育児をしながらフルタイムから時短勤務にシフトチェンジしたいと考えているママ、また労働時間を短くできるなら仕事がしたいと考えているママもいるのではないでしょうか。時短勤務を希望してから実際働き始めるまで、また勤務開始後の注意点や、知っておくと得する基準法の制度や法律、給与問題や残業対策を筆者の体験談を踏まえてお届けします。
フル勤務が8時間以内とすると、概ね6時間以内を指すといわれている「時短勤務」。まず、この働き方にはどのようなメリットやデメリットがあるのかを考えてみました。
いちばんのメリットは、フルタイム勤務よりも家事育児に使える時間が増える、ということがあります。保育園のお迎え時間に合わせる人が多いようです。そのため育児中のママでも仕事を辞めることなく続けることができますね。また早い時間に勤務が終了するので、帰宅ラッシュに巻き込まれないのもメリットのひとつかもしれません。
時短勤務にシフトすることによって、仕事内容が変わったり部署移動の可能性もあります。また、これまでより短い時間のなかである程度の成果を求められる場合もあります。
アルバイトやパートでは時給制のために、フルタイムから時短勤務に変えることで、大幅に給与が減額することもありますので、あらかじめ確認をしておきましょう。
時短勤務という働き方を実現させるための準備について考えてみました。
時短勤務という制度はあっても、会社によっては実は全く活用されていない、社長からの評価がよくない、職種変更や部署移動の可能性があるなどという暗黙のルールが存在することもあるので事前に確認しておきましょう。
同部署のメンバーにも時短勤務についてどう考えているのかをきいてみて、不満に思っていないかどうか反応をチェックしておくとトラブルが起こりにくいようです。
男性目線、上司目線の意見を聞けるチャンスでもあります。上司との面談ロールプレイングを夫婦でやってみるのもおすすめです。時短勤務をするにしても、やっぱり夫の協力は不可欠になってくるので夫婦間での意識のすり合わせは必要だと思います。
資料があると、上司へ話す際に緊張せずスムーズに相談できます。上司もその資料をもとに上層部に話を持って行きやすいメリットもあります。資料を作ることで、自分の仕事や求められているものへの再認識ができそうですね。
見積もっていた時間内で仕事が終わらなかったり、子どものお迎え時間が間に合わないこともあるかもしれません。公に時短勤務を宣言したあとに話が二転三転すると周囲も対応しづらいので、まずは期間限定の「試用期間」を設けておくといいかもしれません。
同僚はもちろん、他部署へも「時短勤務をする」ということを伝えておきましょう。規模の大きい会社でみんなより先に帰りづらい場合には、事前に全体メールを送って説明しておくのもひとつの方法ですね。
時短勤務により給与などの労働条件を変更することは法律で禁じられています。
ですが、一方で会社としても勤務時間が短くなった場合は、給与を減額することができる権利も持っています。
会社の制度として、給与に影響を及ぼさない場合もあります。
「育児時間」は一歳未満の子どもを育てる女性が請求できる制度で、時短勤務と併用して請求ができます。
通常の休憩時間に加えて、一日二回まで少なくとも30分以上の時間をもらうことができます。保育園や幼稚園の送り迎えの時間にあてることなどができます。
時短勤務と併用して、「所定外労働の免除」や「時間外労働の免除」「深夜業の免除」の請求ができます。
残業をしてしまう可能性がある場合は、あらかじめ請求を出しておくことで万が一のトラブルを避けられます。
夫婦ともに取得をすることができますので、時短を取るのが心苦しいと思った場合は、ご主人にも取ってもらいましょう。
何かがあったときにご主人も動ける状態をつくっていくことで、余裕が生まれます。
活用方法として以下の例があります。
・週3日(フルタイム)の隔日勤務で所定労働日数を少なくする。
・週のうち2日はフルタイムにして、3日は半日勤務を組み合わせる。
時短勤務は厚生労働省で決められていますので、安心して3歳の誕生日の前日まで利用できることを念頭に入れておきましょう。
上記で紹介した制度や知識は全ての会社で適用されるものではないものもあります。勤め先によって制度や方針が違うことから、まずはよく話あって決めることが大切です。
トラブルを避けるためにも、お互い納得のできる状態で取り決めをして働いていきましょう。
いざ時短勤務を開始しても仕事が終わらず残業せざるをえなかったり、当初の話と違って残業を頼まれてしまったというケースも多いと聞きます。そんな場合はどうしたらよいでしょうか?
仕事内容のなかで効率アップできる工程はないか考えてみましょう。例えば営業職ならテレアポリストを自宅で作っておくなど。どんな仕事をする時も優先順位を意識し、当日の業務に支障のないものは翌日にまわすこともポイントです。
「今日はどうしても定時で帰らないと」という日は、朝の時点で「今日は残業の可能性はありますか?」と聞いておくといいかもしれません。どうしても残業できず同僚に仕事をお願いする場合には、別の日に「仕事を手伝うよ」と声をかけると好感度大です。
ほとんどの人が定時で上がる風潮の会社ならよいですが、忙しい職場だと毎日自分の仕事を残して上がることにプレッシャーを感じるという人もいると思います。そんな場合には家族の助けを借りて週に1度でも「残業してもいい日」を設けてみると、普段帰りやすくなるかもしれませんね。
時短勤務の中でしっかりやるべきことをやっているのに頼まれる残業と、最低限の仕事を完了できず頼まれた残業では、「残業の質」が違います。残業を引き受けたり断る前に、この残業はどういう意味があるべきものなのか?しっかり見つめることは大切です。
定期的に人事評価がある会社なら、その面談で自分から上司に評価を尋ねてみるといいかもしれません。「そんな風に思われていたの?!」と驚いたり「予想より高く評価されている」と安心したり、今後の働き方のヒントがたくさん得られると思います。
筆者の場合、子育てのために時短勤務を考えましたが、「時短勤務の場合は別部署に異動になる」と聞いて時短勤務できる別の会社(前職の同僚が立ち上げた会社)に転職しました。転職先は理解のある会社で、時短勤務でも働きやすいと感じています。できればこのまま続けたいので、短い時間の中でも成果を出せるように心がけて仕事をしています。
それでもやはり日々の生活のなかで「時間がない」と感じることはあります。なので、朝は早めに子どもを幼稚園に送って時間を捻出しています。また最近は、家電や調理器具など便利な時短アイテムを導入するなど「家事の時短対策」も有効です。周囲の働いているママは、おそうじロボットや電気ケトルを使ってできる限り家事の時間を短くする工夫をしているようです。
時短勤務制度を活用すると、フルタイムに比べて、仕事と家事育児のバランスがとれる反面、給与が問題になったり、短い時間のなかでもある程度成果を出さなければいけません。でも見方を変えると、マルチタスクを求められる育児という実体験をこなしているママだからこそできる働き方なのではないかと考えます。
また「時短勤務なのだから残業せずに、定時で帰って当たり前」という考えではなく、会社での周囲への配慮を怠らないことで結果的に自分も働きやすくなります。「あの人時短なのにすごい」と評価されるような働くママを目指したいですね。
2017年03月06日
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