こちらの記事も読まれています
【小児科医監修】赤ちゃんの突発性発疹はうつるの?登園基準や発疹症状、ホームケアなど
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
赤ちゃんにとっては、生まれて初めての発熱となることもある突発性発疹。ほとんどの赤ちゃんがかかるという突発性発疹の症状と原因、ホームケア、感染や登園基準についてクローバーこどもクリニック院長、小児科医眞々田容子先生監修のもとご紹介します。
突発性発疹とは
突発性発疹とは、どのような病気でしょうか。症状、原因などについて見ていきましょう。
症状
・38℃~40℃の発熱
・熱が下がった後に全身に発疹
・軟便~下痢
突発性発疹では、38℃~40℃の高熱が3~4日続きます。
熱が下がった後から、お腹や背中を中心に赤い発疹が全身に広がる、高熱と発疹が特徴の病気です。発疹自体にかゆみはないようですが、熱の出だしや発疹の出る前後には全身をむずがゆがったり、不機嫌になったりする様子が見られる赤ちゃんもいます。発熱後、下痢気味になる場合もありますが、熱のわりに食欲があり元気なことも多いようです。
突発性発疹は、自然治癒することが多いですが、まれに熱性けいれんを起こしたり、熱性けいれんから脳症などの合併症を引き起こす場合があるので、注意が必要です。
原因
突発性発疹は、「ヒトヘルペスウイルス6B」、「ヒトヘルペスウイルス7」が原因で起こる感染症です。ウイルスの種類が6型、7型とあるため、1度感染しても再度うつる可能性があります。
突発性発疹のウイルスはどのようなことが原因で感染するのでしょうか。突発性発疹の潜伏期間やかかりやすい年齢、感染経路など詳しく見ていきましょう。
突発性発疹の感染
子どもが突発性発疹にかかると、自分にもうつるのではないかと心配なママやパパもいるかもしれません。しかし突発性発疹のウイルスに大人が感染しても発症することは、まずありません。一方、身近な大人が媒介し、突発性発疹のウイルスを赤ちゃんに感染させてしまうことはあります。
潜伏期間
突発性発疹のウイルスの潜伏期間は、10~14日間程度です。
免疫が十分な場合など、ウイルスに感染しても突発性発疹の症状が出ないケースや、感染に気づかないケースもあります。
かかりやすい年齢
突発性発疹の患者の99%が0~1歳の赤ちゃんです。
生後6ヶ月前後は6型、1歳以降になると、7型に感染することがほとんどです。0歳から2歳までの赤ちゃんがうつることが多い病気ですが、3歳を過ぎてからかかる子どももいます。
感染経路
突発性発疹ウイルスの明確な感染経路は分かってはいませんが、家族などの身近な人からの唾液を介してうつる可能性が高いと言われています。
専門家はこのように述べています。
“
突発性発疹は突発性発疹になったことのある人の唾液などから感染します。ほとんどの成人は突発性発疹になったことがあると考えられ、母親から感染することが多いといわれています。
出典: AskDoctors
突発性発疹の患者の赤ちゃんが保育園に通っている場合、どのくらいお休みをしないといけないのでしょうか。
登園の目安
突発性発疹は、保育所における感染症対策ガイドラインによると、「解熱後1日以上経過し、全身状態がよければ登園可」とあります。周囲にうつる病気ですが、インフルエンザなどと比べると感染力は弱く、発疹がでたときにはウイルスはほぼ減少し、感染力も低下している場合が多いです。
しかし、感染症のため保育園や幼稚園での集団感染園を広げないように、園によっては登園許可証の提出を求めるところもあります。
治療法と予防法
突発性発疹の予防法は免疫力を高めるくらいしかなく、ワクチンなどもありません。
また突発性発疹に特化した治療法もありません。突発性発疹を発症したら赤ちゃんが熱で不機嫌なときには解熱剤を使ったり、下痢が続いて苦しそうなときには下痢止めを使用するなど、症状に対応した対処法で治療します。
突発性発疹のホームケア
突発性発疹に感染したときに、家庭でできるケア方法をご紹介します。
こまめな水分補給を心がける
突発性発疹では高熱が出ることが多く、熱が出ると汗をいつも以上にかきます。赤ちゃんが感染、発症する初めての病気という場合、ママやパパが意識して脱水症状にならないようにこまめな水分補給を心がけることが大切です。
安静にする
突発性発疹に感染しても、赤ちゃんの症状が重くないと、外出させても大丈夫なように見えてしまうかもしれません。しかし、完治するまでは家で安静にし、ゆっくり経過をみるようにしましょう。
赤ちゃんにじっくりかかわる
突発性発疹にかかると、赤ちゃんが不機嫌になり、泣きが止まらなかったり、ずっとぐずっていることがあります。赤ちゃんも初めての体調不良の場合、不安なのかもしれません。好きなおもちゃでたくさん遊ばせたり、抱っこをして機嫌がよくなるのであれば、なるべく長く抱っこをしてあげるなど、赤ちゃんにじっくり向き合ってあげるようにしましょう。
赤ちゃんが安心できるようなケアを
突発性発疹は、0歳~2歳の赤ちゃんがかかりやすい病気です。
突然、不機嫌になりぐずったり、高熱や発疹が出たりするとママやパパは心配になるかもしれません。また、突発性発疹に特化した治療法がないため、正しいホームケアで安静することが早く治すための近道です。
突発性発疹には、これといった予防法がなく、またウイルス性の周囲にうつる病気です。発症後の登園には、感染を広げないために法律で決められた登園停止の規定があります。また医師の指示、通っている園の方針に従うことが大切です。
突発性発疹で、赤ちゃんが不機嫌でも、症状が落ち着いてくると機嫌も少しづつよくなってくるでしょう。ママやパパがゆっくり丁寧にかかわってあげることで赤ちゃんも安心できるとよいですね。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
子どもの病気に関する不安や悩みは、医師の回答で今すぐ解決!
「子どもが頭を打った」「外食して2時間後にじんましんが出た」など、子どもの病気や気になる症状について医師に相談できるのが、日本最大級の医師Q&Aサイト「アスクドクターズ」です。
最短5分で複数の医師から回答がもらえるだけでなく、200万件以上の相談事例を症状や病名から検索することもできます。
かかりつけ医とともに、子育て中のママやパパの頼もしい味方になってくれそうですね。