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子どもが買い物先でぐずる。そんな場合の対処法と心構えについて
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幼児教育研究家
幼児教育研究家
英語プリスクール「リリパット・リトルキンダー」経営者、「日本・欧米いいとこどり育児」を提唱する幼児教育研究家。経営者としての視点と教育者としての視点から、子ども達が生きる未来の社会を見据えて教育に取り組んでいます。 保育士、英語教師資格保有。
買い物先で子どもがぐずる、大泣き、地べた泣きしている姿を見たり、経験したことがあるのではないでしょうか。そんなときに、どのように対処したらよいのか、またどう心構えをして接するのがよいのかなかなか分からないですよね。今回は買い物先などで子どもがぐずる場合の対処法や心構えについて、子ども教育評論家の平川裕貴さんに伺いました。
幼児期の子どもを買い物に連れて行くと、お菓子やおもちゃを欲しがってぐずる。
なんて、よく見る光景なのではないでしょうか。中には、大声で地べた泣きなんてことも。そんなときに、暖かい気持ちで見てくれている人もいるのでしょうけど、迷惑をかけているのでは、と不安になりますよね。お母さんとしては、きっと穴があったら入りたい心境でしょう。
とは言え、周りに穴などないから、とりあえず大声で「ダメでしょ!」と怒鳴ってみる。すると、ますます大泣きする。こんな困った状態、いったいどうしたらよいのでしょう。
おすすめの対処法は?
外に出る
ぐずり始めたらたらすぐに、子どもを連れて外に出ましょう。地べた泣きしてしまったときも、抱えて外へ出ます。そして、周りの迷惑にならないところで、しばらく子どもを抱いたり手を握ったりして落ち着かせます。
子どもがぐずったり、ゴネているときは、怒鳴ったり叱ったりしても何の効果もありません。怒鳴る方も「骨折り損のくたびれ儲け」ですから、とりあえず黙って抱えているだけ。その間に、イライラしてしまったお母さんの気持ちも静めましょう。
子どもが泣き止んで落ち着いてきたら、会話を始めます。
欲しい理由を聞く
筆者のおすすめは、いきなり「今日は買わない!」と言うのではなく、「どうしてあのおもちゃが欲しいの?」と聞いてあげることです。子どもにも、あのおもちゃが欲しかった理由があるかもしれません。
たとえば、「だって、○○君が持っていて貸してくれないんだもん」なんて理由が。
どんな理由であっても、「欲しい!」という気持ちに変わりありませんから、「そうか、それで欲しかったんだね」と共感してあげましょう。そして、そのあと、「でもね、今日は買えないよ」と続けるのです。
買えない理由はいろいろあるでしょう。高いものなら「今日はお母さんお金持ってきてないし、すぐには買えないよ。本当にあれが欲しいなら、欲しいお菓子をちょっとだけ我慢して今日から二人で貯金しよう」もありだし、お誕生日などのお祝いのプレゼントに約束してもいいですね。
安いお菓子なら、「お菓子はおうちにあるでしょ。今あるお菓子がなくなったらね」や、「今日は買うものはもう決めてきているから、次の買い物のリストに入れよう」と伝えてみてはいかがでしょうか。
事前にできる予防策
でも、できれば、こういう事態が起こらない方がいいですよね。そのために予防策を講じておきましょう。
たとえば、買い物リストを子どもといっしょに作って、「今日買うのはこれだけ!」と最初に話しておきましょう。
事情が許せば、子どもにもそのリストに書いたものを探させ、カゴに入れてもらうといいでしょう。そうすると、子どももお母さんのお手伝いをしている気になりますし、退屈しません。ただし、その場合は、周りの迷惑にならないように気をつけ、子どもに触らせてもいい商品だけにしてくださいね。
それができない場合でも、スーパーやショッピングモールに入る前に「今日は何も買わないよ。お約束ね」と伝えておきましょう。
お母さんの心構えとは
子どもの脳はまだ未熟なので、自分の欲望を伝えるのにぐずるという方法しか思い浮かばないのです。一番ダメなのは、子どもがぐずったときに、諦めて買ってしまうことです。そうすると、その後子どもはずっとぐずるという手を使います。ときには親子での我慢比べになってしまうかもしれませんね。でも諦めないでください。大切なのは、ぐずるという方法が有効ではないと教えることだと思います。
執筆:平川裕貴
元日本航空CA。外資系英語スクールマネージャーを経て、1988年子ども英語スクールを開校。現在、英語プリスクールで、3歳から6歳までの子ども達を、幅広い視野と思いやりを持ったバイリンガルに育てている。また、スクール経営の傍ら、長年欧米文化に触れてきた経験から、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱する幼児教育研究家として活動。フジテレビ『ホンマでっか!?TV』 に子ども教育評論家として出演。著書に『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』(彩図社)『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』(彩図社)『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』(アマゾン)