけに、テレビ中心の生活習慣を見直さなければならないと思い、テレビをつけている時間をなるべく減らすように意識しました」(3カ月の赤ちゃんのママ)
出産を機に生活を見直し、その過程でテレビのつけっ放しにも気をつけるようになったというママの声がありました。両親の生活スタイルを見直すことが、赤ちゃんの生活リズムやすごしやすい環境を作りにつながるかもしれませんね。家族のコミュニケーションにもよい影響がありそうです。
テレビが乳幼児の発達に与える影響
テレビの視聴が乳幼児の発達に与える影響については、多くの研究や調査が行われているようです。乳幼児期のテレビ視聴が言語発達や社会性の発達に悪影響を及ぼす可能性があるという噂もあることから、テレビのつけっ放しで親子のコミュニケーションが少なくなってしまえば、乳幼児期の脳の発達に影響を与える可能性も考えられます。
過度のテレビ視聴について、乳幼児期の影響についての研究などもあるようです。また、テレビを見る時間が長いほど、親子の対話が減少することにつながれば、子どもの社会性の発達に悪影響を及ぼす可能性もないとは言えないでしょう。
小児科医などの専門家のなかには、乳幼児期の脳の発達にとって、生身の人との会話を聞いたり実際にコミュニケーションをとることが極めて重要という指摘をする向きもあるようです。
日本小児科学会に所属する「子どもとメディア委員会」のサイトにて、子どもとメディア問題に関する資料を閲覧することができるので、気になった際には確認してみるのもいいかもしれません。
テレビを見る際に気をつけていたこと
テレビを全く見ずにすごすということは難しいことかもしれません。テレビと上手につきあうためにはどうすればよいのでしょうか。気をつけていたことについて保護者に調査しました。
時間を決める
「だらだらとテレビを見るのではなく、今から30分だけにするなど、テレビ見る時間を決めてからテレビをつけていました」(4カ月の赤ちゃんのママ)
「見たい番組や好きな番組を決めて、そのときだけテレビをつけるようにしていました。それだけでなく、赤ちゃんが寝ている時間や、機嫌のよいタイミングで見るという、自分の中でのルールも作りました」(7カ月の赤ちゃんのママ)
テレビがつけっ放しの状態を解消するために、テレビを見る時間を決めるようにするとよいかもしれません。時間を決めてテレビを見るようにすれば、生活にメリハリもつきそうですね。
テレビの音量に気をつける
「大きな音が聞こえると赤ちゃんがびっくりしてしまうかもしれないと考え、テレビの音を大きくしすぎないように気をつけていました」(3カ月の赤ちゃんのママ)
テレビをつけるときでも、音量を大きくしすぎないように気をつけるとよいかもしれません。赤ちゃんの睡眠を邪魔しない程度の大きさがどれぐらいなのか、家族で話し合えるとよいかもしれません。
テレビとの距離をとる
「テレビとの距離をとるため部屋の配置換えをしました。テレビの前に大きな机を置いて、テレビに近づきすぎないように工夫をしました」(2カ月の赤ちゃんのママ)
赤ちゃんがすごす場所とテレビとの距離が近いと、赤ちゃんが画面をじっとみてしまうこともあるかもしれません。テレビとの距離をとるために、部屋の配置を工夫をしてみてはいかがでしょうか。
テレビをつけっ放しにしないための工夫
一度テレビをつけると、つけっ放しになってしまったり、止めるきっかけを見つけられないこともあるかもしれません。つけっ放しにしないための工夫を保護者に調査しました。
ラジオをつける
「音がまったくないのもさみしいので、テレビの代わりにラジオをつけていました。ラジオなら画面を見なくてもよいし、洗濯や料理など家事をしながらでも情報を聴くことができとてもよかったです」(3カ月の赤ちゃんのママ)
他のことをやりながらでも情報を得ることができるのが、ラジオのよいところかもしれません。地元の情報を得ることができるローカル番組や、好きな音楽だけを聞くことができる音楽番組を聞くようにしていたというママの声もありました。
録画する
「どうしても見たい番組があるときは、あとからいつでも見られるように録画をしていました。赤ちゃんが寝ている時間や余裕のあるときに見るようにしていました」(6カ月の赤ちゃんのママ)
つけっ放しにしない工夫として、番組を録画しておくというママの声がありました。録画をすることにより、テレビのことを気にせず赤ちゃんのお世話や家事などに専念することができるかもしれませんね。
ルールを決める
「家族で話し合ってテレビを見るときのルールを決めていました。上の子が見たい番組などもあるので、1日2時間程度とルールを決めました」(3カ月の赤ちゃんのママ)
「我が家ではテレビの内容を吟味するようにしました。ためになるような番組を選んで見られるといいねと、夫婦で話し合いました」(2カ月の赤ちゃんのママ)
テレビを見るときに家族でルールを決めていたという声がありました。内容や時間に関してルールを決めて習慣つけることができると、子どもが大きくなってもテレビを見すぎてしまうということがなくなるかもしれませんね。
テレビに頼る以外の育児アイデア
テレビに頼らない育児の工夫として、親子でのコミュニケーションを大切にすることが挙げられます。絵本の読み聞かせやお散歩など、テレビ以外の活動を取り入れることで、乳幼児の健全な発達を促すことができます。これらの活動は、親子の絆を深める機会にもなります。
乳幼児期の親子のふれあいが、子どもの言語発達や社会性の発達に大きな影響を与えるという研究者もいるようです。ここでは、保護者が行っているテレビ以外の工夫を調査したので参考にしてみましょう。
