【産婦人科医監修】妊娠検査はいつからわかる?妊娠検査薬の正しい使い方

妊娠検査薬の使用推奨期間や病院を受診するタイミングについて

【産婦人科医監修】妊娠検査はいつからわかる?妊娠検査薬の正しい使い方

生理が遅れ妊娠の可能性があるとき、自宅で簡単に使用できる妊娠検査薬を試す方も多いでしょう。妊娠検査薬はいつからいつまで使用できるのか、2人目を妊娠した場合でも使用できるのか気になる方もいるかもしれません。妊娠検査薬の使い方や使用推奨期間、反応が出てから病院へ行くタイミングについて詳しく解説します。

妊娠の可能性があるとき

妊娠検査薬 女性
Pressmaster/Shutterstock.com

妊娠検査薬は、尿に含まれるホルモンによって妊娠を判定することができます。

妊娠したかもしれないと思ったとき、産婦人科を受診する前に薬局やドラッグストアで手軽に購入できる妊娠検査薬を使う人も多いかもしれません。

市販の妊娠検査薬の判定は、多くの製品で99%以上の正確さを謳っており、初めての妊娠や前回の妊娠から時間が開いた場合に関わらず使用できますが、使用方法を間違えたり、検査に適した時期でないと正しい判定が行えないことがあります。

妊娠検査薬はいつから使用できるものなのでしょうか。妊娠検査薬の正しい使い方や判定結果がでる時期について、解説します。

妊娠検査薬について

妊娠検査薬は、どのような仕組みで妊娠を判定するのでしょうか。


妊娠検査薬とは

妊娠検査薬は、尿中に排出されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が検出されるかを調べる検査薬です。

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は、胎盤になる絨毛組織から分泌される妊娠中の女性特有のホルモンで、受精卵が子宮内に着床する妊娠3週ごろから急激に分泌量が増えます。

妊娠前の最終生理開始日を妊娠0週0日と数え、妊娠4週0日は次の生理開始予定の日にあたります。

妊娠検査薬は、尿中にhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が一定数値以上検出されると、妊娠の陽性反応がでる仕組みになっています。


妊娠検査薬はいつから妊娠が分かる?

妊娠時期を調べる
Piman Khrutmuang - stock.adobe.com

妊娠検査薬は検査時期が早すぎると、妊娠していても尿中のhCGが少ないため、正確な判定結果が出ない場合があります。

hCGが尿中に検出されはじめるのは妊娠4週ごろからの場合が多く、生理開始予定日の約1週間後から妊娠検査薬でほぼ正確に検知することが可能となります。

一般的に市販の妊娠検査薬は、生理開始予定日の1週間後以降に使用することを推奨しています。

ただし、妊娠検査薬には数タイプがあり、使用推奨期間が異なるものもあります。


早期妊娠検査薬

早期妊娠検査薬は、検出感度を高め、少量のhCGでも反応するようにできている妊娠検査薬です。

一般的な妊娠検査薬は検出可能なhCG濃度が50mIU/mLに設定されていることが多いですが、早期妊娠検査薬は25mIU/mLから検出できます。

早く結果が知りたい人は、生理開始予定日から検査ができる、早期妊娠検査薬を使うとよいかもしれません。

判定の正確さは一般的な妊娠検査薬と変わらないことが多く、薬剤師のいる薬局やドラッグストアで購入できます。比較的入手しやすく、数本のセットで売られている手頃なものもあります。


妊娠検査薬の反応

妊娠検査薬の基本的な使い方は、採尿部に数秒間尿をかけ、キャップをして平らな場所で1~3分程度放置します。

終了窓に終了サインが現れていることを確認し、判定窓をチェックし判定窓に線が現れていたら陽性、線がない場合は陰性と判断します。

ただし、妊娠検査薬で陽性の判定が出た場合でも、正常な妊娠が確定したわけではありません。

妊娠検査薬は、受精卵の着床の有無を判断しています。子宮体部内膜以外の場所に着床する子宮外妊娠や胞状奇胎などの異所性妊娠の場合にも反応するため、妊娠検査薬での陽性の判定は、あくまで目安の一つとして考えましょう。

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妊娠検査薬はいつまで反応する?

妊娠検査薬は、検査時期が遅すぎると尿中に排出されるhCG濃度が高くなりすぎて正確な判定が出ないことがあります。

hCGはおおよそ妊娠4カ月ごろまで増え、胎盤が出来上がるとともに減少していきます。

市販の妊娠検査薬の中には、全妊娠期間を通して正しい反応が出るものも多いですが、基本的には、妊娠5カ月目くらいまでが正確な判定が出る検査期間といわれています。

生理が遅れたり、吐き気や身体が熱っぽくてだるいなど症状があり、妊娠の可能性があるときは、妊娠検査薬を生理開始予定日の約1週間後以降のなるべく早い段階で使用したり、病院を受診しましょう。

妊娠反応が出てから病院に行くタイミング

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、産婦人科の医師の診断を受けることが大切です。

妊娠検査薬で妊娠の判定が出た場合は、できるだけ早めに産婦人科の診断を受けに行きましょう。

早期妊娠検査薬は、妊娠週数が早い段階で陽性反応が出るため、診察を受けても超音波検査で、お腹の赤ちゃんが確認できないこともあります。また、流産や子宮外妊娠など異常妊娠をしていないかどうかの判断もできないため、妊娠の確定は出来ず、1~2週間程度時間をおいて、再受診を指示されることが多いです。

早期妊娠検査薬で陽性反応が出たときは、妊娠5週ごろ(生理予定日から1週間後)を目安に受診するとよいでしょう。

ただし、出血などの気になる症状がある場合は、早めに受診することをおすすめします。

また、妊娠検査薬で陰性の判定があった場合でも、体調がいつもと違うときは、大事をとって病院を受診しましょう。

妊娠検査薬は正しく使おう

妊娠検査薬
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妊娠検査薬は使用時期や使用方法を守り正しく使うことが大切です。生理開始予定日の1週間後以降に使用するようにしましょう。

使用時期や使用方法を誤ると正しい判定結果が得られないこともあるので、検査前には製品の説明書をよく読み、使い方をしっかりと把握した上で使用することが大切です。

市販の妊娠検査薬で陽性反応が出た場合は、できるだけ早めに病院での診察を受け、早期妊娠検査薬を使用した場合は、妊娠5週ごろを目安に受診しましょう。


監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

Profile

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。 患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

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