妊娠後期の妊娠32週は、お腹の張りや、吐き気などあとつわりのマイナートラブルが増えるかもしれませんが、赤ちゃんの身体は4頭身になり成長著しい時期です。妊婦さんの体調の変化や、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
妊娠後期である妊娠32週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
産院や出産方法によって費用に違いがでてきますが、出産費用を調べて用意をしたり、個室を予約したり、入院、出産一時金の申請書類を書いたりする時期です。出産のときに誰に送ってもらうかなど決めておく、陣痛タクシーの予約するなどしておくと出産間近になったときも焦らずに済むでしょう。
バースプランとは、出産から退院するまでの間をどのように過ごしたいかの出産計画のことです。産院によっては、妊娠35週くらいのときにバースプランの提出をするところもあるようです。
バースプランの主な内容は、普通分娩や無痛分娩など、どのような分娩方法にするか、出産の立ち合い希望の有無や胎盤を見たい、出産時に好きな音楽をかけてほしいなどの希望を書くことができます。
ぜひこの時期には希望を書き出しておきましょう。全ての希望が通るのは難しいかもしれませんが、望むことはなるべく詳しくしっかり書くとよいでしょう。
現在は胎児が逆子の場合、出産方法は帝王切開となることがほとんどです。この時期に逆子と診断されたら、外回転術を勧められるママもいるでしょう。外回転術は、医師がお腹に手を添えてお腹の外側から赤ちゃんを回転させて正常な体位に戻す方法です。子宮を刺激するため、陣痛が起こらないように子宮の収縮を薬で抑えながら行うこともあります。
外回転術はリスクを伴い、確実に成功するとは言い切れない方法のため、実行するかしないかは慎重に決めましょう。なかには逆子体操を行うことで、臨月に入ってから赤ちゃんの位置が正常に戻ったという人もいます。
里帰り出産を考えている人は妊娠30週くらいから帰省する人が多いでしょう。仕事をしているママは仕事の都合で帰れる時期が限られているかもしれません。特に飛行機は、出産日予定日が近くなると医師の診断書などが必要になる場合もあるため、事前に下調べをして準備しておくことが大切です。
臨月になるとお腹はもっと張りやすくなり、体調が変わりやすくなります。飛行機や電車、車など移動時間が長くなればなるほど妊婦さんの身体に負担がかかります。赤ちゃんは必ず予定日に生まれるとは限らないですし、ママの安全のためにも、なるべく早めに里帰りできると安心です。
お腹が大きくなって胃が押し上げられることで、妊娠後期のこの時期に再び、吐き気や胸やけなどつわりのような症状が出る場合があります。今まで普通に食事ができていたのに、食事中に吐き気を感じたり、食後に気持ち悪くなり、食欲不振になる人が出てきます。
そのようなときは、一度に食べる量を減らして食事の回数を増やしてみてください。なるべく栄養があり、消化のよいものを食べるようにしましょう。
妊娠9カ月に入ったら入院、出産に備え必要なものを揃えておくようにしましょう。少しの外出でも母子手帳と健康保険証、身近な人の連絡先を記したものを持ち歩きましょう。
妊娠後期である妊娠32週は、妊娠9ヶ月の始まりです。お腹が一気に大きくなるので、お腹の張りを感じたり、胃腸が圧迫されることで吐き気が出たり、食欲がなくなったり、あとつわりの症状が出てくる妊婦さんもいるでしょう。
妊婦さんは体調が優れない日も増えるかもしれませんが、お腹のなかの赤ちゃんの身体は4頭身になり、ほとんどの機能が完成して赤ちゃん自身で体温調節ができるくらいに成長しています。
妊娠32週になったら分娩予約をしたり、バースプランを具体的に考えたり実際の出産準備を通して、赤ちゃんと会えることが実感できる時期です。具体的な日程や出産計画が決まると、赤ちゃんに早く会いたい気持ちが増すかもしれませんね。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
2019年08月24日
世界で初めて体外受精が成功したのは、1978年のイギリス。今や、日本でも体外受精で子どもを産む方は少なくありません。この度、KIDSNA STYLE では過去に体外受精をご経験された方にご出演いただき、覆面座談会を開催いたしました。
妊娠中はつわりや味覚の変化が多く、気を付けないといけないことも増えます。そのためどのような飲み物を飲んだらよいのか分からなくなることも。妊娠中におすすめしたいのは、身体を温めるホットの飲み物です。先輩ママたちはホットのどのような飲み物を飲んで、妊娠時期を過ごしていたのでしょうか。体験談をご紹介します