絵本の読み聞かせ
「息子が新生児の頃から毎晩絵本の読み聞かせをしています。最初は静かに聞いているだけでしたが、今では指さしをしたり、言葉を真似したりするようになりました。親子のコミュニケーションの時間として大切にしています」(1歳6カ月の子どものママ)
絵本の読み聞かせは、語彙力の向上や想像力の発達に効果があります。また、外遊びやごっこ遊びなどを通じて、子どもの運動能力や創造性、問題解決能力を育むことができます。
小児科医のなかには、テレビの視聴時間を制限し、代わりに親子で体を動かしたり、会話を楽しんだりする時間を増やすことが推奨されているようです。こうした刺激は乳幼児期の脳の発達に非常に重要という考え方もあることから、テレビの視聴とは異なる絵本を通じた双方向のコミュニケーションは、子どもの発達によい影響を与える可能性が考えられるでしょう。
話しかける
「娘が生まれてから、家事をしながらでも常に話しかけるようにしています。テレビをつけっ放しにする代わりに、自分の行動を言葉で説明したり、娘の反応に応答したりしています。最近では娘も喃語で返事をするようになりました」(7カ月の赤ちゃんのママ)
乳幼児期の子どもへの話しかけは、言語発達に大きな影響を与えると言われ、親が子どもに頻繁に話しかけることで、子どもの語彙力や言語理解力が向上する可能性があるようです。
また、親子のコミュニケーションを通じて、子どもの社会性も育まれるでしょう。新生児の脳であってもテレビのつけっ放しと実際の人間との対話の違いは分かるかもしれません。このような積み重ねが、将来的な学習能力にも影響を与えることも考えられます。対話や遊びを通じて、言語発達や社会性を育むことも意識してみましょう。
音楽を聴く
「息子が3ヶ月の頃から、テレビの代わりに静かな音楽をかけるようにしています。クラシックや童謡を中心に選んでいますが、息子は音楽を聴くと機嫌がよくなり、特定の曲では体を揺らして楽しむような反応もたまに見られます」(5カ月の赤ちゃんのママ)
音楽は言語発達や感情表現、さらには数学的思考の基礎にも関連があるとされていることから、乳幼児期の音楽体験は、子どもの発達に多面的な影響を与えるという言説もあるようです。
適切な音量と時間で音楽を聴かせることが、子どもの脳の発達を促進する可能性があるだけでなく、親子でいっしょに音楽を楽しむことで、コミュニケーション能力や社会性の発達にも影響するかもしれません。テレビの視聴とは異なり、音楽は背景音として存在しながらも、親子の直接的なやりとりを妨げにくいという利点もあります。
新生児の育児におけるテレビの活用
テレビの視聴が乳幼児の発達に与える影響については議論が分かれる部分もあるようです、うまく活用すれば育児の助けになる可能性もあるでしょう。つけっ放しではなく、育児を意識したテレビ視聴であれば親子のコミュニケーションを促進し、言語発達や社会性の発達にプラスの影響を与える可能性があるかもしれません。テレビと上手につきあえていたという保護者の体験談も調査しました。
育児ストレスの軽減
「息子が生まれてから、育児の合間にニュースを見るようになりました。息子を抱っこしながらテレビを見ることで、社会とのつながりを感じられ、育児ストレスの軽減にもなっています」(9カ月の赤ちゃんのママ)
「好きな映画や推しの出ているドラマを見るのがストレス解消になるので、娘の機嫌のよいときやお昼寝の合間などに見て育児へのパワーをもらっています」(3カ月の赤ちゃんのママ)
新生児の保護者がテレビを適度に視聴することで、精神的な安定を保つことができます。保護者がストレスなく育児と向き合えることで、育児環境の改善にもつながりますね。
教育番組で世界を広げる
「娘が3ヶ月の頃から、短時間の教育番組をいっしょに見ています。色や形、動物の鳴き声などを紹介する内容で、娘の反応を見ながら説明を加えています。最近では画面の動きに合わせて喃語を発するようになりました」(8カ月の赤ちゃんのママ)
「幼児用の英語教育のDVDをもらったので、息子をあやすときはいっしょに見ながら英語の歌を歌っています。言葉だけでなくアニメーションもじっと見ているので英語を覚えてくれるといいなと思っています」(4カ月の赤ちゃんのママ)
教育的番組を親子でいっしょに視聴することで、新たな学びの機会を得ることもできます。親が子どもに番組の内容を説明しながら視聴することで、乳幼児の言語発達や認知能力の向上に寄与する可能性についての研究もなされているようです。
つけっ放しにせずテレビと上手につきあおう
赤ちゃんが生まれた後、テレビの見方に気をつけようと考えた保護者がいるようです。テレビそのものが新生児や乳幼児期の赤ちゃんに直接悪影響をもたらすことは少ないかもしれませんが、テレビをつけっ放しにすることや過度にテレビ視聴に頼ることで、コミュニケーションの低下や保護者の育児意識の低下につながることがあれば要注意と考えてもよいでしょう。
日本小児科学会のサイトや保護者の体験談なども参考にしながら、新生児育児のなかでのテレビとのつきあい方について、家族で見直してみるのもよいかもしれませんね。
新生児がいることをきっかけに、テレビの音の大きさを注意したり、テレビをつけっ放しにしたりすることに気をつけられるかもしれません。時間を決める、録画するなどテレビを見るときのルールを家族で話し合って、テレビと上手につきあう工夫をしていけるとよいでしょう。