【調査】出産クーポン10万円、ママたちのリアルな感想は?

【調査】出産クーポン10万円、ママたちのリアルな感想は?

2022.12.14

2023年1月より子育て支援策のひとつとして国が実施する「出産クーポン」。10万円のクーポンが支給されることを、世のママたちはどう捉えているのかを知るために、KIDSNA STYLEでは独自のアンケートを実施。クーポン配布は少子化対策に有効な一手となるのか。ママたちの率直な感想から使い道まで、リアルな声をお届けする。

子育て支援策の一環として、2023年1月移行に誕生する子ども一人あたり10万円分の出産クーポンを配布する事業が実施されることが発表され、ネットではさまざまな意見がとびかっていますが、子育て世帯のママたちはどのように捉えているのだろうか。

そこで、KIDSNA STYLEでは「子育てクーポン」に対するアンケートを158名のママたちに実施。リアルなママたちの声をご紹介する。

「出産クーポンがあっても出産しようと思わない」8割以上

質問

まず、「出産クーポンがあることで出産しようと思いますか?」という質問では、

はい 18%

いいえ 82%

と、8割以上の保護者が出産しようとは思わないことが分かった。

また、「出産クーポン10万円をもらったら何に使いたいですか?」という質問では、

 
 

おむつ代、離乳食代ですぐ消えます

 
 

子どもに必要なベビーカーなどの高い買い物

といった回答が目立ち、とくに、おむつ、おしり拭きなど消耗品にあてるという声が圧倒的だった。

そのほかにも、ベビーカーやおもちゃなど、子どものために必要な高額商品に使いたいという意見も目立った。

次いで多かった意見は「食費、生活費」。一度きりの10万円では、日々の生活費必需品を買うだけで一瞬で消えていくことを実感しているようだ。また、「クーポンではなく、現金でほしい」という切実な声もあった。

その他の意見としては、「インフルエンザ予防接種(子ども人数×2回×数千円)など」「家電を揃えたい」「子どもの通帳に貯金するかも」「出産費用」といった声もあり、一部だが「産後ケアに使いたい」「親の食事が簡単に作れるミールキット」といった親自身のケアに使いたいという声もあった。

とくに出産直後は、すぐにはいつもどおりの生活は送れないため、通常時より出費がかさむ。子どもの必需品や生活費に使うという声が多勢だったことからも、10万円はもらえたらうれしいが、とくに生活にも出産の有無にも大きな変化をもたらす額ではなないことが分かる。

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出産クーポンへの感想は…「そこじゃない」

次に、クーポンへの率直な感想について。もっとも多かったのは、

 
 

10万もらっただけで子どもを増やそうとは思わない

 
 

10万で産もうと思うほど楽じゃない、100万でも考える

など、「10万で産もうとは思えない」という厳しい意見。

「出産」とついているだけに、「この程度の金額では、子どもを産み育てる、足しにはならない」という意見が多い。

 
 

出産より教育費のほうがお金がかかります。継続的な支援を期待します。

 
 

クーポンより、世の中の仕事のあり方を変えてほしい。職種が違うと夫婦の時間が少ない。

といった建設的な意見や、「ワーママの苦労のリアルを知るべき」といった世の中の仕組みの変革を願う声も複数あった。

ママたちが「産んでもいい」と思える施策は教育の無償化

出産クーポンに対するママの反応は?
※写真はイメージ(iStock.com/kuppa_rock)

では最後に、「どんな政策・施策なら“出産してもいい”と思えますか?」という質問の回答を紹介する。もっとも多かったのは学費など子どもにかかる「教育資金の無償化」という意見。

 
 

年収制限なくみんなが教育を無償で受けられるようになってほしい

 
 

学費無料。みんな生まれてすぐから学費のこと考えますよね

とくに「大学までの費用無償化」という意見が圧倒的で、多くの保護者は、教育の機会均等化が保証されることを求めていた。

当然、教育の前段階、妊娠、出産にかかる医療費などの無償化を望む声も。

 
 

不妊治療、妊娠中の医療費無料にしてほしい

 
 

検診以外にも通院、入院費、出産費用無償化

「未就園児も保育料無償化」という意見もあり、女性が産後仕事復帰しやすい社会を作る必要もあるだろう。

また、児童手当や出産一時金など、育児手当の増額を望む声も多かった。

 
 

所得制限なしの子ども手当、または年少扶養手当の復活

 
 

出産後毎月10万の手当

 
 

産後無条件で誰でも1年半は毎月生活できる金額を支給

中には「ひとり産んだら1000万配る」「1人産むごとに1000万、3人目以降は2000万」など、「1000万」という金額をあげる声が複数あった。

実現可能性はさておき、これほどの金額的インパクトがなければ、第二子、第三子の出産に踏み切ろうとは思えないほど、子育てにかかる資金問題はシビアなのである。

また、金銭的な負担の軽減だけでなく、子育てしながらでも働きやすい社会への改革を望む声も多かった。

少子化対策とワーママ
※写真はイメージ(iStock.com/kohei_hara)
 
 

フランスのように国ぐるみで親と子どもと保育者を支える仕組みと考え方

 
 

育児期間の有給増加やフレックスタイム、代替職員の派遣など各企業で休みをとりやすい環境づくり

 
 

保育施設の充実、男性の育休取得強制、親の働きやすさへの法整備

 
 

もう少し妊娠、出産、育児、仕事復帰に優しい世の中に

今回のアンケートで得られた、妊娠、出産にまつわる医療費の無償化、学費の無償化、男性育休や多様な働き方が認められるよう法整備など、育児しやすい世の中を望む切実な声の数々。

子どもを成人まで育て上げるには、ベースとして約2000万必要と言われている中で、金銭的負担の軽減はもちろんだが、実際に産み育てる女性たちのリアルな声に耳を傾けることが少子化問題解消への第一歩と言えるだろう。


【調査概要】

・対象:KIDSNA STYLE読者へアンケート調査を実施

・調査期間:2022年12月

・回答数:158人

2022.12.14

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