【産婦人科医監修】いつまでの飲酒が妊娠中のお腹に影響するのか

【産婦人科医監修】いつまでの飲酒が妊娠中のお腹に影響するのか

具体的な影響と流産のリスクについて

お酒が好きな妊婦さんは妊娠中の飲酒を控えるのに苦労をするでしょう。妊娠中に飲酒をすると流産や胎児に障害を及ぼす可能性があるといわれていますが、妊娠中の飲酒はどのような影響があるのかを解説します。また、妊娠中いつまでの飲酒が特にリスクが高くなるのかと、妊娠中にお酒を控える工夫について医学博士、産婦人科医師である田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもとご紹介します。

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

妊娠中に飲酒すると妊婦さんにどんな影響があるのか

母体のリスク

妊娠中に飲酒をすると、流産や切迫流産の原因になることがあります。結果として妊婦さん自身の身体に負担がかかったり、妊娠経過中になんらかのトラブルが発生する可能性があります。

子宮内の胎児の発達が遅れる

ママの摂取したアルコールが原因で赤ちゃんの神経機能にトラブルが生じたり、胎児の成長が子宮内で止まったり、遅れる場合があります。

妊娠中に飲酒すると赤ちゃんにどんなリスクがあるか

胎児
iStock.com/janulla

妊娠中の飲酒は、赤ちゃんにどのような影響を与えるのでしょうか。

顔の奇形

鼻が低くなったり、小さな目や脳の発育に遅れが生じる小頭症など胎児の器官の形成が不完全な部分が現れる可能性があります。

発育の遅れ

お酒のアルコールがお腹の赤ちゃんに影響して、赤ちゃんが低体重や低身長で産まれてくる可能性があります。飲酒をしているママから産まれた赤ちゃんは、飲酒をしていないママよりも約5~10%小さく、生まれてからも成長に遅れが出ることが分かっています。

身体に障がいが出る可能性がある

妊娠中にママが飲酒をするとアルコールが入った血液が赤ちゃんに送られ、赤ちゃんが心疾患になったり、関節部分に異常が出る場合があります。

中枢神経の異常

まだ十分に発達していない赤ちゃんの器官や神経にアルコールが伝わると、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害などの障害をもたらすことがあります。

赤ちゃんの外見的には異常が見られなくても、中枢神経に異常を及ぼすと障がいが出る場合があります。

妊娠中の飲酒はいつからいつまでの時期に特にリスクが高いのか

妊娠超初期から妊娠初期の飲酒は、お酒の量が大量でなければ胎児への影響はほぼないといわれています。

「安定期の時期に入ったら流産のリスクが減る」と考え、飲酒をしても大丈夫だと考えているママもいるかもしれませんが、妊娠中期から後期でも飲酒をするとアルコールが胎児に届いてしまいます。でも、まだ肝臓の機能が未発達な赤ちゃんは、アルコールを分解することができないため、その影響で成長障がいや脳の障がいが出るといわれています。

「安定期に入ったから安心」と思わず、飲酒は控えた方がよいです。

妊娠に気づかず飲酒をしてしまった場合

楽しくお酒を飲むカップル
iStock.com/monzenmachi

妊娠超初期には、妊娠していることに気づいていない人も多いでしょう。妊娠に気づかず飲酒をしてしまうとお腹のなかの赤ちゃんや妊婦さんにはどのような影響があるのでしょうか。

妊娠初期の場合は、大量のアルコールでない限り胎児への影響はほとんどないといわれています。

ただ、飲酒をしなければ胎児性アルコール症候群になる可能性は無くなるため、妊娠が分かった時点で妊婦さんは禁酒することが大事です。

飲まないようにするための工夫

お酒が好きな妊婦さんは禁酒することがストレスになるかもしれませんよね。妊娠中にお酒を控えるための工夫をご紹介します。

ノンアルコール飲料を飲む

妊娠中にどうしてもお酒を飲みたくなったら、ノンアルコール飲料を飲むことは1つの方法です。しかし、ノンアルコール飲料にも1%未満のアルコールが含まれている場合もあるため、大量摂取は控えることが大事です。

妊娠中にノンアルコール飲料を飲んでもよいのかお腹の赤ちゃんの影響が気になる場合は、医師に相談しましょう。

早めに寝る

夜遅くまで起きていると、お酒を飲みたくなる人が多いようです。

食欲が出てきたり、お酒を飲みたいと思う前に寝ると、飲みたい気持ちを忘れられるかもしれません。

お酒の代わりになる飲み物を探す

普段からお酒が大好きな人や日常的にお酒を飲む人が禁酒することはつらいですよね。

妊娠中は、ルイボスティーやローズヒップティー、ハーブティーなど妊婦さんでも飲める飲み物に切り替えてみてください。香りや味などお気に入りの飲み物を見つけられると禁酒も苦にならないかもしれません。

普段は健康によいといわれているカモミールティーやハト麦茶ですが、子宮収縮作用があるので妊娠中は控えたほうがよいです。

甘いものを食べる

お酒が好きな人は、妊娠中にお酒が飲めない期間が続くとイライラする人も多いようです。妊娠するとホルモンバランスの関係と代謝の変化の影響で、今まで甘いものが苦手だった妊婦さんも甘いものを食べられるようになったり、甘いものを食べることでイライラが抑えられる場合があります。

しかし妊娠中に甘いものを大量摂取すると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になる可能性があるため甘いものは、1日200kcal程度を目安にして、チョコレートやコーヒーが使われているお菓子は、カフェインが入っているので妊娠中は避けた方がよいです。

妊娠中はお酒を我慢する工夫をすることが大事

お茶を飲む妊婦さん
iStock.com/SanyaSM

妊娠中の飲酒は、妊婦さんやお腹のなかの赤ちゃんが特徴的な顔つきになったり、赤ちゃんの発達に遅れなど障害を及ぼす危険性があります。

なかには妊娠初期の頃、妊娠に気づかず飲酒してしまい、赤ちゃんに影響を与えないか心配に思うママもいるでしょう。

妊娠超初期から初期なら大量摂取でなければ胎児に影響することほとんどないといわれています。

お酒が好きな人は禁酒するのがつらいかもしれませんが、妊娠中は胎児の脳や器官が形成される大切な時期です。お酒の代わりになる飲み物を探したり、甘いものを少しだけ解禁したり、早めに寝るなど、上手に気分転換をする方法を考えてみてください。

ママと赤ちゃんの健康を考えて、妊娠を望んでいるママや妊娠中のママは禁酒をすることが大切です。

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杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)監修の記事一覧(バックナンバー)

信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。

患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

田園調布オリーブレディースクリニック

2019年01月04日

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