「サッカーは男の子のスポーツ」って誰が決めた?永里優季選手【Play Unstoppable】
子どもが遊ぶおもちゃの世界では、性別によって対象を絞ることのない商品や宣伝方法が増えています。そんなおもちゃの「ジェンダーインクルーシブ」(性別を理由に誰かを排除をしないこと)を先導するレゴグループが、子どもたちの無限の可能性を応援するキャンペーン「Play Unstoppable」を開始しました。今回、日本人女性として初めてミニフィギュアのモデルに起用された女子サッカー選手・永里優季選手とレゴジャパン株式会社の担当者による会見を取材しました。
アメリカでは今やサッカーが女の子のスポーツに
子どもたちが性別の境界線を問わずに遊ぶことのできる、無限の可能性のためにレゴグループが立ち上げた「Play Unstoppable(遊びは誰にも止められない)」キャンペーン。
この取り組みは、これまでレゴグループが行ってきた調査に基づくものです。2021年の調査によると、活動や遊びには女の子に適したものと男の子に適したものがある、と考える女の子が62%、男の子が74%いるという結果が出ています。過半数を超える子どもたちが、遊びや活動には性別による制限があると考えているのです。
中でもサッカーは、性別による固定観念のかかったスポーツのひとつとされています。今回の会見に登場した永里優季さんは、キャンペーンの理念を体現するサッカー選手です。
永里さんは日本人で初めて男性のチームでプレイした経験を持つ選手です。またサッカーでの挑戦のみならず、バンドに所属してドラムにも挑戦中。性別や経験を問わず、ご自身の興味関心に基づきさまざまな領域で挑戦を続けています。
永里さんは、サッカーを続ける中で感じたジェンダーのバイアスについて語りました。
「私が子どもの頃はまさに男の子のスポーツでした。男の子のチームにいたので、女の子がひとりいるだけでいじられたり、変な目で見られたりするということはありました」
「現在は女の子のスポーツとしても変わってきています。特にアメリカに住んでいるとむしろ、女性が楽しむスポーツ=サッカー、という認識まであるくらい。私が日本でサッカーを始めた30年前に比べると変化は大きいと思います」
アメリカで活躍する中で、性別を理由に誰かを排除をしない「ジェンダーインクルーシブ」の考え方の日本との違いも語っています。
「最近だと男性のチームに女性監督が付くケースも増えています。高校生までなら女性が男性のクラブに入ってプレイできる能力が身につき、それをお互いが自然に受け入れるようにもなってきています。ジェンダーではなく能力で見る、ということをアメリカでは感じます」
日本でジェンダーバイアスで苦しむ子どもたちに対してのメッセージも。
「筋力では敵わなくても、人間としてお互いが尊敬しあって同じチームの一員として認め合えれば男女は関係ないということを、男性のチームでプロとしてプレイする中で学びました。男性のチームの中でプレイすることを10年以上前から願っていて、その夢が実現する機会が実際に与えられたことはすごく大きかった。自分自身の力だけでは叶わなかったけれど、強い意志を持ち続けていれば助けてくれる人が現れます。自分のやってみたいことを明確にすることで、新しい世界が広がるし自分自身が輝ける場所が見つかると思います」
日本人女性として初めてミニフィギュアのモデルに起用
そんな永里さんは、今回のキャンペーンの一環として2023年6月6日に発売されるミニフィギュアの新しいセット「レゴ®フィールドのヒーローたち」でモデルの一人として起用されています。日本人女性がミニフィギュアのモデルとして選ばれるのはこれが初。
その事実を「ここで初めて知った」と笑いながらも、「日本人女性として初めてということを抜きにしても、子どもの頃から遊んでいるレゴ®ブロックに自分がキャラとして採用されることにまだ実感が湧きません。でも歴史の長い会社のフィギアに選んでもらったことは、自分の人生にとって大きな一つの出来事になると思います」と語りました。
元アメリカ女子代表キャプテンのミーガン・ラピノー、世界的ストライカーのサム・カー、世界的スーパースターのアシサット・オショアラ、そして男子チームでのプレイ経験を持ち現在はNWSL シカゴ・レッドスターズ所属の永里優季の4人がミニフィギュアとなって登場します。
子どもたちの挑戦を支えるレゴグループの試みにぜひご注目ください。
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