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
不妊検査に行ってみようと思っても、いつ、どのようなタイミングで病院に行くのがよいか迷ってしまうかもしれません。また、初めての不妊検査に行くことは不安な思いもあるでしょう。今回は不妊検査の初診に行くタイミングや、受診に必要なもの、準備しておくとよいことなどを紹介します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
不妊治療で、費用の自己負担がどのくらいになるのか心配する方は多いのではないでしょうか。2022年4月から不妊治療に対する保険適用範囲が拡大されるほか、自治体の助成金もあるため、工夫次第で負担を軽減できることをご存じですか。今回は、不妊治療にかかる費用について目安や具体的な事例、保険適用の範囲、どのくらい予算を用意しておけばよいか、費用を抑えるためにできることをご紹介します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
不妊治療には不安や悩みが付きものですが、その一つが費用負担の問題です。2022年4月からは不妊治療に対する保険適用範囲が拡大され、自治体に申請すればもらえる助成金もあり、工夫次第では以前よりも経済的負担を軽減できるようになりました。それに加え、この記事でお伝えしたいのは、不妊治療の費用を確定申告することで、税金が戻ってくること。「確定申告ってむずかしそう」「調べるのが面倒」という方に向け、メリットや手続きの方法などを解説いたします。
福本眞也
不妊にはさまざまな原因がありますが、年齢もその中の一つ。女性の人生では、年齢と妊娠の関係を考える機会が多いものですが、もちろん男性も無関係ではありません。妊娠する・させる力(妊孕力)は男女を問わず加齢によって減少します。この記事では、年齢が不妊に与える影響、対処法、妊娠のための生活習慣などを解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
不妊治療の結末は誰にも予想ができず、努力をしたからといって必ずしも望んでいた結果が得られるわけではない。「だからこそ、ゴールをどこに置くのかが重要」と産婦人科医の高尾美穂先生は話す。パートナーと同じゴールに向かって協力することが必要不可欠だが、不妊治療のゴールとはどのように設定するのがよいのだろうか
高尾美穂
世界で初めて体外受精による赤ちゃんが誕生したのが1978年。日本においても不妊治療を受ける方が増え、体外受精による出生児数も増えている。一方で「不妊治療を始める前に知っていただきたいことがある」と話すのは産婦人科医の高尾美穂先生。多忙な現代を生きるわたしたちは妊娠そのものをどう考えたらよいのだろうか
高尾美穂
妊娠37週から41週のママに起こる前駆陣痛。本陣痛の前に来る不規則な陣痛を指しますが、出産を控えて落ち着かない中で「この異変はもしかして本陣痛?」と勘違いしてしまうことも珍しくありません。この記事では、前駆陣痛の特徴や症状、その他の痛みとの違い、対処法や注意点、体験談をご紹介します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
「子どもがほしい」そう考える夫婦が妊娠・出産を目指して取り組む「妊活」。晩婚化が進む日本では、比例して妊娠・出産を希望する年齢も高くなり、「不妊治療」を受ける方も年々増加傾向にあります。そんな妊活や不妊治療を検討する際に役立つ、基礎知識から不妊治療の課題、海外の事例などを紹介した記事をまとめました。
読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただく人生相談コーナー。今回は丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄先生が、「3年後に自然妊娠したい」というお悩みに答えます。
宋美玄(ソンミヒョン)
妊娠兆候のひとつである「インプランテーションディップ」。妊娠を希望する方や、妊活を経験された方は、一度は聞いたことがあるかもしれません。いつ頃に見られる現象なのか、見られなくても妊娠している可能性はあるのか。また基礎体温との関係や、妊娠検査薬はいつから使えるのか、など気になるポイントを解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)