【高尾美穂先生に聞く】不妊治療の結末は三者三様。どこにゴールを置くべきか

【高尾美穂先生に聞く】不妊治療の結末は三者三様。どこにゴールを置くべきか

不妊治療の結末は誰にも予想ができず、努力をしたからといって必ずしも望んでいた結果が得られるわけではない。「だからこそ、ゴールをどこに置くのかが重要」と産婦人科医の高尾美穂先生は話す。パートナーと同じゴールに向かって協力することが必要不可欠だが、不妊治療のゴールとはどのように設定するのがよいのだろうか

高尾美穂
001

これは不妊治療の開始時の不安に関する資料。治療の結果本当に妊娠できるか、仕事と両立できるかなど、様々な不安を抱えながら治療に望むことが窺い知れる。

自然妊娠は叶わずに不妊治療を受けるパートナーは多いが、実は、妊娠しやすいタイミングを誤解している人は多い。

まずは排卵日を正しく理解すること。そして、排卵予定日に性交渉を行うのではなく、約7日間の生理期間が終わってから排卵予定日までの次の約7日間に、2日か3日おきに性交渉を行うこと。このタイミングを知ったうえで、時間的にもメンタル的にも余裕のある生活環境に変えることから始めてほしいと、高尾先生は話す。

高尾美穂先生
学業や仕事など、これまでの人生では、努力したら結果というご褒美がもらえる経験をしてきた人もいるでしょう。しかし、妊娠できるかできないか、どんな子どもを授かるのか、どんな分娩方法になるのか。こういった部分は頑張っても報われないこともあるんですね……。
妊娠・出産にかかわることは、努力したからといって、誰もが100%望んだとおりの結果を得られるわけではない。だからこそ、あらかじめパートナーと考えておいてほしいことあると高尾先生は話す。
高尾美穂先生
パートナーとふたりで『不妊治療のゴール』をどこに置くのか。子どもを持つことをゴールに置いてしまうと、そこに辿り着けなかったときに悲しみ、自信を失ってしまったり、パートナーとの関係が悪くなってしまったり。それが残念でなりません。

それでは、不妊治療のその先には何があると考えたらよいのだろうか。

高尾美穂先生
ふたりで一緒に努力を積み重ねて、子どもができてもできなくても絆をさらに深めて、その後の人生も仲良く過ごしていくこと。そういうことを妊活や不妊治療のゴールと考えてもらえたらいいなと願っています。

様々な不安を抱えながら不妊治療に臨むパートナーの方々へ、不妊治療のゴールの設定について、高尾先生の考えを動画にまとめた。

ご利用のブラウザはiframeに対応していないため動画を表示できません。

動画をご覧になりたい場合にはhttps://www.youtube.com/embed/F4rp59iGSVIにアクセスしてください。

No Image

高尾美穂

産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター
女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道 副院長

2022年07月26日

基礎知識の関連記事

  • 世界で初めて体外受精が成功したのは、1978年のイギリス。今や、日本でも体外受精で子どもを産む方は少なくありません。この度、KIDSNA STYLE では過去に体外受精をご経験された方にご出演いただき、覆面座談会を開催いたしました。

  • 妊娠中はつわりや味覚の変化が多く、気を付けないといけないことも増えます。そのためどのような飲み物を飲んだらよいのか分からなくなることも。妊娠中におすすめしたいのは、身体を温めるホットの飲み物です。先輩ママたちはホットのどのような飲み物を飲んで、妊娠時期を過ごしていたのでしょうか。体験談をご紹介します

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 不妊検査に行ってみようと思っても、いつ、どのようなタイミングで病院に行くのがよいか迷ってしまうかもしれません。また、初めての不妊検査に行くことは不安な思いもあるでしょう。今回は不妊検査の初診に行くタイミングや、受診に必要なもの、準備しておくとよいことなどを紹介します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 不妊治療で、費用の自己負担がどのくらいになるのか心配する方は多いのではないでしょうか。2022年4月から不妊治療に対する保険適用範囲が拡大されるほか、自治体の助成金もあるため、工夫次第で負担を軽減できることをご存じですか。今回は、不妊治療にかかる費用について目安や具体的な事例、保険適用の範囲、どのくらい予算を用意しておけばよいか、費用を抑えるためにできることをご紹介します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 不妊治療には不安や悩みが付きものですが、その一つが費用負担の問題です。2022年4月からは不妊治療に対する保険適用範囲が拡大され、自治体に申請すればもらえる助成金もあり、工夫次第では以前よりも経済的負担を軽減できるようになりました。それに加え、この記事でお伝えしたいのは、不妊治療の費用を確定申告することで、税金が戻ってくること。「確定申告ってむずかしそう」「調べるのが面倒」という方に向け、メリットや手続きの方法などを解説いたします。

    福本眞也

  • 不妊にはさまざまな原因がありますが、年齢もその中の一つ。女性の人生では、年齢と妊娠の関係を考える機会が多いものですが、もちろん男性も無関係ではありません。妊娠する・させる力(妊孕力)は男女を問わず加齢によって減少します。この記事では、年齢が不妊に与える影響、対処法、妊娠のための生活習慣などを解説します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 世界で初めて体外受精による赤ちゃんが誕生したのが1978年。日本においても不妊治療を受ける方が増え、体外受精による出生児数も増えている。一方で「不妊治療を始める前に知っていただきたいことがある」と話すのは産婦人科医の高尾美穂先生。多忙な現代を生きるわたしたちは妊娠そのものをどう考えたらよいのだろうか

    高尾美穂

  • 妊娠37週から41週のママに起こる前駆陣痛。本陣痛の前に来る不規則な陣痛を指しますが、出産を控えて落ち着かない中で「この異変はもしかして本陣痛?」と勘違いしてしまうことも珍しくありません。この記事では、前駆陣痛の特徴や症状、その他の痛みとの違い、対処法や注意点、体験談をご紹介します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 「子どもがほしい」そう考える夫婦が妊娠・出産を目指して取り組む「妊活」。晩婚化が進む日本では、比例して妊娠・出産を希望する年齢も高くなり、「不妊治療」を受ける方も年々増加傾向にあります。そんな妊活や不妊治療を検討する際に役立つ、基礎知識から不妊治療の課題、海外の事例などを紹介した記事をまとめました。

  • 読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただく人生相談コーナー。今回は丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄先生が、「3年後に自然妊娠したい」というお悩みに答えます。

    宋美玄(ソンミヒョン)

  • 妊娠兆候のひとつである「インプランテーションディップ」。妊娠を希望する方や、妊活を経験された方は、一度は聞いたことがあるかもしれません。いつ頃に見られる現象なのか、見られなくても妊娠している可能性はあるのか。また基礎体温との関係や、妊娠検査薬はいつから使えるのか、など気になるポイントを解説します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • ふたごやみつごが生まれる割合は、約50年前と比較すると倍増していることを知っていますか?これには、不妊治療が関係しているようです。多胎妊娠のしくみや、母体と胎児それぞれのリスクや、備えておくことなどを田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生に聞きました。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

カテゴリ一覧