災害時に活躍する車が大集合したのりもの絵本の最新刊が発売中
人を助ける車の紹介だけでなく、車といっしょに働く人々の姿も細かく丁寧に描く、小さな子どもたちが震災について考えるきっかけとなる1冊
「偕成社」から、絵本「さいがいで かつやくする くるま」が発売中。今作は、はたらく車の絵本のシリーズ「まえとうしろ どんなくるま?」の4作目となる。
大きな特徴は、シリーズ名の通り、車が「前面」「後面」「横面」の3つの視点から描かれ、全体をじっくり見られるということ。「まえと うしろ どんなくるま?」というフレーズで前面・後面を見せ、ページをめくると横面があらわれ、車の名前や細かい特長、働く人たちの様子がわかる、明快な構成となっている。
今年は東日本大震災から10年を迎える節目の年。「3.11」を経験していない小さな子どもたちにも、また災害がふりかかる日が来るかもしれない。
今作では、災害時に大活躍する車を紹介。陸でも水の中でも活動できる車や、渡れなくなった川に橋をかける車などのメインの車のほか、いっしょに活動する車、バイク、ヘリコプターなど、災害が起きたときに大活躍するそれぞれの車の特徴をわかりやすく示す。
また、実際にその車に乗って活動されている方々へ取材し、車といっしょに働く人々の姿も細かく丁寧に描写。車とともに、子どもたちのヒーローでもある働く人の姿を描くことで、よりその車の特徴を引き出し、リアリティをもって伝える。
「かっこいい!」と楽しく眺める絵本の中の車や人々の存在は、来たる時の心の支え・知識にもつながり、これからを生きる子どもたちに届けたい1冊となっている。
節目を迎える今年、「はたらく車」という観点から、子どもといっしょに災害について改めて考えてみては。
さいがいで かつやくする くるま
作/こわせ もりやす
偕成社刊 1,320円(税込)
問い合わせ先/偕成社