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子どもが食事に集中しない、集中できない場合の原因と対処法
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幼児教育研究家
幼児教育研究家
英語プリスクール「リリパット・リトルキンダー」経営者、「日本・欧米いいとこどり育児」を提唱する幼児教育研究家。経営者としての視点と教育者としての視点から、子ども達が生きる未来の社会を見据えて教育に取り組んでいます。 保育士、英語教師資格保有。
家族の楽しい食事の際に子どもが集中しない、という経験はあるのではないでしょうか。集中できない場合の原因や対処法などを子ども教育評論家の平川裕貴さんに伺ってみました。
楽しい食事の時間。お母さんは子どもの栄養を考えて、一生懸命作りますね。子どもが嫌いなお野菜も、なんとか食べさせようと、あの手この手の工夫もしていることでしょう。
おいしそうな彩にして、かわいい食器も用意しているのに、子どもはちっとも食事に集中してくれない。ダラダラして、なかなか終わらない。終わらないから、片づかない。こんな悩みの相談を、筆者もよく受けます。
このような場合、どのようにしたらよいのでしょうか。
食事に集中しやすくなるためにできる方法
まず、普段からできる筆者のおすすめの方法をご紹介します。
お食事セットを用意
子ども用のお食事セットを用意しておきます。籠にスプーン、ナイフ、お箸、ランチョンマットなどを入れて置き、食事のときにはそれを自分でテーブルに運ばせ並べさせます。
食べる量を子どもに決めさせる
ご飯やおかずを取り分けるときに、子どもに「どれくらい食べられる?」と確認します。自分で食べる量を決めさせるのです。このときお約束として、入れたものは全部食べること。ですから、少なめにしておく方がいいでしょう。
食事の時間を決める
食事の時間は決めておきます。ダラダラして食べ切れていない時でも、時間が来たら片づけます。ただし、せかせか食べさせるのではなく、余裕をもって楽しく食べられるようにはしてくださいね。
食事、おやつの時間以外は食べない
食事の時間が終わったら、「お腹が空いた」と言っても食べ物はもう与えません。このとき、仮にお菓子などを与えてしまったりすると、お菓子欲しさにご飯を食べなくなりますから禁物ですよ。(朝食や昼食後の場合は、おやつの時間まで待たせます)どうしてもというときは暖かいミルクでも少し飲ませるといいでしょう。
お片づけはきちんと
食べ終わったら、自分で食器を流しまで運ばせて終了です。
これは、食べるという行為そのものだけでなく、準備や片づけにまで参加意識を持たせるということです。お子さんの年齢も関係しますが、料理を手伝わせると、なお効果的です。余裕のあるときにはぜひ子どもといっしょに料理をしてみてください。
ただ、出されたものを「しっかり食べなさい!」とか「黙って食べなさい!」と言われるよりは、食事そのものに興味を持ち集中できるのではないでしょうか。
食事に集中しない、集中できない原因と対処法は?
とは言っても、家庭の事情によっては、この記事ですすめられた方法はなかなか難しいということもありますね。
そこで、食事に集中しない、集中できない原因と対処法を考えてみましょう。
周りの環境に気が散る
まずは周りの環境をチェックしてみましょう。テレビを見ながら食べさせていませんか? 子どもはテレビからの音や映像に興味を引かれているのかもしれません。食事に集中できるようにテレビを消しましょう。
食事の前にしていたことが気になる
食事の前にしていた遊びなどに、まだ気持ちが残っていませんか?特に途中で止めざるを得なかったゲームや作りかけていたおもちゃがあると、それが気になってしまいます。ですから、食事の前に遊んでいたら、その遊びがキリよく終わるように、「あと少しでご飯よ」と声をかけてあげましょう。そうして、思い残すことがないようにして食卓に向かわせましょう。
お腹が空いていない
それでも、ウロウロするという場合は、お腹がすいていないのかもしれません。食事の前に十分身体を動かしてお腹が空いていれば、ご飯も食べるはず。
運動量が足りていないと言うことはありませんか?身体を動かす活動をどんどん取り入れてみましょう。
そもそも食べること自体に興味がない
食の細い子など、生まれつきあまり食べることに興味を示さない子もいます。もし、そのために虚弱体質だということでなく、元気に動き回っているなら、食べさせることにあまり神経質にならず、すぐに食べ終えるような量や内容にして、とりあえず食べている間は座るということを徹底させていきましょう。
身体が成長していけば、身体が栄養を欲しますから落ち着いて食べるようになるでしょう。
食事に集中できるように
体調が悪いとか、嫌なことがあったとかで一時的に食事に集中しないような場合は問題ありませんが、いつも集中できないということであれば、いろいろ試してみてくださいね。
きちんと集中して食べるというのは、マナーの問題だけでなく、栄養摂取という点でもとても大切なことですから。
執筆:平川裕貴
元日本航空CA。外資系英語スクールマネージャーを経て、1988年子ども英語スクールを開校。現在、英語プリスクールで、3歳から6歳までの子ども達を、幅広い視野と思いやりを持ったバイリンガルに育てている。また、スクール経営の傍ら、長年欧米文化に触れてきた経験から、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱する幼児教育研究家として活動。フジテレビ『ホンマでっか!?TV』 に子ども教育評論家として出演。著書に『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』(彩図社)『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』(彩図社)『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』(アマゾン)