たくましさや自信を身に着ける、子どもが本当の意味で成長するための「良い頑張り方」

たくましさや自信を身に着ける、子どもが本当の意味で成長するための「良い頑張り方」

2017.05.16

Profile

吉村直記

吉村直記

社会福祉法人みずものがたり 理事/おへそグループ統括園長

社会福祉法人みずものがたり 理事・おへそグループ統括園長。 1985年8月11日佐賀県生まれ。5歳の時交通事故で父を亡くし、母に兄弟3人の真ん中として女手一つで育てられる。ロータリー財団の親善大使として派遣されメキシコ合衆国へ一年間留学。大学在学中に幼児教育に興味を持ち、関東の保育コンサルティング会社に入社。1年半で50件以上の保育園の立ち上げや運営に関わりながら乳幼児教育を学ぶ。 25歳でおへそ保育園園長に就任。現在、0歳~12歳までの子どもたち、障害を持つ子どもたちが共存する“おへそグループ” を統括。執筆・講演活動、また、一男一女の父として子育てにも奮闘中。

みなさんは子どもの「頑張り」を意識したことがあるでしょうか。いつも全力の子どもたち、その頑張りはどこに向かっているのでしょうか?おへそ保育園園長の吉村直記さんによる今回の記事では、子どもが本当の意味で成長するための、幼児期の子どもの「頑張り」について考えていただきました。

執筆:吉村直記

1985年8月11日佐賀市生まれ。
社会福祉法人みずものがたり 理事
小規模認可園「おへそ保育園」・幼保連携型認定こども園「おへそこども園」・放課後学童クラブ「おへそ学道場」 統括園長。

自ら考え、学び、行動し、情熱を持って社会に貢献できる人づくりを日々研究している。
執筆、講演活動、空手指導、また、一男一女の父として子育てにも奮闘中。

子どもはいつも頑張っています

子どもたちはいつも全力です。

いつも全力で笑って、全力で泣いて、全力で怒って、気が付いたら、全力で寝ています。その姿が私は大好きです。純粋な心でいつも100%。

「子どもたちほど1日に100%の力を注げたかなぁ」と自分の一日を振り返ったときに、子どもには勝てていないなといつも反省します。

それでも大人は時に、子どもたちにまだまだ頑張りを求めます。もっともっとを求めます。

勉強ができる子になってほしい、運動もできてほしい、挨拶も、もう少し大人しく、もう少し元気に・・・親の願いに際限はありません。

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私からすれば、子どもはいつも頑張っています。

泣いて泣いてお母さんから離れて、保育園に頑張って来た子もそれだけで素晴らしい。恥ずかしくてできない挨拶が、ぼそぼそと口が動いただけで素晴らしい。

大人からすれば「もっと頑張りなさいよ」と思うかもしれないけど、その一ミリの成長に子どもは全力投球しているのです。

本来、言葉をかけてあげるのであれば「よく頑張ったね、素晴らしいね」なんだと思うのです。

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子どもたちの今日の「頑張り」はどこに向かっていたのか?

大人が求めれば不思議と子どもはどこまでも応えようとします。幼児期は特に、こちらの要求に必死に努力するように思います。

しかし、学童期になって、自分の意思を伝えることができるようになると、必死に習い事をしているように見えても、やらされている子は「お母さんが言うからやっているだけ」と言い出すようになります。

もし、子どもの「頑張り」が誰かに気に入られるために、多くの時間を費やしているのであれば、さぞ苦しいでしょう。

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もしかすると、目の前の子どもたちは、認められたい一心で、「いい子」を必死に演じてしまっているのかもしれません。

幼児期に必要なことは、自分の好きなことを腹一杯、くたくたになるまでできることに向かうことではないかと思うのです。

将来、子どもたちが幸せになることを望むのであれば、必死に苦しみを耐える能力よりも、自分の好きなことに全力を注げる能力をつけさせたいと私は思うのです。

子どもたちの今日の「頑張り」がどこに向かっていたか、少し考えてもらえれば幸いです。

子どもたちの今日の「頑張り」はどこに向かっていましたか?先生に気に入られることですか。お母さんに気に入られることですか。

それでも、子どもにも必要な頑張りもある

「今日は空手に行きたくないよ」

5歳から習っていた空手に行きたくなくって、母親に訴えたことがありました。

鬼の形相で「あなたが決めたことでしょう!」と一喝されて、泣いている私を引きずって道場まで連れて行かれたことがありました。

後に話を聞くと、「この場所にはあなたを成長させる何ががあると思ったから、引きずってでも行かせようとしたのよ」ということでした。

今となってもその時の印象が強く心に残っています。そして、そこで辞めさせなかった母にとても感謝しています。

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そこまでする必要なはないと思いますが(笑)、例えば「保育園行きたくないよ!!」「そうか、じゃあ今日はお休みしましょう」ということだけでは子どもは育ちません。

生まれてからお母さんの愛情たっぷりの環境で育った家から、いきなり、遊びを邪魔したり、ちょっかいを出してきたりする集団の中に入らなければいけないのですから、子どもからすれば「いやだ!!」と言うのは自然なことかもしれません。

しかし、子どもたちは保育園という場所で「楽しい」を見つける能力を成長させています。「お母さんと一緒に過ごす以外にも世の中にはこんな楽しいことがあるんだ」と学ぶ時間なのです。

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それが社会を学ぶ、自立に向かう、ということですから、やはり子どもにも避けては通れない、頑張らなければいけない課題も時に訪れます。

そういうことを乗越え、子どもたちはたくましい心を身に着けていきます。人の期待ではなく、自分の成長に対する頑張りは、達成感とともに自信を育てていきます。


執筆:吉村直記

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吉村直記

吉村直記

社会福祉法人みずものがたり 理事・おへそグループ統括園長。 1985年8月11日佐賀県生まれ。5歳の時交通事故で父を亡くし、母に兄弟3人の真ん中として女手一つで育てられる。ロータリー財団の親善大使として派遣されメキシコ合衆国へ一年間留学。大学在学中に幼児教育に興味を持ち、関東の保育コンサルティング会社に入社。1年半で50件以上の保育園の立ち上げや運営に関わりながら乳幼児教育を学ぶ。 25歳でおへそ保育園園長に就任。現在、0歳~12歳までの子どもたち、障害を持つ子どもたちが共存する“おへそグループ” を統括。執筆・講演活動、また、一男一女の父として子育てにも奮闘中。

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